354−3.日本人と欧米人の違い



347−1.イギリスでの会話を見て、日本人とはなぜに好意を
もたれるのかを考えてみた。(Fより)
 ほとんど、私がいくのは米国であるが、ここ米国で議論をして、
日本に帰ってくると、「ほっと」する。なぜだと思います。

 米国にいると、自分を何でもできるスパーマンとして、相手に売
り込む必要があるため、自分のできることをリスト化して、また、
ある期間にやった実績を、少々オーバーに言う必要がある。

 この感じは、自分の力をどうUPするかが問題になる社会。
他人を期待してはいけない社会。管理能力も段階と会社で決められ
ているので、そのカリキュラムを受講しておかないといけない。
いつも張り詰めている社会のような気がする。
ノイローゼが多いのも肯ける社会である。

また、管理職になるためには、どうしても32・3才の時、会社を
止めて、大学のMBAに入学する必要がある。この時、ジェンダー
論ではないが、家事を夫がやり、奥さんは仕事という逆転の関係も
経験するようだ。夫は、卒業まで家でMBAの勉強をする。
また、横に逸れてしまった。

米国は自力の社会。これは、パワフルな感じがする。これに比べて
日本は他力の社会である。このため、皆が遠慮して、パワフルな感
じがしない。この社会では上司は、黙って席に座って、部下のやる
ことにくちばしを挟まない。挟むと煩がられる。上司は、そのため
だんだん無能になっていく。社会の動向にも疎くなる。自社の利益
確保しか考えない。惰性でしか、物を見なくなる。このようなこと
は悪い例であるが、部下がのびのびと仕事ができるといういい面も
ある。そして、皆がリラックスして仕事をしている。会社がイエな
どと暢気なことを言っていられる。米国の仕事場は自分をスパーマ
ンとして振舞う舞台だ。家に帰って、早くリラックスしたいのであ
る。気の置ける友人と過ごしたい。

日本の上司はこのため、部下をどう伸ばすかが仕事である。
職場全体の意見の取りまとめや調整も仕事であるが、このような
仕事を嬉々とやっている。そして、意外と米国の職場より効率がい
い。このごろのIT化により、米国も従業員のスキルを皆に知らせ
ることは重要であるという教育をし始めたが、日本では当たり前の
ように回りの人に教えている。日本の上司は目標も数字的なもので
、やり方は各自考えてくれとなる。上司は細かい指示しない。
しかし、米国は上司が指示する回数は多く、かつ細かいような感じ
がする。

 どちらが、いい仕事をするかは、明確になってでている。
米国は、社会変革期には強い組織である。日本は社会変革が終わ
った時期や変化しないものの効率がいい。変化のスピードが米国は
早い。が失敗する時のスピードも速い。しかし、失敗するとその
グループ全体が退職してしまうため、失敗のスキルが組織に蓄積さ
れない。しかし、社会全体には蓄積させる。失敗した事例として、
誰かが、本を書くことが多い???

 日本人は、変化の少ない時には、日本人以外にも割りかし、フラ
ンクにノウハウを教える。米国の復活は、日本のQC手法を取り入
れたからであるが、日本はTQCのエキスパートを米国に送った。
その後、IT革命で、米国はITを使って、より一層購買能力を強
化したため、日本との価格格差をつけた。がもうITも一段落つい
たようだ。
日本人は皆で教えあい、一歩一歩積み上げていく。やっと、日本は
米国購買の仕組みを理解できた。それは、他力も自力も同一の平面
と考えていることによるのであろう。
欧米人は、自力が絶対で、他力は補助との位置付けになっているよ
うな気がする。グループ間でも感じる。日本の会社では、他部門に
気軽に相談にいけるが、外国企業では、しかる人を通して、理由を
明らかにしないと、いけない。もちろん、友人がいれば違うが。

 この情報の連絡の裏にある自力指向と他力指向の違いが、日本人
の特徴的な面になっているのであろう。
そういえば、MITの交渉術で、他力指向の交渉の方がうまくいく
というのは、日本人留学生の交渉術を見て、MITの教授が考えつ
いた方法だそうである。WIN・WINの関係を構築する交渉術。

 日本人はどこへでも、入り込める。他力指向であるから。自分を
殺しても、他人を引き上げようとするからだと思う。

コラム目次に戻る
トップページに戻る