376−1.IT革命、ITの今後(1)



今週は、T君と共同でIT関係の話をしようと思います。(Fより)
技術面はT君、社会面はFの分担とします。
IT関係の本は、技術論中心で、そのことによる社会の変化がほと
んど書いていない。このため、物足りなさを感じています。そこで
ここでは、両面からT君の技術サイド、Fの社会サイドから見直す
こととします。お付き合いください。他では得られない情報が満載
です。それでは、始めましょう。

1.目次
 ITの道具として、どのような物があるのかを見ておこう。
次に、グローバル化の促進要因はなにか?これは、インターネット
に近いため、この理解も必要であろう。
そして、その結果として、社会はどう変化するのかを考えよう。
最後に、日本はどうすればいいのかの対応策も検討したい。

 まず、ITの道具は何か?を検討する。
2.インターネット(世界的ネットワーク) :12日
3.携帯電話(人に属している)      :13日
4.衛星通信(大容量):映像系      :13日
5.光ファイバー             :13日
6.半導体・液晶             :13日
7.製造技術(単価が安くなる)、ソフト開発:13日
8.ゲーム機などのエンターテイメント系  :13日
9.ロボットについて           :13日

そして、次に、社会的な問題に視点を移すそう。
10.グローバル化の促進理由       :14日
11.社会はどう変化するか?       :14日
12.日本の対応             :15日


今回は、この内、インターネットについて検討しよう。

2.インターネット
 インターネットのアドレス空間が48ビット空間から128ビット
空間に拡張され、アドレス可能個数がほとんど無限大になり、世界
の機器同士の通信が可能になる。このことにより、世界にあるコピ
ー機の状態が、1つの監視センタでモニターできる。
 センタを日本と米国に2つ作り、世界の監視を日本が昼間の時は
日本で、夜は米国のセンタで監視ということが可能になる。
この応用範囲は、非常に大きい。

 このため、監視やHPのセンタは集中の方向になっている。これ
がデータセンタ化である。なぜ、集中化するかというと、高速回線
が高いため、集中センタで運用した方が安価になるためですが、
再度、高速回線が低価格になるとセンタの分散化を促進することに
なる。
このため、データセンタの過当競争が起こり、今がブームで来年に
は失速する可能性もある。高速回線も安価になる可能性が高い。

 インターネットのメリットはなにかというと、世界的な会話が
メール、BBS、チャットなどでほとんどコスト0になるためで、
どんどん普及している。そして、やはり使用人口の多い英語が標準
語化しているが、アジアでは華僑や中国・台湾で使用されている
中国語も準メインになる可能性がある。

 もう1つが、自分のHPで情報発信ができることにより、友達が
世界的な広がりを持ち、維持が可能になっている。この道具として、
HPだけでなく、メーリングリスト、メルマガ、BBSでもいいし、
ほとんどその維持費がかからない。このHPの月額使用料は840円
だし、無料HPも沢山ある。
これは、個人の影響力を増大させている。本当の意味での個人主義
の時代になってきているのであろう。そして、多様化の時代になり
いろいろな意見が氾濫することになる。この状況は岡田斗司夫著の
「ぼくたちの洗脳社会」朝日文庫が詳しい。

 経済理論の変化も起きている。経済理論は実世界ではいろいろな
制約が付いて、理論通りにはならなかった。しかし、インターネット
の出現で純粋市場理論が可能になった。このため、Eマーケット等、
電子商取引は純粋な理論が可能となるのため、勝敗はある程度見通
せることになる。とすると、勝利を決めるのにはアイデアが重要に
なる。このため、ビジネスモデルが重要で特許化したのです。米国
はインターネットの普及が早かったために、いち早く気付いたので
しょう。米国陰謀説は違うと思うが。

それと、このE−コマースでは距離の概念がない。このため、世界
からいいものを選べる。反対に、売る側は勝負に勝とうとすると全
ての品物は低価格化・高品質化にならざるとえないことになる。こ
れは、比較購買が可能なためであるが、消費者の力が強くなる。特
に大量の発注する企業の電子取引では、価格が10分の1になる
ケースもある。

しかし、全て、インターネットのバーチャル化で取引するのは限界
がある。BtoB、BtoC、CtoC、GtoG、GtoB、GtoCなどの
ビジネスでは、インターネットだけでビジネスが完結しないし、完
結させるモデルでは不安になる。このため、FACEtoFACEや
ユーザフレンドリーなインターフェース、質問対応などの補完が
必要あると思う。米国でも実店舗とインターネットを協調している
企業が成功している。アマゾンよりバーンズ・アンド・ノーブルの
方が利益が出ている。バーンズは米国全土に実店舗を持っているた
め、物流コストが新規に必要がないし、店舗でユーザと会話ができ
ることによる。

 しかし、証券会社はバーチャルのみで完遂する。これが原因で
バブルが醸成され、そしてインターネット・バブルが崩壊した。
米国ではインターネットバブルが崩壊して、その影響がハイテク産
業に波及してきた。この影響がどこまで広がるか、米国を注目する
必要がある。日本も一時の勢いがない。

最後にハッカ−による暗号解読、HPの改竄などの被害であるが、
これは、いたちごっこになるように思う。この対策が実行させると、
それを乗り越える方法を探すためで、この完全防止は難しい。
しかし、これを国家間でやると、ハイテク・ハッカー戦争になる。
勿論軍事ネットワークを民生用のネットに繋げることは国家保障上
やめるべきである。

 また、この頃話題の「エシュロン」などインターネット上のメー
ルの盗聴であるが、今後民間通信でも重要な通信には暗号化は当た
り前になるでしょうし、その暗号のカギは複雑になるでしょうから
エシュロン機関にとっては、計算量が級数的に増加するはずです。
海外のビジネスで米国などエシュロン加盟諸国と競合している時は、
暗号化したメールで通信するべきです。キーも頻繁に交換すること
をお勧めする。ローテクも重要です。
(第1回目終了)


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