372−3.北朝鮮問題について



 この頃、北朝鮮問題を論じていないため、ある友人から、今の
北朝鮮はどうか論じろとの指摘を受けましたので、議論しましょう。

何回も論じた通り、北朝鮮は今年度の支援は充分なため、来年度以
降の交渉材料を残すため、日本や韓国との取引にはあまり応じない
はず。これから以後も、北朝鮮は援助を受けないと、国が持たない。

どうしてか?200万人の軍隊を持ち、それを支える国民は餓死し
て。今時点で1500万人以下になっているでしょうから。恐らく。
このため、食料も国内だけでは供給できない。そして、外貨もほと
んどない状況ですから、最大限、他国からの援助が必要なのです。
一時、米からジャガイモに転換して、農産物の収穫を上げようとし
たが、どうも失敗したようだ。このごろ、そのような話を聞かない。

 この援助となると韓国、日本、米国の3ケ国からしか充分な量を
確保できないとこを、今年学んでいる。ヨーロッパ諸国との国交回
復をしたが、援助はほとんどなかった。日本と韓国しか、食料や金
を援助していない。このため、北朝鮮は、日本と韓国の援助をどう
最大限に出させるかを考えている。日本は簡単で、村山前議員を中
心とした国会議員・日本人を自国に呼び、北朝鮮の言いなりに日本
向けに主張させている。

つい最近も、北朝鮮に行って、日本が交渉している賠償方法を、
批判してくるのである。これには非常な怒りを感じる。
北朝鮮は、これで充分自国の利益と援助を確保している。この国会
議員のは、賄賂を送っていると思われる。しかし、その見返りは充
分であろう。自国民を拉致されているのに、北朝鮮の味方をする議
員がいることに大きな怒りを感じる。

 しかし、日本が苦労している時点で、米国が交渉の全面に出てく
る可能性があった。そして、米国と北朝鮮の交渉により、日本の拉
致問題もなし崩しになる危険があった。北朝鮮にオルブライト国務
長官を米国は送って、クリントンの出番を作る予定であったが、や
はり米国の戦略家たちもクリントンの北朝鮮行きにクレームをつけ
て、行かせないようにした。
当たり前で、米国の要求を1つも実現させていないのであるから、
その時点で訪問しては、益々いうことを聞かなくなる。

 これで、大統領のポストが共和党に渡れば、米国も少し違う対応
になると思うので、日本サイドも、安心して北朝鮮との対応ができ
るはずである。

 韓国は、離散家族の再会で盛り上がっている。同じ民族同士であ
るが、どうも、自由主義で育った民族と思想統制させた民族は、50
年もたつと、感じ方が違うようだ。違和感も持って帰ってきた家族
もあるようだ。やはり、北朝鮮と韓国の間の交渉も進展していない
ようだ。交渉のスピードが落ちている。
==============================
北朝鮮の食糧生産が大幅減 農業省高官が訪朝団に明かす  

 朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の今年の食糧生産が326万
2000トンにとどまり、昨年より約100万トン減少したことが
分かった。北朝鮮を訪問していた村山富市元首相を団長とする日朝
国交促進国民協会代表団が5日、北京国際空港で記者会見を開き、
北朝鮮農業省高官の話として明らかにした。食糧の不足分は
220万トン分に上っているといい、同高官からは日本の50万
トンのコメ援助に対し、感謝の意が示されたという。

 北朝鮮の食糧生産事情については、国連食糧農業機関(FAO)
が今年11月、今年の減少見通しを発表しているが、具体的な数字
を北朝鮮当局が明らかにしたのは初めてだ。一昨年からは比較的安
定した状態が続いていたが、今年は雨量が少なく、干ばつ被害が指
摘されていた。

 一方、村山氏は日朝国交正常化交渉について、金永南・最高人民
会議常任委員長から「時代の変化の中、朝日関係は立ち遅れている
。『過去の清算』に対する日本政府の不誠実な態度のためだ。過去
への誠実な謝罪と補償がなければ、国交は達成されない」と強調さ
れた、とした。村山氏は「大変厳しい態度だった」という。
(12月5日21:20朝日新聞) 
==============================
<南北関係改善>進展に鈍り 日程遅れ目立つ(毎日新聞)
 6月の南北首脳会談以来、急速に進展してきた韓国と北朝鮮の関
係改善の進み方が最近、目立って鈍くなっている。今月開かれる予
定だった3回目の離散家族相互訪問や第3回南北赤十字会談は、来
年に持ち越しになることが確実だ。来年春とみられていた金正日総
書記の訪韓も遅れるという見方が強くなっている。 

[毎日新聞 12月 7日]

コラム目次に戻る
トップページに戻る