365−3.国民国家論を越えて



 日本の政治が国民から遊離して、政治家のための政治家による
政治論争が大きく、国民の方に顔を向けてもしょうがないとの雰囲
気が出ている感じがする。この雰囲気が国民の不満を益々大きくし
て、つぎの参議院選挙で国民の気持ちが爆発するような気がする。

 今の内に公明党や保守党は自民党と離れることをお勧めする。
いまでも、自民党の中にも不満分子がいる状態で、自民党とともに
行動するのは自党の自殺行為以外のなにものでもないですよ。

 日本の都市住民の反乱は近いような気がする。加藤さんの反乱が
成功すれば、ガス抜きができたので、まだ自民党連立政権もある可
能性があったが、加藤さんの反乱が不発になったことによる自民党
と連立政党は、次の参議院選挙はたいへんなことになるような気が
する。もし、まだ森首相で参議院選挙するなら、もう火を見るより
明らかだ。自民党の大敗北になるでしょう。同罪で公明党もたいへ
んでしょうね。

 国民国家として、日本が機能していない。国家は、天皇の私物で
はない。ましてや政治家の私物でも余計ないはずだ。国家は国民に
対し、サービスしその対価として税金を頂いている。もし、国家サ
ービスが国民として不十分であれば、国民は国家に対し、クレーム
をつけるべきである。

 今、国家は、国民の要望である今後の生活不安、年金不安に対し、
ほとんど、何も答えていない。それより益々不安を増幅する方向の
アナウンスしかしない。そして、今の政治家の次の選挙のためだけ
に、田舎に公共事業として金をばらまこうとしている。
そして、赤字国債を積み上げている。国家破産の状況にあるのにで
ある。それは、今後の日本がハイパー・インフレを起こすことを
確実する行為にほかならない。このような悲劇が起こることは、
だれでも分かるようになってきたのにです。

私も、今後の生活に有効な施設を作るなら、公共事業も許せるが、
今政府・自民党がやろうとしているのは、田舎で1時間に1台しか
とうらない高速道路やほとんど使わない豪華な公民館をつくるため
費やされているのですからどうしようもない。国家破産が間近であ
るのに豪華なムダを行っているのです。

公共事業をいくらやっても、今後の生活不安があるから、消費者の
購買意欲はなく、未来への備えをする方向に向かってしまう。
このため、景気は上向かない。
国民の不安を解消しない。新規ビジネスより、倒れかかった企業を
潰さないようにするため、金が後ろ向きに使われている。

政府管理企業以外は、元気を取り戻している。このため、政府の
管理が事態の好転を遅らせている。国民のサービスはだんだん悪く
なっていく。サービスが劣悪にもかかわらず、国民から取る対価は
どんどん上がっていく。増税になる。酒類の増税など。しかし、
これでも足らないため、赤字国債は40兆円以上規模になるでしょ
う。

また、中国のような軍事拡張をしている周辺諸国には、ODAを惜
しみなく与え、日本国民を拉致した北朝鮮には100億円規模の援
助を行う。国民のサービスはだんだん劣悪にしてですよ。国家財政
破綻の瀬戸際にもかかわらずですよ。政治家の頭のどこかがおかし
い。日本国民の利益のことを、ほとんど考えていないで政治家の
利益しか考えていないと疑われる。

そして、欧州は、とうとうこの国民国家論から、概念が拡大し始め
た。
今の欧州機構は、固有民族圏、固有文化圏には自分の文化や言語を
守るように自治権を与え、経済や軍事などは欧州機構で保障する方
向になって、国民国家を乗り越えている。このため、欧州の共通語
が必要であり、この共通語が英語になるようだ。このように欧州は
2極分化した概念を追求し始めた。このため、国民という概念も小
さくなっている。欧州人かチューダ人というような2つの分裂した
概念になっている。この概念はカナダなどにも波及している。この
中から2重国籍の問題も考えられている。

 一方の東南アジアでも、共同体構想が出ている。国民国家からの
離脱をして、地域全体で経済・軍事を行う方向のようだ。欧州機構
のアジア版である。そして、その共通語として、やはり英語にする
ようだ。

これに比べ、日本はアジア共同体構想に必要な英語教育の強化にも
反対し、かつ国民国家ではなく、政治家・官僚の国家としてしか考
えないという前近代的な官僚主導国家運営で益々、没落の危機にあ
るようだ。

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