372−1.日本の財政赤字・国債について



初めまして。いつも勉強になる記事を読ませていただきありがとう
ございます。 私は赤瀬と申しまして大学生をしているものです。
 質問なのですが今日本の借金がどのくらいかというのに驚いてい
るわけですがまたどうしてそこまで借金が増えたのでしょうか?
これからいくと危ないというのはわかるのですが実際どの様になる
のですか?
 非常に関心ぶかいというよりも危険といったほうがいいかと思い
ます。 出来れば有益な情報をお願いします。
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(Fのコメント)
この問題はすでに前回議論しているので、まずそれを読んでくださ
い。
http://www.asahi-net.or.jp/~vb7y-td/kako/111116.htm
BIS(国際決済銀行)も日本の国際発行高が大きいことを取り上
げている。
http://www.asahi-net.or.jp/~vb7y-td/kak1/1206142.htm

現時点の日本の借金は、630兆円で、一家庭で1500万円程度
の負担になる。いま現時点の借金を知りたければ、次のHP
http://www.takarabe-hrj.co.jp/takarabe/clock/index.htm

このように、地方と国の借金がどんどん、嵩んできたにも関わらず
国の財政支出を益々増大させているのです。これは、不景気を解消
するためにどんどん公共事業を行っているためですが、この公共事
業で、不景気は解消しないばかりか、益々不景気の時期を伸ばして
いるのです。そして、この借金は、いつか返す必要があります。

 それでは、どうなるのか?道は3つしかない。1つは、消費税な
どの税率を10%程度に上げる。酒税も上げる。直接税も上げるか
もしれませんね。
もう1つが、インフレにする。借金の払いを実質的に小さくする。
どちらにしても、今後の勤労者・退職者が払うことになるのです。
そして、インフレになると、年金生活者の積み上げてきた預金の価
値ががた減りするのですから、たまりません。どちらにしても、い
いことはないのです。
もし、日本に投資する価値がないと判断されると、ハイパー・イン
フレになる可能性も否定できないですね。

もう1つあります。米国がやった方法です。景気を好調にして、税
の自然増を期待する方法です。これには、日本の社会制度をベンチ
ャーや企業家に有利にする必要がありますが、このような制度変更
に政治家も既存権益者も反対して、実現しないようです。日本は
大きな意味で社会主義国で、官僚が経済の統制・管理をしているの
です。1940年の統制経済のまま。戦後形だけの資本主義を導入
したのです。このため、高度成長期は、官僚の指導で経済は飛躍的
に伸びましたが、1985年以降、この官僚制が企業の自由な発想
を邪魔し始めたのです。よって、この変革をしないと、景気はよく
なりません。まあ、今の自民党政治ではムリでしょうね。ぜんぜん
反省がない。今までどおりの経済運営しかしない。
これは、356−3.「日本資本主義の間違い」で論じている。
http://www.asahi-net.or.jp/~vb7y-td/1211223.htm

よって、景気が回復しない場合は、インフレは、悪性インフレにな
るでしょうね。もう1つの増税も、取りやすい所から、まず行うで
しょう。東京では外形課税を指向するようですが、その他環境税や
ジーゼル車からも税金を取るようですから、これは回りまわってイ
ンフレになるはずです。米国も借金体質ですので、やはり米国が強
いものは、値上げするでしょうね。この代表が石油です。これをま
ず、値上げした。これもインフレ要因です。

 このようにどんどん税金が上がり、基礎資材の石油が上がると、
これは、もうインフレしかないと思いますね。どう防衛するかが、
重要のような気がします。今、どんどん日本が貧乏になる方向に向
いているのです。対応策は、物で持つことですが、家などの不動産
は、人口減少になると、値段が低下しますから、持つにしても、住
む家だけでしょうね。株などの会社の資産やベンチャー企業を持つ
か。外国、特に中国などの企業に投資するとかの方法もあると思う。
なにもしない日本は、没落するだけでしょうから、日本企業に投資
しても下落するだけで、財産の保全はムリだと思います。


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