347−1.イギリスでの会話



Fさん、Tさん
英国のUEAのMasterに在籍し開発学&国際関係学を学んでいるCHARA
です。お便りするのは2回目です。
嬉しいコメントを聞いたのでお便りします。

パプアニューギニアの女性との会話
本国ではカナダを本部とするNGOの地域事務所でDirectirとして働い
ていた方なのですが、仕事柄当然カナダから派遣されてくるカナダ
人とつきあう必要があります。彼女が言うに彼女が会ったカナダ人
というのは、自国のやり方をそのまま持ち込んで仕事をしようとす
る傾向にあるようです。欧米人というのは現地の人をignorant
扱いする傾向にあるという話を依然から聞いてはいましたが、本当
にそうらしく、彼らと一緒に働くのは少し大変だと漏らしていまし
た。そういう話をした後に、「あなたが日本人だから言うのでは決
してないけど」と前置きして「日本の人たちは好きだった」と言っ
てくれました。パプアニューギニアにはJICAの職員さんたちも
もちろんいるわけですが、彼女が会った日本人たちはカナダ人に比
べ、地域に対する配慮とか尊重する態度があったようです。

イギリス人との会話
かつてイギリスで外国人相手に英語を教えていたという彼。授業の
後「ゲンキ?」と話しかけてくれたので、会話が始まりました。言
葉はかつて教えていた日本人から学んだそうで、知ってるのは挨拶
程度ということ。日本には実際行ったことはないというので「一度
きてみてくださいよ」と言うと「実は是非とも行きたいんだ」。
理由は二つ、「(イギリスやヨーロッパとは)全然違う国であると
いうこと」「二つ目は、これは正直に、本当に正直に言うんだけど
、今まで会った全ての日本人がすごくいい人たちだったから」とい
うことでした。Politeさに感心したそうです。

私が日本人である故、多少ふくらませた表現をしてるかもしれない
、という余地はありますが、それでも基本的に彼らの日本に対する
好意は本物だと解釈して間違いないと思いました。

無論全てにおいて日本人の評判が高いなどとは言いません。クラス
での発言率は0に近いので、discussionに参加していない、クラス
に貢献していない、と静かな反感を買っているかもしれません。
ただ、そういうSkillの問題はあるとはいえ、個人的につきあうとい
うレベルで、国民性に対する好意や信頼度は高いように感じます。

実際の現代日本を知らないまま、昔の典型的なイメージを持ってる
人もいます。エジプト人女性はエジプトの教育大臣はよく「日本を
見習え」と言う、と教えてくれました。聞いてみると、日本人は経
済発展を遂げた「目上の人を尊敬する、教育水準の高い、真面目で
優秀な国民」というイメージを持っておられました。嬉しい反面現
在の日本は決してそうではないということ、たとえば教室では生徒
は礼儀正しく先生の言うことを黙ってきいていた時代は去り、今は
生徒が授業中に教室を走り回っている学校もあるんだ、と説明しな
ければならなかったのは、少し残念なことでした。

日本にいたころはわからなかったこちらの人の視点を、少しずつ身
につけつつあります。

またお便りします。
CHARA
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(Fのコメント)
ありがとうございます。このようなことを聞くとうれしいですね。
日本人は、非常に心優しい民族だと、いつも思っています。
歴史的にも、平和な社会でしたから、闘争心もあまりないし、日本
の中にしかいなかったために、異民族との戦いもあまりなかった。
明治以降の日本は、非常に特殊な時代であったと思うのです。

 しかし、そのために日本人が自分自身の表現をする必要もなかっ
たため、論議する面での訓練が足りないのでしょう。欧米では自己
主張しないと、誰も相手にしてくれない。

彼らは、自己主張しないと、異民族との間で紛争が起きることを知
っています。このため、お互いとことん議論して、お互いに利益が
ある方法を考える習慣ができている。その時のルールも明確である。

このような社会がいいかどうかは分からないが、日本も今世界と、
会話・議論する必要に迫られているのですから、どうかクラスの論議
にも参加して、CHARAさん、日本の立場を明確化してください。

 わからないことは、このコラムに質問してください。

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