363−2.女性の意識改革とジェンダー



(管理人Tより)
ジェンダー論はすべて、BBS上で検討している会話の採録です。
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はじめまして。 まっちょん。   
   
 こんにちは。初めまして。 
まず、軽く自己紹介をさせていただきます。 
生粋の日本人で男性で26歳で社会人経験のある専門学校生です。 

突然カキコいたしましたのには、理由がありまして、 
「小子高齢化」と「ジェンダー」のふたつの明確な繋がりが自分の
なかに見いだせなかった・・・というのが1点。 
またジェンダーという問題に対して、男性の意識改革が必要である
ことに疑いはないのですが、女性側の意識に問題はないのかという
疑問。このふたつが多分に気にかかったからであります。 

まず「小子化」ですが、これは「労働力」として期待されていた子
供が親にとって「夢」に取って代わったことが理由ではないでしょ
うか。金銭以外の価値観・・・つまり余裕があるのならば、子供ひ
とりひとりに大きな期待と夢と時間を割いていこう・・・という考
え方が浸透しているのだと思います。 
もちろん、女性の社会進出によって小子化が進むという見方は否定
しませんが、それがこの問題の根幹ではないはずです。 
また高齢化については、さらにジェンダーとは直接の関係がないも
のと思います。「小子高齢化」というひとくくりの言葉は、別の社
会問題ではないでしょうか。 

ジェンダーに対する女性側の意識。差別的意識を持つ男性を擁護す
る気はまったくありませんが、平等を推進するためには女性側の意
識改革も必要であるように思います。疑問を感じていない男性と同
様に、疑問を感じていない女性もいるのではないかと。これに対す
るみなさんのご意見を伺いたく思います。 
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女性の意識改革 尼崎   2000/11/21 07:10 
   
 男性の意識改革が必要なようにもちろん女性の意識改革も必要で
す。専業主婦で育児サークルを作っている方々がいます。 
それはそれで良いことなのだけど一部のサークルでは、父親の参加
を否定する場合もあります。 
彼女たちは、あくまでも女性が家庭を仕切っていたいようです。 

女性学の教授の公演会場にのりこんで「おんなが家庭を守らなくな
るから公演しないで」と言った料理研究家(女性)もいました。 

意識が古い人、とにかく金持ちと結婚して楽したいと思っている人
、嫁姑問題で悩む人、さまざまです。 
そして今、とんでもない話も聞いています。 
某高校では、女生徒の進学が決まっても「オトコをgetできたら大
学にいかなくてもよい」らしいです。(もちろん教師がすすめてい
るわけではない)これはその一部の田舎だけの特殊な流行だと思い
たい・・・ 

40過ぎても独身の長男に対して親戚の女性たちは「はやく嫁つかま
えて家(+親戚一同)の手伝いさせなさい」。 
これでは恋人も結婚したいとは思わないでしょう。 

身近に保守的な同性たちの厳しくて情けない実態を見ながら女性た
ちは模索中なのです。それをすすめるためにはとにかく行動するこ
と。みんな私を見て!こんな生き方もあるよ! 
言葉ではいわなくても態度で手本になるようなそんな女性がもっと
増えるといい。それにはもちろん男性(社会)の協力が必要なのです。
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皆様へ          YS   

 まっちょんさんへ 
どうもはじめまして。YSです。 
確かにジェンダーから見ると少子高齢化は繋がりがないように思え
ますが、特に少子化から見るとジェンダーは極めて重要なテーマと
なります。 

もし日本にお住まいであれば、下の本もどこでも手に入りますから
機会があれば一度読んでみて下さい。 
『超少子化−危機に立つ日本社会 すれ違う男女の価値観』 
鈴木りえこ著 集英社新書 定価680円 

また少しテーマは違いますが最新の『週刊東洋経済』でも「子供の
うめない国」の特集が掲載されています。(定価570円) 
ネット上では現在村上龍さん主催のJMM [Japan Mail Media] でも
人材流出や若者を中心とする人材受け入れについて議論されていま
す。

ジェンダーそのものを議論することも大切ですが、現実に変えてい
こうとするのであれば、少子高齢化は極めて利用しやすい問題です。
ここは国際戦略コラムなので少しだけこだわっています。
役者が揃った段階でもう少しジェンダー自体にも踏み込んでいきた
いと思っています。 

また感想お聞かせ下さい。期待しています。 
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思考が巡る。 まっちょん。   2000/11/23 02:39 

 YSさんへ 

なるほど。。。小子化とジェンダーについて時間のある折りに少し
調べてみたいと思います。人材流出も関連づけて考えていなかった
ので、そちらのほうも。 

新たな疑問なのですが、小子高齢化を変えることってできるのでし
ょうか。子供を産む比率が高い20代のひとは小子化に対する危機
感が薄いように思えます。問題から問題を解決するのはかえって難
しいのでは? 

それと、ジェンダーについての根本的な問いなのですが、ジェンダ
ーをなくすことによって、得られる未来はどのようなものなのでし
ょう。社会での完全なる平等でしょうか。それとも、良い均衡なの
でしょうか。 
性別による肉体の差というのはどこまでいってもなくならないもの
。すべての分野での平等は実現不可能です。ぼくは男女が同等の権
利を所有するよりも、お互いが得意な分野で支え合いバランスを取
って生きていくことが理想だと思っています。 
この考えを進めていくうちに、ある問題に行き当たりました。女性
にできなくて、男性にできることが世の中に存在するのだろうかと
。女性は子供を産むことができます。働くこともできます。男性は
女性を助け働くことしかできません。女性の権利を認めない男たち
のなかには、男が必要とされなくなるのではないか、という恐怖が
あるのかもしれませんね。 
いったい社会はどうなれば良いのでしょうか。悩むところです。 
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Re:思考が巡る。巡る。 YS   2000/11/23 15:18 
   
 まっちょんさんへ 

『新たな疑問なのですが、小子高齢化を変えることってできるので
しょうか。子供を産む比率が高い20代のひとは小子化に対する危
機感が薄いように思えます。問題から問題を解決するのはかえって
難しいのでは?』 

誰も危機感なんて持っていないでしょうね。 
「わたしゃ少子高齢化対策の為に子供をたくさん生むのだ」という
女性がいたら恐いですね。 
今後予測されることを書いただけで、ここからはもっと自由にジェ
ンダーそのものについてお話していきましょう。 

『女性にできなくて、男性にできることが世の中に存在するのだろ
うかと。女性は子供を産むことができます。働くこともできます。
男性は女性を助け働くことしかできません。女性の権利を認めない
男たちのなかには、男が必要とされなくなるのではないか、という
恐怖があるのかもしれませんね。いったい社会はどうなれば良いの
でしょうか。悩むところです。』 

女性だけでは子供はできないですよ。まあこれは冗談ですが、男が
いくら頑張っても想像でしかありません。私も含めて男は特に鈍感
です。(これも一種のジェンダーかな?) 
女性が一体どこに差別を感じるのかお話してもらった方がいいよう
に思います。 

逆に女性の皆さんに私からの質問なんですが、今回はストレートに
いきます。 
前の会社で私の子分だった優秀な女性がいます。彼女もその会社を
今秋寿退社し現在専業主婦で頑張っています。 
一戸建てのマイホームを夢見てパートでもいいから働きたいようで
す。私の仕事内容を熟知しているので、現在の私の会社に入社して
欲しいのですが、のっけから「子供ができるまでね」と言われてな
ぬなぬと引いてしまいました。 
私は出産後の自宅勤務のことまで考えていたのですが、本人が希望
しないことまで押し付けるわけにもいきません。 
非常によくあるケースなんですが、ここで男どもは大きく悩んでし
まいます。「果たして女性にとって仕事とはなんだろう」と考え込
んでしまうのです。 

このあたり既に働いている方のお考えやこれから社会に出ていく方
のお気持ちなどをお聞かせください。 
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代理イエ社会への問いかけ    YS   

 日本人は長らく「イエ(家)」を自分の存在の基礎に置いてきた。
血縁を第一とするのではなく、家名の存続を第一と考えてきた。
人間は、何らかの意味で永続性を持つものとつながりを持たぬ限り
不安に陥るので、これもひとつの工夫ではあったが、このために個人
の自由は制限されることとなった。 

戦後は、自由主義の強い力によって、日本の古い「イエ」は崩壊し
たかのごとく見えたが、日本人は知らず知らずのうちに「代理イエ」
を作った。その典型が「カイシャ(会社)」である。 

ほかにも多くの「代理イエ」が発生し、それに所属することで満足し
、忠勤を励み、その永続性を信じて安心を得るパターンが広く認め
られてきた。そして「代理イエ」も、いったん所属すると、その全
体の和が最重要とされ、やはり個人の自由を束縛した。 

こうした、所属する場の和を第一に考える日本人の傾向は、先進国
のなかでは貧富の差が少なく、比較的安全性の高い国を生み出すと
いう利点を持った。しかし、個人の能力や創造力を存分に発揮させ
る場としてはむしろ足かせとなってきた。 

グローバル化や情報化の潮流の中で多様性が基本となる21世紀には
、日本人が個を確立し、しっかりとした個性を持っていることが大
前提となる。このとき、ここで求められている個は、まず何よりも
、自由に、自己責任で行動し、自立して自らを支える個である。
自分の責任でリスクを負って、自分の目指すものに先駆的に挑戦す
る「たくましく、しなやかな個」である。 

第1章 日本のフロンティアは日本の中にある (総論) 
1.何が問われているのか  2.個の確立と新しい公の創出 より 

上は今年一月に小渕恵三内閣総理大臣に提出された、『21世紀日
本の構想報告書』の引用です。 
発表後さまざまな議論を集めましたが、私は結構好きなんですね。 
小渕さんの遺書みたいになっちゃったけど、今一度再評価してもい
いと思います。 

以前務めていた会社の社是は「人格の育成向上」でした。これを毎
日朝礼時みんなで唱えていました。今でもそんな会社あるんじゃな
いでしょうか。 
結局「代理イエ」である「カイシャ(会社)」でおのずと伝統的な
男女の役割も取り入れました。女性は男の留守を守る存在として配
置されていきます。 
「らいおんハート」にこだわったのもここにあるのですが、これか
らは「何を守ればいいのか?」という問いかけも必要になります。 

経済至上主義は21世紀も唯一の目標とすべきなのか。 
別のものと2本立てでいくのかあるいは別のものに変えるべきなの
か。そのあたりの女性側の本音の部分が知りたいと思います。 

土橋さんや尼崎さんはどう思いますか? 
あるいは未熟な学生さんは就職してなにがしたいんでしょう。 
これまでの企業社会にしがみついていたいんでしょうか? 


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