361−2.副島隆彦の早稲田大学での講演



          副島隆彦の公認サイト 
      http://www.interq.or.jp/world/soejima/boyaki/
  
  上記のサイトの“今日のぼやき”にアクセスしていただければ、
副島隆彦書き下ろしの政治評論が読めます。尚、ぼやき漫才掲示板
に書きこまれる際は、副島隆彦の著書を最低5冊は読まれてください。
まずは副島隆彦の思想を知った上で、書きこまれるようにしてくだ
さい。最低5冊という踏み絵は副島隆彦否定者を排除しているわけで
はありませんので、批判者も踏み絵を踏んだ上で、どしどし掲示板
に書きこんでください。
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     ☆副島隆彦の早稲田大学での講演の一部(そのニ)☆

※できるだけ、講演の雰囲気を残すために、正確に再現してます。
例えば、文と文との間に、「ね。」と話された部分も残しました。

 「モダーン( modern )」という概念、これはまさに、きっかり
500年前にできたのです。
これは15世紀の終わりから16世紀の初頭にかけて、北フランス、
北ドイツ、イギリスの南、オランダ、この辺りだけで成立したので
す。「モダーン( modern )」という概念は。
ここに「モダーン・マン( modern man )」、「近代人」というも
のがそれに位置している。
近代学問、サイエンス( science )なるものはこのときに成立しま
して、ここで生まれた人間たちの考え方、生き方、気風、そのもの
が「モダーン・マン( modern man )」でありました。
で、実は、大きな概念でとらえますと、「モダーン・キャピタリズ
ム」、「近代資本主義」もこのときに成立したのです。

デア・ガイスト・デス・カピタリスムス(der Geist des Kapitalismus )
です。
ザ・スピリット・オブ・キャピタリズム( the spirit of capitalism )
ですね。
近代資本主義が成立したんです。と、同じ時に、実は、「デモクラ
シー( democracy )」も成立したのです。と、まったく同じ時に
、そうでございますね、「マーケット( market )」の思想といい
ますか、ま、これは「キャピタリズム」と一緒じゃないか、といっ
てもいいわけでございますが、「デモクラシー( democracy )」
というのは、デーモスのクラティーカといいまして、「デーモス」
というのは、一般民衆であります。
もっとはっきりいいます。貧乏人の大衆であります。権力者ではな
い、一般の人々。

それから"cratica"は、システム、体制、であります。制度、オー
ダー( order )です。
これからなる、政治体制。というのが、成立したんです。あと一つ
、ちょっと今、うっかりわすれましたが、あとで思い出すと思いま
すが、そうですね、近代憲政というのも、このまったく同じ時に、
「コンスティトゥーショナル・オーダー( constitutional order )
」ですね。立憲君主制なんですが、まだコンスティトゥーション
という考え方、メイキング・アップ・ア・ステイト( making up 
a state )といいまして、「国家なるものの骨組み」という概念な
んです。「近代国家」です。「モダーン・ステイト( modern state )
」というのも、まったく同じ時期に、すなわち15世紀の末期から16世
紀の初頭にかけて成立した。

そして、この「近代」なる概念にもとづいて、ものを見るならば、
これを前提にするならば、日本という国は、いまだ、まさしく、ま
だこの段階においても、「モダーン」ではありません!
明治元年から、黄色く塗って山川の教科書は「はい、近代国家」と。
近代国家とはそのようなものではありません!日本は部族社会であ
ります。

トライバル・コミュニティー( tribal community )。日本はいま
だに部族社会であります。
このことを恥じるべきか、という問題以前に、日本が近代であり、
われわれは近代社会であり、われわれは近代人であり、こういう
洋服を着て、立派な技術をもち、これだけの高度な社会を築いた。
が、しかし、日本人の精神構造は、意識は、いまだ「プレ・モダー
ン( pre-modern )」であります。この厳然たる事実を、あらゆる
角度から、わたくしは証明しつくそうと思っています。

こういう観点に立ちますと、日本の国がこの百年、明治時代がから
今日までつくりあげてきた技術や知識や思想や制度、一切合財を欧
米諸国から導入しましたが、実は泥棒したんであります。「泥棒し
た」という事実。お金は払わなかったという事実。

ちゃんと契約しないで、これもこれもこれもこれも、全部、ほとん
どタダで持ってきたんです。制度まで。われわれの学問制度も。
「ポリティカル・エコノミー( political economy )」という言葉
がありまして、それを「政治経済」学部とやったわけです。この見
識はすばらしいですが、別にこの件に関してお金を払う必要はあり
ませんが、それらがこの500年前の「モダーン」なるものの土台を
、インフラストラクチャーをなしで、上に築き上げたことの劣性が
、今、日本国を襲っているんです!
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(テープ起こしをして下さった、SNSIのMurakami氏にお礼申し上げ
ます。)
                        SNSIの会  Shibataより


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