NO.347ー3社会主義と共産主義に対して、 ほそかわです。NO.347ー3についてお送りします。 <図越様> >質問1.民社党の言う、民主社会主義と社会民主主義はどのように >異なるのか。それとも、同様の意味にもかかわらず、単に民社党が >意固地なだけなのか。 私は大づかみに、「民主社会主義」は「社会民主主義」の一種、 その下位範疇と考えています。 一般に、集団が自己を規定する場合と、第3者がこれを規定する 場合は、しばしば定義が異なります。また規定において、概念とは そもそも相関的なものですから、複数の概念をどのような関係にお いて規定するかによって、個々の内包は変化します。 図越様は西村塾の会員だということであります。そちらで旧民社 党の関係者を紹介してもらって、確認されてみてはいかがでしょう か。 >質問2.西村眞悟氏が著書や誌上等で述べている氏の「保守思想」 >(エドマンド・バークや西部邁氏が言う意味)と、氏が最も自分に >適した政党として述べた「民社党の民主社会主義」は相容れるのか。 西村氏個人に関しては、ご本人に直接質問されるのが最善でしょう。 >質問3.「空想的社会主義」と「科学的社会主義」の違いは何ですか。 マルクス主義は、これらの違いを主に、資本主義社会の経済的メ カニズムを解明し、社会主義の主体はプロレタリア階級であること を発見し得たかどうかという点においていると、私は理解しています。 エンゲルスによると(「空想から科学への社会主義の発展」など) 、「空想的社会主義者」は、資本主義の矛盾を非難するだけで、そ の矛盾がどうして発生するかを理解できておらず、社会主義がプロ レタリアの自己解放運動として発生したことも理解できていなかっ たとされます。彼らは、社会主義を、永遠の正義や真理の表現、 理性の要請と考え、プロレタリアは救済すべき対象と見ていたとさ れます。 これに対し、エンゲルスは、マルクスは資本主義の経済的メカニ ズムの秘密が「剰余価値」にあることを発見した、唯物史観と剰余 価値の発見によって社会主義は「一個の科学」となった、というこ とを述べています。だから、自分たちは、「科学的」社会主義だと いうわけです。 私見を加えます。私は、唯物史観は一つの仮説にすぎず、また既 に誤りであることが理論的にも歴史的にも明らかになっていると思 います。また、剰余価値論は労働価値説に基づくものですが、労働 価値説自体が理論的に誤りだと考えています。それゆえ、マルクス 主義を、「科学的」社会主義と認めません。社会主義は「一個の科 学」ではなく、そのように詐称する思想・運動であると思います。 エンゲルスに始まる「自然の弁証法」つまり弁証法的唯物論は、 この疑似科学思想を体系化しようとしたものです。今では忘れ去ら れた、観念の遺跡です。 「空想」ではなく「現実」となった社会主義は、世界人類に大 災厄をもたらしました。そのことへの合理的かつ客観的な批判を受 け入れない社会主義者が、「科学的」と称するのは、沙汰の限りです。 なお以上で「科学的社会主義」とは、マルクス主義的共産主義と 同義であることを申し添えます。 ほそかわ・かずひこの<オピニオン・プラザ> http://www.simcommunity.com/sc/jog/khosokawa ============================== モスクワのK 340−2.読者の質問集にある 「ニュースなどで、「共産主義国家である北朝鮮・・・」と聞きまし た。ニュースなどでは、社会主義との違いを結構いい加減に使い分 けているものなんでしょうか。 また、共産国家を目指している国が共産主義国家なんでしょうか。」 この質問に答えようと思います。 前回書いたように、共産主義というのは最終目的地です。 実際には、共産主義を実現した国など存在しませんので、 「共産国家を目指している国が共産主義国家」と言えるでしょう。 ソ連の歴代の書記長達は、歴史の発展段階に関する見とおしを発表 しています。 @スターリンの場合 1917年以前=資本主義の時代 1917〜36年=資本主義から社会主義への過渡期 1936〜52年=社会主義 52年以降=共産主義への移行期 スターリンは1952年、共産主義への移行期に入ったことを宣言。 数年後にソ連は真の共産国家になると発表しました。 まあ彼の言う共産主義とは、何だったのか理解するのは困難ですが 。。。 スターリンは1954年、共産主義ソ連を見ることなく、天国に行って しまいました。 Aフルシチョフの場合 1917年以前=資本主義の時代 1917〜36年=社会主義への過渡期 1936〜59年=社会主義 1959〜80=共産主義への移行期 1980年以降=共産主義 フルシチョフの時代は、共産主義への移行期と高慢になれた時代で した。ガガーリンは、アメリカ人よりも早く宇宙に行きましたし、 キューバ危機の時は米国と戦争の1歩手前でした。 ソ連が、米国と並び称される超大国になったのですから、上のよう な楽天的な見通しが発表されたのも当然かと思います。 Bブレジネフの場合 1917年以前=資本主義 1917〜36年=社会主義への過渡期 1936〜71年=社会主義 1971年以降=発達した社会主義 ?年=共産主義 このころになると、「共産原理主義」が薄れてきたのでしょうか。 ブレジネフは、「いつ共産主義が訪れる」とは言いませんでした。 Cゴルバチョフの場合 1917年以前=資本主義 1917〜36年=社会主義への過渡期 1936年以降=社会主義 外遊が好きなゴルバチョフは、物が豊富に溢れる西側諸国と、パン を買うのに2時間並ぶソ連の状況を比較し、「共産主義など夢だ」と 悟ったと思われます。 上記のように歴代書記長は、「ソ連は共産主義へむかっている」と いう考えを明らかにしています。 ですから「共産国家を目指している国が共産主義国家」で間違いな いと思います。 モスクワのK