372−2.結局日本は何者



11.30付 364−3.「結局日本は何者」Mr.Mond のエッセイに
感銘して、一筆啓上いたします----秋好ともうします。
 
 微積分学、地球計測、信用取引、下瀬火薬、航空艦隊などは
日本人の創始である、とする指摘はそのとうりでしよう。
温故知新を教えた孔子を崇拝しながら、知新を忘れ、いたずらに
過去の栄光にすがって、満州民族に征服された漢民族の清帝国---
 
 欧州がギリシャ古典文明に温故し、機械文明を築いたように、
日本は古代中華文明から精神文明をつくり、欧州文明から機械を
かりて近代国家を築いた。(精神文明の中心命題は、武士道でしょ
う)
 
どこの民族も先進文明にならい、刺激をうけて、進歩してきたの
です。朝鮮を取り合って、日清戦争となり満州を取り合って、日露
戦争となり新進気鋭の大日本帝国は、ユーラシアの2大国と戦った
のです。
  その結果、朝鮮、満州そして台湾が日本領となった---わが国は
文字どうり帝国主義の仲間入りを果たしたのです。
 
 そこで、米英仏蘭などの先進帝国主義は、日本を警戒しはじめる。
一方で、白色帝国主義の植民地とされていた有色民族は「同じ有色
の日本が白色のロシアに勝った!」と、独立への希望と独立戦争へ
の勇気を抱くのです。
 
 大東亜戦争は「満州を中華民国へ返せ」という、米英の横暴な要
求に屈する事が出来なくて始めた、といえるでしょう。彼らを横暴
というのは、自分たちはインド,ビルマ、フイリッピンなどを領有し
たままだったからです。
 清国なら、この要求に屈したでしょうが、わが帝国には武士道精
神が大和魂に名を代えてあった----
 
 かくすれば かくなることと 知りながら
    やむにやまれぬ 大和魂        吉田松陰
 
「敵わぬまでも、一戦を」と、米英蘭に宣戦---予想どうり敗れた
が、わが帝国の奮闘は植民地人民に武器をとらせ、アジア諸民族を
独立へと導いた。
 
 さらに、みずからの帝国主義を敗地に捨てることで、帝国主義時
代の幕を引く。 これは、世界史上の捨て身の貢献といえるでしょう。
捨て身という武士道の精髄が、帝国海軍で「特攻」の名で顕された---
そして「航空艦隊」の発明である。いま、米国海軍はこれに習い、
「空母戦闘群」をもっている。 同様の海軍戦術である。
また、特攻はベトナムやパレスチナなど解放戦士が見習っている。

 米国の対日戦争の名が「太平洋戦争」だからといって、大東亜戦
争を矮小化してはならない。わが帝国が戦ったのは、太平洋だけで
なく、オランダとは南方で戦い、英国とは東南アジアの海陸で戦っ
たのだ。無論、中華民国と中国共産党が内戦中のシナ大陸でも戦っ
た。

 この戦争には「神国」といった傲慢さや「一億玉砕」といった狂
気もみられた。元来、謙虚な大和民族がこれらの暴慢を憎んで、米
国のおしつけた平和憲法にしがみつく心情はよくわかる。 解るか
らこそ,一党支配をつづける自民党も迂闊に、改憲に着手できなかっ
たのだ。 
 
 だが「自衛隊」という軍隊を保持していて、「戦争放棄」は嘘で
あること、これは小学生でもわかる矛盾だ。法の根本である憲法に
嘘があっては、どんな教育も虚しいのではないだろうか?
 
 この秋、20世紀の最後を平和大国のまま越すことができるのも、
あの大戦で帝国とともに逝つた英霊のお蔭でありましょう----
   秋好

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