347−2.和魂なき憲法論議について



ウィーンの恋人たちは語り続ける
http://www.nifty.ne.jp/station/sarchi/wasser.htm
秋色に輝くフンデルトバッサーハウス(ウィーンにあるフンデルトバ
ッサーが設計した、建物と植物とが一体化した市営住宅)のオープン
カフェに、日本人の女と男が仲むつまじく座っている。

得丸久文 
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モスクワよりCHOCO
得丸氏の憲法論議、大変興味深く拝見しました。
たしかに、外見的な世相に見ると、和魂を失った人々が多いように
見えるのが、日本の現状だと思います。

しかし、私の個人的な意見では、いかに世の中が変化しても、根本
的に和魂は不滅だと思います。
どうしても日本の現状を語るときに、大都市を中心に見てしまいが
ちですが、実はそこに落とし穴があるような気がするのです。

私は関西出身なので、自分のことを日本人である以前に関西人だと
思っています。なぜなら、日本という国は非常に小さい国ですが、
県民性というものが思っているより、大変濃いからです。
私の場合、父が大阪、母が神戸と、傍から見れば、ありきたりな組
み合わせですが、これがどうして、こんな近隣の府県ですら、考え
方から生活からまったく違い、それが私の人間としての価値観や人
生観を形成する大きな部分を占めているからです。

もちろん、人それぞれなので、一概には言えませんが、関西と関東
という大きな区分だけを見ても、性格や人間性の違いは非常に大き
いように思います。
イタリアでのミラノとナポリの関係が、それにとても似ている気が
します。ナポリが関西に当てはまる部分がどのくらいあるか、わか
りませんが、その対抗心は理解できる気がするのです。

そして、首都を離れれば離れるほど、私が今まで見てきた多くの地
方都市では、意外なくらい几帳面に、そしてときには頑なに、
それぞれの文化や地域の価値観、伝統を守っていることが多くあり
、大学時代に日本全国を旅して、私自身は、それを強く実感しまし
た。
そして、多くその土地人と話せば話すほど、郷土に対する誇りは、
隠れたところにしっかりとあり、これは単に年寄りだけの傾向では
ないと思うようになりました。

ロシアに来て、こんな大きな国にしては共産体制が長かったせいか、
それとも大陸的な民族であるためか、方言とか地域性というものの、
濃さが、日本ほどでないことに驚かされます。
サハリンであっても、モスクワであっても、シベリアの都市であっ
ても、それぞれの都市の個性が希薄なのです。
というより、おそらく根っこにはあるのでしょうが、表面はあくま
で統一されたソビエト国家として、統制されてきたという、よくも
悪くもそういう感じがします。

その点、日本は小国であっても文化的に非常に色濃い歴史の変遷の
中で、個々の地域性は思っているよりも、強く個人の価値観や人生
に反映していると思います。

私にとっては、それが「和魂」に近い感覚です。
そして、多分ほかの方にとっても、それぞれの「和魂」があって、
それはひとつではないと思います。
なぜなら、それぞれ育った環境、教育されてきた価値観が同じ日本
でも異なるからです。

究極的に言ってしまえば、私にとって、「恥を知る」「己の分を知
る」という日本の美徳はかえってここロシアに来て、非常に自分の
中で重要な思想になりつつあります。

彼らは、日本人を非常に高く買っています。「ほかの人種と違う」
ということを、彼らを通して余計に強く感じさせられ、またそれは
今までの日本の先人がいかに立派であったか、有名無名を問わず、
彼らの見てきた日本人はおそらく見事だったのでしょう。

捕虜という極めて悲惨な状況ですら、日本人は立派だったと、わざ
わざ呼び止めて、収容所を体験した故人(父)の話をして、「日本
人に出会えて、光栄だ」と言われたことすらあります。
そういう目で見られているのだと思うと、非常に気が引き締まりま
すし、先人の名に恥じぬ生き方をしなければ、と痛感します。

少しテーマから反れてしまったかもしれませんが、思わず発言した
くなってしまいました。
それでは モスクワよりCHOCO
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>>得丸です。別に男女の会話にしなくてもいいような内容ですが、
>対話調にしたほうが私の意見が読者を直撃しないので、ショックが
>少ないかなとも思っています。
>この恋人たちシリーズ、あまり不評でしたら、元に戻します。
>
>
対話調に関しては別にいいのですが、男が女に教える形をとるとい
う、そのところが気に入らない。
別に生徒と先生でもいいのではないか?
女はいつも質問をし、男はそれに答える。
世の中そんなに単純なものかね?男は全てを解っていて、女は少し
足りない。
男の糞ロマンを感じる。そうであって欲しいように。
T.S.

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