338−1.この国の失敗とは



 ひところ、「会社の寿命」というフレーズが流行ったことがある
が、この日本という国を見ていると「国家の寿命」という視点が
必要ではないかと思える。
戦後、吉田内閣が経済中心の国家戦略を立てて、軍事は米国に頼り
、日本をここまで発展させたが、1990年以降、日本の次の戦略
が見えない状態になっている。現に、日本の戦後戦略は終焉してい
るのに、その次の国家戦略がみえない。

世界的にも、ロシア革命(1917年)から74年でソ連も消滅し
た。このソ連崩壊で冷戦終了し、それをトリガーとして世界各国は
その戦略を変更している。とうとう、北朝鮮でさえ、国家戦略を変
更し、韓国と平和共存する選択をせざるをえないことになっている。

日本は戦略変更ができず、その上に1990年以降から官僚の汚職
、少年犯罪、オウム事件などの心の崩壊に基ずくような事件も多発
してきた。国民も世界が急展開している姿を見ようとしていない。
日本の中の蛙で依然いる方が楽なのか、世界に出ようとしていない。

日本女性たちは、割と気楽に世界に出ているため、世界的に元気印
の日本女性たちに会うことが多くなっている。しかし、多くの男性
や企業は、世界各地から撤退しているので、日本人男性を見るのが
少なくなっている。

今の日本は、日本軍が失敗したのと同じような誤りを犯しているよ
うに感じられる。それは、特定のパラダイムに固執し、環境変化へ
の適用能力を失っているように思う。コンピュータのIP革命でも、
日本は最後になってしまい、今のIT時代に2歩も3歩も遅れるこ
とになってしまった。

次のIPv6では、機器と機器の会話が機能UPポイントであるが
、多くの設備メーカは、より安易な設備業界専用のネットワークを
構築することにその開発力を使っている。世界的に異端の道、自分
達の利益のみを考えたシステムを作ろうとしている。

 世界の業界保護のために米国の会社が標準を作ったが、日本だけ
しか使用しないようで、米国でも使用実績が少ない基準である。
欧州では使用されていない。日本追い落としのための米国の謀略と
は思いたくないがそのような状況になっている。

業界を縦割りとしてしか、理解していない。このため、IT革命を
理解する必要もないと考えているように感じる。このような業界に
ユーザが怒りを感じていることさえ、理解していない。

 各所でこのような業界のエゴに会う。それを、建設省などの官庁
も応援する仕組みになっている。このため、益々日本だけがIT革
命から取り残されることになるようだ。もう少しユーザや世界の動
向にあった行政指導するべきではないですか。少なくとも応援する
べきでないでしょうね。

一方で、IPV6のハードを揃える選択と、政府首脳は表明してい
る。が、このIPV6の構築と、機器業界の意向がすり合っていな
い。

 日本は官庁が主導で戦後の復興をしてきた。このためには、いつ
も、次の日本の姿をイメージしている必要があるが、このイメージ
を業界のエゴによって、見えないようにされているような気がする。

 業界が、保守的になっているためで、このような日本の業界企業
はよって世界に進出できない。しかし、中には日本で販売する機器
と世界で販売する機器とを持っているメーカもある。値段も違う。
日本の値段の方が断然高い。

このため、業界と官僚のセットが日本を後進国に追いやっている可
能性がある。このセットは、政府の審議会という仕組みによって、
保障されている。どちらも最終責任を免れることができる。しかし
世界には出て行けない。

コンピュータのダウンサイジングで日本は失敗したが、この失敗を
2度と起こさないようにするのが日本政府の役割だと思うが、設備
業界と官僚は、設備のIP化でも失敗する方向にあると思う。
ここでまた、日本経済は立ち直れない可能性がある。

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