11.30付 364−3.「結局日本は何者」Mr.Mond のエッセイに 感銘して、一筆啓上いたします----秋好ともうします。 微積分学、地球計測、信用取引、下瀬火薬、航空艦隊などは 日本人の創始である、とする指摘はそのとうりでしよう。 温故知新を教えた孔子を崇拝しながら、知新を忘れ、いたずらに 過去の栄光にすがって、満州民族に征服された漢民族の清帝国--- 欧州がギリシャ古典文明に温故し、機械文明を築いたように、 日本は古代中華文明から精神文明をつくり、欧州文明から機械を かりて近代国家を築いた。(精神文明の中心命題は、武士道でしょ う) どこの民族も先進文明にならい、刺激をうけて、進歩してきたの です。朝鮮を取り合って、日清戦争となり満州を取り合って、日露 戦争となり新進気鋭の大日本帝国は、ユーラシアの2大国と戦った のです。 その結果、朝鮮、満州そして台湾が日本領となった---わが国は 文字どうり帝国主義の仲間入りを果たしたのです。 そこで、米英仏蘭などの先進帝国主義は、日本を警戒しはじめる。 一方で、白色帝国主義の植民地とされていた有色民族は「同じ有色 の日本が白色のロシアに勝った!」と、独立への希望と独立戦争へ の勇気を抱くのです。 大東亜戦争は「満州を中華民国へ返せ」という、米英の横暴な要 求に屈する事が出来なくて始めた、といえるでしょう。彼らを横暴 というのは、自分たちはインド,ビルマ、フイリッピンなどを領有し たままだったからです。 清国なら、この要求に屈したでしょうが、わが帝国には武士道精 神が大和魂に名を代えてあった---- かくすれば かくなることと 知りながら やむにやまれぬ 大和魂 吉田松陰 「敵わぬまでも、一戦を」と、米英蘭に宣戦---予想どうり敗れた が、わが帝国の奮闘は植民地人民に武器をとらせ、アジア諸民族を 独立へと導いた。 さらに、みずからの帝国主義を敗地に捨てることで、帝国主義時 代の幕を引く。 これは、世界史上の捨て身の貢献といえるでしょう。 捨て身という武士道の精髄が、帝国海軍で「特攻」の名で顕された--- そして「航空艦隊」の発明である。いま、米国海軍はこれに習い、 「空母戦闘群」をもっている。 同様の海軍戦術である。 また、特攻はベトナムやパレスチナなど解放戦士が見習っている。 米国の対日戦争の名が「太平洋戦争」だからといって、大東亜戦 争を矮小化してはならない。わが帝国が戦ったのは、太平洋だけで なく、オランダとは南方で戦い、英国とは東南アジアの海陸で戦っ たのだ。無論、中華民国と中国共産党が内戦中のシナ大陸でも戦っ た。 この戦争には「神国」といった傲慢さや「一億玉砕」といった狂 気もみられた。元来、謙虚な大和民族がこれらの暴慢を憎んで、米 国のおしつけた平和憲法にしがみつく心情はよくわかる。 解るか らこそ,一党支配をつづける自民党も迂闊に、改憲に着手できなかっ たのだ。 だが「自衛隊」という軍隊を保持していて、「戦争放棄」は嘘で あること、これは小学生でもわかる矛盾だ。法の根本である憲法に 嘘があっては、どんな教育も虚しいのではないだろうか? この秋、20世紀の最後を平和大国のまま越すことができるのも、 あの大戦で帝国とともに逝つた英霊のお蔭でありましょう---- 秋好