349−2.パレスチナ情勢について



BlueJayと申します。新参者です。初めまして。
今日、得丸さんのコラム「339−2パレスチナ情勢を読み解く」
を拝見してわからないことがあります。
問いかけさせていただいていいですか?

パレスチナ人の子供を子供として認識しながら射殺を命じられる
イスラエル政治の論理はどういうものなのですか?
イスラエルのイメージを上げて他の国の支持を集めたいのなら、
イスラエル兵士に銃を捨てさせ、パレスチナ人の子供を抱きしめさ
せる方が良いと思うのに。
互いの鼓動と温もりを感じる方が、共存への道は開きやすいのでは
ないですか?

私は、丸腰の子供に小石を持たせて、イスラエル兵士の前に立たせ
るパレスチナの政治の論理がどういうものなのか、いつも不思議に
思っていました。
得丸さんの金のためのヤラセだというご指摘は衝撃的でしたが、そ
うなのかもしれない、と思うのです。
では、資金を得るためのヤラセに、人身を利用していいという政治
の論理は、どうやって導き出されるものなのですか?

政治はもともと、個人をある特性(国というのですか?)を共通項
としてくくりだし、抽象化し、ある特定の目的のもと(国民の幸福
というのですか?)に、最適な結果を導き出す活動だと思っていま
す。(変な表現ですみません。)
さらに、ある国の政治とある国の政治がぶつかりあうところに、こ
れまた何とか最適な結果を導き出す活動が国際政治だと思います。
国際政治のよりどころの一つには、よく「国際平和主義」が掲げら
れているのでしょう?
国際平和主義とは、とどのつまり、「人間言葉で話せばなんとか互
いを理解できるだろう」というおおまかな期待感に基くものだと思
います。
この肌触りの良い目的や期待感から、「かまわねえ、(しかたない
、でもいいですが)やっちまえ」という結論をどうやって出せば良
いのか、私にはわかりません。
ギャップがあり過ぎるのです。
私がパレスチナ人だったとして、イスラエル兵士に小石で立ち向か
うことが自分の幸福だと思うには相当の説明が必要です。
私がイスラエル兵士だったとしたら、もっと理解できない。
彼らは私と同じような疑問や恐怖は感じないのでしょうか?
感じないとしたら、政治は国民に一体何をしているのですか?
こんなふうに考えてみると、私は何だか自分が国家に家畜化されて
いるような疑いを持つのです。
私はあまりにも政治のことがわかっていないのに、質問する資格は
ないのかもしれません。すみませんでした。
BlueJay
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パレスチナ情勢について質問をいただきました。 (得丸)
私なりに答えてみます。

1.なぜ、どういう論理で、イスラエルは、小石を持って立つパレ
スチナ人の子供を子供として認識しながら射殺することを選択する
のですか? 
イスラエル国家のイメージを上げて、他国の支持を得たいならイス
ラエル兵士に銃を捨てさせ、パレスチナ人の子供を抱きしめさせる
方がよほど効 果的だと思う。
互いの鼓動や温もりを伝え合う方が、共存の道が探しやすいと思う
のにあえて選ばな いのがなぜ? 

私がイスラエル兵士だったら、あの子たちを射殺することが「しか
たがない」とか「かまわない」と自分に納得させるのに相当な説明
がいるけれど、イスラエル人はどういう論理(心情でもいい)で自
分を納得させているの? 

(回答)
 これはあくまで推論ですが、イスラエルも戦争状態にあることが
望ましいのではないでしょうか。
 あの国もパレスチナと同様に砂漠ばかりで国家財政はけっして豊
かではないはず。かなりの資金が援助の形でアメリカや世界中のユ
ダヤ人コミュニティーから送られてきているはず。
 平和になったら、これがストップする。戦争状態にあるほうが、
国が豊かであるという点では、パレスチナとイスラエルは共同利害
関係にある。

2.なぜ、テレビクルーは、射殺された子供を嘆く母親を映しても
、彼女が戦争をやめてと叫ぶ姿は映さないの? 
自分の子供を兵士に射殺されて、国の英雄だ、イスラエルをやっち
まえと思う母親なんかいない。私なら、同じような悲しいことにな
った母親たちを集めて、チキショー!戦争やめろ活動をするけれど。

(回答)子供たちが殺されるのは、おそらくテレビクルーの前でだ
けでしょう。それほど日常的に(たとえば南アフリカの1980年
代半ばの子供たちのように)戦争行動をとっているとは思えないの
ですが。
あれは募金キャンペーンのプロモーション・ビデオではないでしょ
うか。

3.パレスチナの紛争解決のために、私達ができることは? 
3は、学生の時、国際政治を専攻していた恋人に(とある県庁に行
っちゃいましたが)アラブーイスラエルの対立について聞いた時は
、「それがむずかしいんだよ」で考えてくれなかったので、今度は
得丸さんにお聞きしたいです。 

(回答)そんなものないですよ。まっとうに暮らして食べていける
社会になってもらえばいいのでしょうが、なかなかテイクオフはし
ないでしょうね。
 非産油の第三世界(なつかしい言葉です)が疲弊しているのは、
ここだけの話ではありません。ただパレスチナは血を流せば金にな
るという仕組みができあがっているから、どうしても安易な道に流
れるのではないでしょうか。(プロレスラーのブッチャーでしたっ
け、いつも額から血を流していた、、、あれに似ていませんか)

 このところ南北問題が人々の問題意識から消えているような気が
します。パレスチナ問題を解決するには、南北問題の解決しかあり
ません。
(得丸久文)

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