351−2.米国バブルの崩壊



(Fより)
 米国のハイテク株式市場は、修復不可能な崩れを示し始めた。
特に米国大統領選の混乱で、一層明確化している。
当初は、インターネットバブルが弾けただけと見られたが、通信・
半導体・パソコン・ネットワーク機器と下げる範囲が拡大している。
そして、株安によりハイテク企業のエクイティファイナンス(新株
発行)もできなくなっている。このため、ハイテクへの資金流入も
止まり、赤字である企業の存続は不可能になってきた。資金繰りも
厳しい状況になっている。

 私も、ナスダックにある非インタネット企業の株を買っているが、
去年夏の100ドル/株からどんどん落ちて、今20ドル/株レベ
ルになっている。しかし、やっと去年、黒字化したので、株価とし
ては本来なら上昇するはずであると思っているが。

 通信企業には、第3世代携帯電話投資に巨額の投資をエクイティ
と債券発行と銀行からの借り入れで実施している企業があるが、こ
の資金繰りが詰まってきている。このことで、市場の信用リスクを
大きく高める可能性がある。そして、リスクに対して、市場への資
金投入が少なくなると、株はさらに下げる方向になる。

 インタネット企業は、より深刻で70%以上がキャシュフローが
赤字で、かつ25%が1年以内に資金が底をつくという。
この資金問題がハイテク企業全般に広がるようだ。しかし、これは、
日本のインタネット企業も同様である。米国インターネット企業が
倒れると、日本のインターネット企業も将棋倒しで倒れることにな
る。

ハイテクが転ぶと、そこに資金を貸し出している銀行の不良債権が
増大し、やがて、銀行そのものが危なくなる。ハイテク・バブルの
崩壊による米国経済の崩壊である。なにか10年前の日本経済崩壊
をみているような気分である。この方向に米国は1歩1歩、行進し
ているように感じるは、私だけでしょうか???

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