353−1.ジェンダーとインディアン



YS   2000/11/13 22:59 
   
 『「会社というイエ」に関して』とのことから企業戦士を取り上
げただけです。 
古来より「男は外、女は内」的な発想が強く根付いていたことにつ
いては何も異論はありませんよ。「企業戦士」という言葉をつかっ
たのもそのためです。 

「戦争」や「いくさ」然り、大半を占めた農村では「働き手」とし
て長く続いてきたものでしょう。 

かといってそれが「男性中心」なのかと問われると少し疑問を感じ
ますね。結構私の家族同様カカア天下だったような気がします。 

アメリカン・インディアンのラコタ族に詳しい立教大学の阿部珠理
さんが「アメリカ先住民の精神世界」(NHKブックス)で面白い
ことを書いています。 

『伝統的なラコタ社会では、妻は夫より一歩下がって歩き、公的な
場でも妻が夫に先んじて発言することは控えられた。こういう習慣
を見てラコタが男性優位社会であると決めつけるのは、少々早計で
あるかもしれない。ラコタのフェミニストによれば、女性を父や夫
の所有物と見なし、女性抑圧のシステムを作ってきたのは西欧社会
であり、そことの接触によってそのシステムが持ち込まれたのだと
言う。もっと単純に戦争社会において女を守るのは男の義務であり
、弾よけのため男が一歩先を歩くのだと冗談ともつかぬ解釈をする
人もいる。』 

『女性は常に大地と結びつけられ、命を創造していくものとして敬
意を払われる存在だった。女なしには世界は始まらないという自負
が女性の側にあるし、男性に認識も概ねそれに一致する。』 

これってどう思います?? 
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柳太郎   2000/11/14 02:43 
   
>かといってそれが「男性中心」なのかと問われると少し疑問を感じ
>ますね。結構私の家族同様カカア天下だったような気がします。 

確かに「カカア天下」というのは日本ではよく見られることだと思
います。しかし、これにより女性の地位が社会的に男性と同等、ま
たは優位に立っているかというと、本当のところはどうでしょうか。
結局慣習的に人前では男性が表に出ることが求められていないでし
ょうか? 

田舎に行けば行くほどこの習慣が残っているように感じます。私の
田舎は長野の山奥ですが、祖母の葬儀では男が表に出て女は裏仕事
といった図式が成り立っていました。いつもは、私の父は表に出る
ことがなく、どちらかというと家庭ではカカア天下の下に暮らして
おりますが、このときは先頭に駆り出されていました。確かに家庭
では女性の方が強い権限を持っている場合がありますが、社会的に
は「カカア天下=女性優位」とは言い切れないのではないでしょう
か。実際、問題となるのはこちらの方で、離婚などでは女性の方が
不利になったことが結構あったのではないでしょうか。 

>アメリカン・インディアンのラコタ族に詳しい立教大学の阿部珠
>理さんが「アメリカ先住民の精神世界」(NHKブックス)で面白
>いことを書いています。
> これってどう思います?? 

私も女性中心の社会の例を聞いたことはあります。東南アジアやア
フリカにもこのような事例があると思います。しかし、世界的に見
た場合、やはり男が戦争に行き、女は守られる側であるケースが圧
倒的に多いわけです。そして、それらの国では家父長的な制度が残
っている事が多い。事実、男だけの徴兵制を敷いている国はあって
も、女だけの国はないですし。これらは単なる偶然の一致なのでし
ょうか? 

また、女系社会にもいろいろあると思います。例えば、ユダヤ人社
会では妻がユダヤ人でないとその子供はユダヤ・ファミリーと認め
られないと、私のユダヤ人の友人の結婚式に参加した時に聞かされ
ました。確かに、ユダヤ人の結婚式では新婦が主人公になります。

ただ、日本社会のジェンダーを考察するにあたり、これらの例を考
察することが何かしらの役に立つのでしょうか?私はそれぞれの歴
史的風土を考察しなければ、ジェンダーの議論も成り立たないと思
っています。この点において、日本や韓国の例は似ている部分もあ
り、比較検討できるかもしれません。韓国には、戦前の日本に息づ
いていた家父長制が強く残っていますし(このせいで、男女の人口バ
ランスまで狂っている)、それが「女と男」を「陰と陽」に分けた
儒教的な発想から来ているといった点でも、日本社会のジェンダー
の変遷を考える上で面白いかもしれません。が、私は韓国の社会制
度に精通しているわけではありませんので、この点でどなたかご存
知の方は、教えていただけますでしょうか? 
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デンマークとじぇんだーの問題など どばしようこ

 こんにちは。あまりまだ考えがよくまとまらないのですが。 

「男性中心」的考えということですが、言ってみれば、誰にとって
も自分の中心は「自己」なんですよね。と、いうことで、それは
男性的エゴが女性的エゴよりも多く尊重される、ということでしょ
うか。 

「男は外、女は内」という感覚は、北欧などの性に関して比較的 
オープンで自由な世界でも結構「一般的」感覚として理解されると
思います。これはたぶん、石器時代というか狩猟時代からあった傾
向だったのではないかと思います。 

けれど、別に北欧現代社会で女性が極端に差別されるとか、家庭で
女性が家事労働をすべて押し付けられるとかそういうことはなくて
(もちろん家庭によっても差はあるとは思うのですが)、個人の意
志で主婦になることも、労働市場に積極的に参加することも可能で
しょう。 

昔からこんな社会であったわけではなく、やはり100年前ー戦前は、 
デンマークでも女性の性に対しては現在のイスラム世界のように 
厳しかったし(キリスト教国ですしね)、60年代とか70年代の一連
の解放運動(女性問題だけでなく、労使関係・学生紛争なども含ま
れますが)を経て、現在のような「自由」を獲得したようです。 

コペンハーゲン大学は確か、1471年の創設だけど、女性が高等教育
を受ける権利を獲得するのは、前世紀の終わりか、今世紀のはじめ
のほうか、ちょっとはっきりわかんないけど、その辺りです。 

「主夫」という表現は、確かにここでもあまり聞きません。 
(冗談で使ってる人は、見たことがあったのですが) 
実際に、「主夫」してる人を見たことはあったのですが。 

デンマークでは、育児休暇をとる男性も増えているそうです。 
男女ともに、女性の出産後最高4ヶ月の休暇がとれることになってい
て、これを理由に会社側が労働者を解雇することは禁止されている
そうです。(でも、うまいこと解雇しようとして問題になったこと
もありました) 

わたしは、パートタイムのしごとしかしたことないけど(学生して
るので)、わたしの現相棒は、会社でフルタイムのしごと(IT関
係)してるけど、労働時間は週に36時間で、9時から16:30まで、
金曜は15:30までで週休二日です。残業があるってことはめったに
ありません。あっても1時間とか。 

で、今日聞いてたら、もし過剰な残業とかを与えられたりするよう
なら、労働組合を通して経営者と交渉することとかできるんだそう
でした。 
そこのへんは、論理と実際がどのように連動してるのかは、別とし
て、労働組合の力ってここは大きいみたいです。 

わたしは、日本を離れて長いので、実際の日本の状態を読んだりす
ることはできても、実際に経験することができないので、どなたか
具体的なケースを教えてくださればいいな、と思います。 

なんか、最近、日本で「女尊男卑」についてのTV番組が放映され
たと知り合いが言ってました。。。男性が働いて、家事もやって、
女性はTV見てるだけってカップルがいるんですって。命令されな
いと行動できない若い男性が増えているそうです。ほんとなんでし
ょうか。もしかして、わたしはからかわれたのでしょうか。 
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(Fのコメント)
T君の作業中、土橋さんの記事を読んで、私の知り合いの会社の社員
に、女性が働いて、男性が家事をしている例があります。
男性が働いて、家事もしてという例はしりませんが。
この場合は、女性が結婚する時、子供が生まれたら男性が会社を辞
めて家事をする条件だったそうです。女性が男性より優秀でしたから
そして、男性は線の細い人でした。彼女の結婚戦略だったのでしょう。
すいません。BBSではなく、参加しました。
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YS   2000/11/14 13:58 
   
 どばしさん、どうもどうも。 

「女尊男卑」についてのTV番組については私自身も知りません。
御存じの方がいれば情報お願いします。 

「男性が働いて、家事もやって、女性はTV見てるだけってカップ
ル」ってそんなに多くないとは思いますが、いるにはいるようです
よ。 

それより命令されないと行動できない男性はよく見かけますね。 
指示待ち人間ですよね。年齢に関係なく多くいらっしゃるかもしれ
ません。私のまわりにも結構います。 
これ結構楽なんだそうです。自分で考えなくていいから。 
私なんかうらやましいと思うことがありますよ。 

黙っていても情報がどんどん入ってくるでしょう。 
これからはますます増えてくるんじゃないでしょうか。 

今度は女性のほうですが、昨日仕事で企画会議に出ていました。 
ネットで料理レシピの配信サービスをまもなく始めるんですが、 
初心者向けのコンテンツでかなりもめましたよ。 

コメのとぎ方とか味噌汁の作り方から始めるべきかどうかで激論が
ありました。 
実際社員で洗剤を使ってコメを洗おうとした方がいらっしゃったよ
うです。程度の差こそあれ これって現実なんですよ。 

特に男性の方はあまり現状を認識されていない方が多いようですが、
これからは「女性は育児ができる」と思わない方がいいですよ。 
体力的にも精神的にも耐えることができる人は少ないはずです。 
それほど育児は大変なものになっています。 

今まではおばあちゃんとか近所のおばさんが助けてくれましたが 
もう助けてくれる人も教えてくれる人も身近にいないのです。 
幼稚園の父母会に出ていてこれも現実だと知りました。 
お母さんのほとんどが育児ノイローゼに近い経験がありますよ。 
今騒がれている事件が隣り合わせに存在していることに愕然としま
した。 

私自身も大反省しています。 
これからは男性も育児や家事をしなければならなくなると思います。 
この問題はおそらくこれから非常に大きな問題になりますよ。 
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デンマークからこんばんは どばしようこ 
YSさん、みなさんこんばんは 

> それより命令されないと行動できない男性はよく見かけますね。 
> 指示待ち人間ですよね。 
> 年齢に関係なく多くいらっしゃるかもしれません。 
> 私のまわりにも結構います。 
> これ結構楽なんだそうです。自分で考えなくていいから。 
> 私なんかうらやましいと思うことがありますよ。 

そうですか。それは、社会で?家庭で?ということですか? 
それとも両方? 
家庭でそんな人と一緒にいたら、退屈でノイローゼになるかも 
しれません。 

>コメのとぎ方とか味噌汁の作り方から始めるべきかどうかで激論
>がありました。 
>実際社員で洗剤を使ってコメを洗おうとした方がいらっしゃった
>ようです。程度の差こそあれ これって現実なんですよ。 

お米を毎日洗剤で洗って食べたら、健康に悪そうですね。 
デンマーク人は、お米を洗わないで煮て食べます。 
(そういう話じゃないんですよね、すみません) 

どうしてなんでしょう。親元にずっと住んで、一人でいろいろ 
したことがないのが原因なのでしょうか? 

そういえば、10年ほど前の日本では、企業によっては自宅在住の 
女性と下宿などに住んでいる女性を差別する(自宅の女性しか採用 
しない)ようなことがあったようですが、今でもそうなのですか? 

> 特に男性の方はあまり現状を認識されていない方が多いようですが、
> これからは「女性は育児ができる」と思わない方がいいですよ。 
> 体力的にも精神的にも耐えることができる人は少ないはずです。 
> それほど育児は大変なものになっています。 

わたし自身は、まだ子どもを育てた経験がないけど、たいへんそう 
ですよね。なかなか、一人だけでできることじゃないように思います。

実際のところ、日本で男性が育児休暇をとることは、まったく 
不可能なのでしょうか? 

> 今まではおばあちゃんとか近所のおばさんが助けてくれましたが 
> もう助けてくれる人も教えてくれる人も身近にいないのです。 
> 幼稚園の父母会に出ていてこれも現実だと知りました。 
> お母さんのほとんどが育児ノイローゼに近い経験がありますよ。 
> 今騒がれている事件が隣り合わせに存在していることに愕然とし
>ました。 
> 私自身も大反省しています。 
> これからは男性も育児や家事をしなければならなくなると思います。 
> この問題はおそらくこれから非常に大きな問題になりますよ。 

今、いろいろ社会問題があって、教育や学校や、いろいろな話題が
飛び交っていて頭がくらくらします。 
日本の男性は、わたしの世代ではかなり家事をする人も増えていま
したが、そんなことはなかったのでしょうか。実際の家庭内におけ
る家事分業ってどんな感じなんですか?女性がすべてやるケースが
多いのでしょうか? 

デンマークでは、これも世代などによる個人差はあるんですが、 
料理ができない男性は、料理ができない女性に比べて多いです。 
20−30代くらいの人は、まあまあいろいろできるけど、60代 
くらいの人で、たまーにたまごのゆで方を知らない人がいたり。 

結構多いのが、お母さんが料理して、お父さんと子どもが皿洗いや
ごみ捨てをする家庭かも。(これもいちがいには言いきれないです)
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どばし ようこ
> 柳太郎さんにまた叱られそうですが、 
> 正直女性は政治とか経済とかにあまり関心がないのではと思って
>いました。 

うーん、そうとは言いきれないと思いますよ。 
それに、「わたし」は「女性」のすべてを代表していません(笑)。

たとえば、学術だったら女性が少ないのは、工学・IT・建築・ 
哲学とかじゃないですかね。神学は、昔は女性はやれなかったそう
だけど、女性の牧師も出ていますね。 

男性は、やっぱり文科系にはやや少なめでしょうか。 
さすがに、助産夫、というのは聞いたことがないけれど、 
幼稚園の保父さんとか看護夫とかなら見かけます。 

あまりにプロフェッショナルな分析なんかはできないけど、 
ふつうに日常的に政治の話もすることがありますね。 
どこに所属、とかはないけれど
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問題と儒教的思想 柳太郎   2000/11/15 04:39 

 YSさん、どばしさん、BBSご覧の皆々様、 

YSさん: 
> 柳太郎さんにまた叱られそうですが、正直女性は政治とか経済と
>かにあまり関心がないのではと思っていました。 
> これも一種のジェンダーでしょうね。 

YSさん、これではなんか私が恐い人のようなイメージじゃないです
か。(笑) 

でも、ある意味これは的を射ています。ロンドン留学中に思ったこ
とですが、特に日本人と韓国人の女性は政治・経済的なことに疎く
、あまり関心を示さない(知らない)ケースが結構ありました。 

どばしさん、はじめまして。 
> なんか、最近、日本で「女尊男卑」についてのTV番組が放映さ
>れたと知り合いが言ってました。。。男性が働いて、家事もやっ
>て、女性はTV見てるだけってカップルがいるんですって。 

一昨日、テレビ・タックルでそのような内容の番組を放送していた
のは見ました。男性が家事をするのはいいことなのですが、女性が
働かずにぐうたらしているというのは問題ですね。(このケースが
どれだけあるのかは知りませんが。) 

どばしさん: 
> 昔からこんな社会であったわけではなく、やはり100年前ー戦前は、 
> デンマークでも女性の性に対しては現在のイスラム世界のように 
> 厳しかったし(キリスト教国ですしね)、60年代とか70年代の一
>連の解放運動(女性問題だけでなく、労使関係・学生紛争なども含
>まれますが)を経て、現在のような「自由」を獲得したようです。 

戦前のヨーロッパは全体的にデンマークと同じような情勢だったか
もしれません。これは、当時の代表的フェミニストであったJ.S.ミル
の「女性の解放」(岩波文庫)にも記されていたと思います。 

どばしさん: 
> 「主夫」という表現は、確かにここでもあまり聞きません。 
> (冗談で使ってる人は、見たことがあったのですが) 
> 実際に、「主夫」してる人を見たことはあったのですが。 

北欧(フィンランドなど)では、結構「主夫」をしている人がいると
いうことを聞いたことがあるのですが、その辺何かご存知ですか? 

どばしさん: 
> そういえば、10年ほど前の日本では、企業によっては自宅在住の 
> 女性と下宿などに住んでいる女性を差別する(自宅の女性しか採用 
> しない)ようなことがあったようですが、今でもそうなのですか? 

5年程前でも、そのような話しは結構有りましたよ。現在でも根強
く残っているのではないでしょうか? 

読者の方で、現在就職活動をされている方、または終えた方、いか
がでしたか? 

YSさん、どばしさん: 
>> 特に男性の方はあまり現状を認識されていない方が多いようですが、 
>> これからは「女性は育児ができる」と思わない方がいいですよ。 
>> 体力的にも精神的にも耐えることができる人は少ないはずです。 
>> それほど育児は大変なものになっています。 
> 
>わたし自身は、まだ子どもを育てた経験がないけど、たいへんそう 
>ですよね。なかなか、一人だけでできることじゃないように思います。 

私自身は未婚者でして、まだ子供はいないのですが(当たり前?)、
私の友人の奥さんは子供が一歳を過ぎた時点で結構育児疲れに悩
んでいました。一時、実家に戻って「おばあちゃん」の世話になっ
ていたようです。 

ここで一つ、日本の社会構造の問題点が見えてきたように思いま
す。「男は外、女は内」的な発想から、企業は男を職場に縛り付け
ておくことが出来たように思います。これがいまだに残っていると
すれば、男は家事や育児に携わりたくてもなかなか出来ない状況に
あるのではないでしょうか。(この点は、YSさんが前に指摘されたと
ころでもあると思いますが。) 

日本は多分に儒教的思想に影響されてきたと思いますが、「男と女
」を「陽と陰」に分類したところに問題の根本があるような気がし
ます。この社会構造は大分変わってきてはいますが、改善されるに
はまだまだ時間がかかると思います。問題はその過渡期に犠牲にな
っている人たちをどうするかだとと思います。 

前の職場での話しですが、同じ職場にいたある男性がプロポーズし
た時に、「家事は自分がするから、一緒にいて欲しい。」というよ
うなことを言ったようです。今の若い女性ならそれを聞いて喜ぶか
もしれませんが、相手の女性(20代後半だったと思います)は残念に
感じたそうです。理由は、母親から「女は家事をこなし、だんなを
支えていかなくてはならない」と教わってきたからだそうです。
これはこれでいいと思いますが、この考えが全体的な社会構造にま
で影響しているとしたら問題ですね。(ちなみに彼らは無事結婚しま
した。) 

日本人は議論を出来ないというのも儒教的弊害でしょう。「年長者
を尊ぶ」といった思想が、結局うまくイデオロギー化されて、社会
構造に根付くことになったと思います。ですから現在、上司に意見
すれば「生意気」と言われたり、「若造が口答えするな」などと
怒鳴るのがいるわけです。結局、年上に意見を言わず、年下からは
意見されなければ、議論を交わすことも少なくなります。これが、
女性が「陰の存在」と規定されれば、なおさら女性が意見できる場
は限られてしまいます。 

これは、韓国人にもっと顕著に見られます。現在最も儒教の影響を
受けている国は韓国(と北朝鮮)だと思いますが、結婚する時は男
が2・3歳年上が理想的だそうです。そして、妻は年上の夫の名前を
「お兄さん」と言う言葉を付けて呼びます。確かに、韓国人と親しく
なれば、日本人の私にも相手が年下の場合(特に女の子は)「お兄さん
」と言う言葉をつけて読んでくれて、それはそれで親近感を表して
くれている証拠として受け取れますが、結婚してからも女性は夫を
立てるような呼び方をしなくてはならないようです。結局、このよ
うな社会構造では女性の意見できる機会は限られます。(私は日本人
なため、そのような不満を複数の韓国人女性から聞かされた経験が
あります。) 

韓国を見ていると、日本のジェンダー問題を極端にした例がいくつ
か見られるため、結構参考になるように思います。 

私としては、儒教を信奉している方々に、この点に関して何か意義
があるかご意見を承りたいところですので、宜しくお願いいたしま
す。 

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