377−1.IT革命、ITの今後(2)



前回は、インターネットの現状と未来を見たが、今日はその他の
機器の動向を見よう。

3.携帯電話について
 携帯電話は個人認証の道具になる。カードの代わりになる。そし
て、個人認証付きコントローラにもなる可能性がある。何処ででも
、個人と個人の会話が成立する。会う必要がないという機能だけで
はないのです。この携帯電話にブルーティース(近距離無料無線)
が組み込まれると、通話料がいらないため、本格的にカードの代わ
りになる可能性が高まる。そして、これに積極的なのはノキアやエ
リクソンなどの北欧諸国のメーカであり、現に自動販売機で物を買
うのに連動している実績もある。

 そして、2001年には第3世代携帯電話が登場する。この携帯
電話は高速インターネット端末になる。WCDMA、CDMA2000
の2つの方式があるが、1Mビット/秒の速度、映像も可能になる。
テレビ会議ができる。この端末でどこでもテレビが見れる。衛星で
はなく、インターネットからである。
しかし、問題がないわけではない。主要都市だけしかまだ携帯電話
は利用できない。もう1つ、世界で方式が違う。欧州と日本は同じ
方式になるが。
 このため、ドコモが世界に自方式のネットワークを確立するべく、
提携や投資をすることになる。W−CDMA方式を使うと表明して
いる携帯電話サービス会社に提携や買収戦略を行っている。

 もう1つ、第3世代携帯電話は、日欧・アジアが最初に設備され
るが、米国の主流は第1世代のアナログで、携帯電話会社が儲かっ
ていないため、第3世代携帯の整備投資ができないでいる。このた
め、欧州や日本・アジアの会社に応援を依頼しているのです。

4.衛星通信
 衛星通信で世界のどこにいても、全世界放送(CNN、MSNB
S)が見れるようになった。しかし、NHKは主要都市(米国、中
国、韓国、台湾)しか見れない。欧州でも見えるようになったので
しょうか?そして、この衛星によりインターネットも可能であり、
全世界で携帯パラボラを持てばいいのです。イラクのバクダッドか
らのCNNの放送がいい例です。
しかし、衛星携帯電話は失敗した。これは、ほとんど米国の事業で
あったが、こんなに世界で急速に携帯電話が普及するとは思わなか
ったからでしょうね。

5.光ファイバー
 光ファイバーは大容量通信が可能で、家庭内まで引かれると、映
像系サービス可能になり、CATVが可能である。森内閣は、
光ファイバーを引くと言っているが、充分に光ファイバーはあるの
です。幹線系は既に充分であり、都市圏では家庭の引き込み工事が
まだの状態で有効利用が可能なのです。そして、家庭まで可能なの
は大阪有線(ゆうせん)とNTTで全国ネットの光ファイバー
を持っているのです。要注目ですよ。ゆうせんは。NTTは、地方
の儲からない地域まで、サービスをさせられるが、ゆうせんは都市
のおいしい所だけのサービスですから、当然NTTより安くできる
はずです。

幹線系であれば、JR、電力会社、道路、KDDI(海底ケーブル)
が大量に設置されています。そして、その光ファイバーに多重光伝
送が可能になり、大容量通信が可能になっているのですよ。

6.半導体・液晶・部品など
 半導体は個数による費用低減効果が絶大であり、世界標準になっ
た方式が、一番安いことになる。このデファクト・スタンダード化
する方式をどれだけ、持つかが重要になる。インテルはCPUの
デファクトを押さえたために、莫大な利益を得たのです。
 コストにおける複雑さは関係ない。大量に作ることができること
が重要なのです。このため、1か2社独占になる。コスト軽減は、
作る個数が多いかどうかだけであるので、方式間の競争が激しくな
る。

しかし、この分野は、日本が優勢です。インテル・AMDのCPU
とデジアナ系のテキサスインスルメントと、メモリの韓国が、日本
を仰臥しているぐらいで、アナログ系は日本が押さえている。
また、液晶ではPFDなどのテレビに使えるものは日本のみで、か
つTFTは韓国、台湾も作り始めた段階で、日本の優位が続いている。

 部品も日本優勢:コンデンサー、高周波フィルター、高周波送受
信機はほとんど独占。自動車の金型は、日本の富士ともう1社でシ
ェアの大半を占めている。DVDの光ピックアップも日本が独占。
レーザープリンターの機構部は、船井電気、キャノン、エプソンな
どの日本勢が独占。まだまだ、部品分野、工作機械分野は日本の独
占している物が多い。インターフェロンも林原が50%を生産して
いる。
 −>日本の優位分野については、URL:
   http://www.asahi-net.or.jp/~VB7Y-TD/kako/yuui.htm
   を参考にしてください。

この結果、技術貿易収支は、平成5年に黒字になってから、一貫し
て伸びて、平成11年度は、輸出が輸入の2.4倍の黒字になって
いる。米国に対しても黒字になっているのです。ビジネス特許で、
米国は、交戦場所を違えた理由は、このままであると、特許の
ほとんどを日本が独占する事態になるためで、米国の苦し紛れの
特許戦略なのです。しかし、その分野も日本がどんどん出願して
いるので、抜かすのは時間の問題なのです。
日本は、負けている分野を探して、負けていると騒ぐ。しかし、
米国サイドから見ると、米国の領域を日本に奪われていると映る
のです。評論家の皆様、もう少し調査して、評論してください。
そして、米国の陰謀説を言い始める。米国サイドから見ると、日本
の陰謀説になるのですよ。

7.製造分化、ソフト開発
 アセンブリやソフト開発などの人的資源が必要なものは、発展途
上国で、人件費より設備費の方が大きい自動化工場や部品は、先進
諸国になっている。ソフト開発では、設計は先進国、製造は後進国
をなっている。製鉄、造船などアセンブリの方が大きいものは、
後進国になっていく。それに必要な製造機械は先進国が作る。
CAD/CAMなどの設計は先進国で行い、製造はやはり後進国と
いうような住み分けが必要になっている。

 先進国企業でも、コスト・ミニマム化を達成した企業しか生き残
れないためで、製作コストが最低になるような配置が必要になって
いる。たとえば、ユニクロは、全量中国で生産。しかも、高品質
低価格化を実現している。船井電機も、全量中国で生産で、アイワ
のコストより20%以上安い価格で製造できている。

8.ゲーム機などのエンターテイメント
 全画面CGの映画は日本で完成予定です。どうしてか、それは米
国はCG映画に対し俳優組合が反対しているからです。ロボットの
対応と同じ。ゲーム機は、現在セガ・任天堂・ソニーの3社で独占
で、米国はゲームソフトのみ。CG技術は映画よりゲームで進歩が
激しい。このため、ゲームのソフト技術で全CG映画を日本が作っ
ている。今後、肖像権が問題になるでしょうね。コピーさせると、
同じような格好の人物が登場した映画ができるため。

 ゲーム機の方では、マイクロ・ソフトがX−ボックスで参戦する
が、どうなるか見物である。インターネットと絡んだゲームなどが
出てきているが、今後ブロードバンド・インターネットでより、
映像を使ったゲームが登場するでしょう。

9.ロボット
ロボットは日本が独占状態ですが、今後人間型のロボットが出てく
る。これは、完全独占になるでしょう。日本の人間型ロボットが活
躍する可能性は大きい。特に介護や兵隊や危険地域作業にと活躍の
機会は多くあるように思う。工場のロボット化は欧米でも進行して
きた。
これは、コスト競争が激化してきたためで、その一歩先を日本は行
くことになる。


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