360−2.「少子高齢化時代とジェンダー」



『らいおんハートとジェンダー論』 2回戦スタート   YS   
   
 これからは少しテーマを絞って考えていきたいと思います。 
まずは「少子高齢化時代とジェンダー」です。 

昨日11月17日付け日本経済新聞朝刊の記事を御紹介します。 

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[高齢化社会でも1.57%の成長可能]
               (11月17日 日経朝刊より) 
  
大蔵省の財務総合政策研究所は16日、「少子高齢化の進展と今後
のわが国経済社会の展望」と題するリポートを発表した。今後労働
力人口が減っても、2025年まで国内総生産(GDP)の伸び率
で1.57%を達成できると試算している。 

日本の労働力人口は1998年度から2025年度までで平均
0.43%減る見込み。このままでは経済はマイナス成長となるが
、同研究所は労働生産性について米で1990年代に平均1.9%
伸びていることから、まだ伸びていない日本で2%程度の伸びが実
現できると見ている。 

経済成長率は労働力人口と労働生産性のそれぞれの伸びを足して算
出するため、差し引き1.57%の成長が実現できると試算した。
また、それ以上に経済成長を押し上げるには『女性を積極的に雇用
することが有効と説明。』保育所を増設するなど女性が働きやすい
環境を整えることで、米国やドイツ並みの女性の就業率を実現でき
れば、2025年には200万人の労働力を創出できるとしている。 

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2025年まで国内総生産(GDP)の伸び率に縛られるのかと考
えるとなんだか疲れますが、テーマと離れるためここは我慢しまし
ょう。 

これと同じような見解で今話題になっている本があります。 
先月10月に出版された「ウェルカム・人口減少社会」(文春新書
 藤正巖・古川俊之)です。定価660円です。関心のある方は読
んでみて下さい。 

この本でも労働力確保の手段としてジェンダーフリーとエイジフリ
ーをあげています。 
特にジェンダーフリーについては出生力の安定している20歳代と
30歳代前半の女性が、就労を維持しながら結婚と出産ができる社
会制度への変換が必須の政策課題としています。 

またうまくいかなかった場合、2030年以降の日本の人口減少に
大きな影響を与えると警告しています。
日本の未来を託されることになる女性ですが、ここでひとつ気にな
る資料があります。 
外務省の海外在留邦人数統計によれば、平成11年は男女別在留邦
人数が調査開始以来初めて女性の数が男性の数を上回った記念すべ
き年であったようです。 
伸び率も男性が前年比マイナス0.4%の393,277人でこれに対して
女性はプラス2.0%の402,575人となっています。 

大蔵省も「ウェルカム・人口減少社会」も人材の海外流出についてま
ったくふれていません。 
「人のグローバリゼーション」は日本でも迷走を続ける国内環境から
ますます増加するように思います。 
このコラムには、すでに海外で生活されている方が多く参加されてい
ますね。 
目前に迫った日本の少子高齢化問題に対する皆様の御意見お願いい
たします。 

海外在留邦人数統計 
http://www.mofa.go.jp/mofaj/toko/tokei/hojin00/1_1.html 
http://www.mofa.go.jp/mofaj/toko/tokei/hojin00/1_4.html 
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  少子高齢化     尼崎 
   
 女性が生涯に子供を生む数が減少している。それ、女性の責任です
か? 

「女性の高学歴が問題ではないか?」某政治家が宣った言葉ですが 
それでは、低学歴、例えば 中卒なら子供を産んでくれるという意味
にもとれそうです。 

女性は妊娠・出産にあたって、とんでもなく厳しい現実に遭遇しま
す。妊娠したら退職。子持ちは就職できない。
(子どもの体調で会社を気軽に休まれたら困る) 

一番精神的・経済的に援助が欲しい時に女性は無収入になるのです。

既婚であっても、年収数千万円のダンナがいるならいいですが 平均
400万円、ここ沖縄では200万円の収入です。 
住宅ローン(家賃)・光熱費・生活費・教育費その他を差し引くと平
均的な生活水準をキープできるとは思えません。 

そして、出生率を上げようと言っている割には「女が産んだんだか
ら育てるのは女の責任」と言い捨てる社会の構造がすごくイヤラシ
イです。 

私たちは、「このバカ亭主! もっと稼いでこんかいっ!」と、罵倒し
ているわけではないのです。 
私も仕事をして社会に役立ちたいと言っているのだけど。 
男性と同じ仕事をして低賃金なんてやってられない。 
しかも税金ついて扶養手当ても受けられないしだから、働かない方
がカシコイ。・・・そう思う人が多数だと思います。 
社会制度をどうにかしてほしいよ。
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Re:少子高齢化 YS   2000/11/19 12:32 
   
 No.609 で未熟な大学生さんが次のように書いてくれています。 

『もし子供がいたら、絶対に子供優先です。子供をほしいと思って
生んだからには、その子供に対して 絶対的責任があるはず。それ
に、私自身、自分の子供の成長を 見逃したくはない。』 

私の場合も結婚してしばらくは共働きをしていました。子供ができ
てからかみさんは育児に専念しています。 
やっぱり未熟な大学生さん同様子供の成長を見逃したくないとふた
りとも思ったからです。 

私の周囲もだいたい同じですね。結婚して子供ができるまでは共働
きでその間に多少余裕のある生活を楽しみながら貯金もして出産に
備えるケースが一般的になっているようです。 

経済的には相当きつい状況が続いています。特に昨年までは子供ふ
たりが私立の幼稚園に通っていましたので大変でした。公立の幼稚
園が近くにないので他に選択できなかったのです。 

本当は小学校も私立に行かせたかったのですが、もう経済的に限界
に達していました。でも私の心配は現実のものとなりそうです。 
昨日教室に入ると運動会の絵が貼り出されていました。 
そのすべてが同じ構図で書かれています。それも学年全体がまった
く同じ絵なのです。 

私の娘は自由保育の幼稚園で育ったせいもあり、その絵で県のコン
クールに入選したと聞きましたがまったくうれしくありません。 
そんなものことが通用するような時代ではないことを私自身が一番
実感しているからです。 

こんなこともあり私の頭にあるアイデアが具体化してきています。
他の国を調べてみようという気持ちです。もしいい国があれば家族
で移ることも考えています。 
普通だと障害となるのがかみさんの問題ですが、我家の場合かみさ
んも長く海外で生活していたこともあり結構あっさりしています。 

何故か? 
「ウェルカム・人口減少社会」で書かれている労働力確保の手段と
してのジェンダーフリーとエイジフリーですが、これはおそらく避
けては通れないことになるでしょう。 
現在私は36歳でふたりの娘が7歳と5歳です。25年後はという
と61歳、32歳、30歳となり、我家はかなり忙しい家族構成に
なります。すべての負担が私と同世代の家族にかかってくるのです。

しかも年金制度もかなりきわどい状況の中、強制的に襲い掛かって
くる可能性があります。 
教育についても私がロボット君と名付けた同級生の連中が現在教師
になっています。すべてとはいいませんが、ほとんどが安定指向の
強い方々だと思います。政治と同じで期待するだけ無駄というのが
私の考えです。 

資料 
数値が大きく違っていますが、ショックを受けないで下さいね。 
2000/11/15 日本経済新聞 朝刊 P.5 190字 

家計における教育費の負担が増していることが国民生活金融公庫が
十四日まとめたリポートで分かった。 
アンケートによると一九九九年度の平均世帯年収は七百四十六万二
千円で前年度比二十二万四千円減少したにもかかわらず、高校入学
から大学卒業までの費用は子供一人当たり前年比七十六万八千円増
の九百八十八万六千円。教育費をねん出するため旅行・レジャー、
衣類などの支出を節約するとの回答が多かった。 

厚生省 平成11年 人口動態統計月報 
http://www.mhw.go.jp/toukei/11nengai_8/ 
出生 
http://www.mhw.go.jp/toukei/11nengai_8/brth.html 

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