331−1.中東情勢について



 中東が緊迫している。クリントン大統領は、バラク首相とアラフ
ァト議長を、別々に呼んで協議するようであるが、解決できるかだ。
もう1度、中東の勢力を確認して、このパレスチナ・イスラエル問題
を検討しよう。
 中東で、一番力を持っているのが、サウジのアブドラ皇太子であ
る。このアブドラ皇太子は、アラブ諸国会議で、一番強行な意見を
述べている。これは、重要な意味を持つ。ワハープ派がパレスチナ
支援に乗り出すことになるためで、原理主義者と同席することにな
る。米国がサウジアラビアに警告していた事態が起こることになる。
レバノンのシーア派ビスボラは、パレスチナがインティファーダを
始めた途端に支援しイスラエルを攻撃し始めた。これは、ビスボラ
が支援しているハマスの政治犯を釈放しろとの合図であった。そし
て、アラファット議長は、その信号を正確に受け、最強行派ハマス
の政治犯を釈放している。これにより、アラファト議長は、民衆に
武器を持たせることを黙認することになった。それに、ラディンの
イスラム原理主義、ワハーフ派が次々、パレスチナの地に入ってい
る。ガザの空港を開放したイスラエルは、ぞくぞくイスラムの戦士
を送り込むことを許したことになったが、そのことに気がついて、
再度、空港を閉鎖した。

 しかし、イスラムの戦士が入ったことにより、アラファト議長の
コントロールが不能になった。このため、戦闘は行く所まで進行し
てしまうようだ。もし、その衝突を防止するなら、国際社会は、
イスラエルとパレスチナの完全分離、独立宣言を受け入れ、かつ東
エルサレムを国際監視下において、イスラム・ユダヤ・キリスト教
の聖地を共同管理する機構を作るしかないと思う。
米国は、独立宣言も、国際監視機構も反対しているが、それでは、
解決しない。

 イスラエルサイドも、リクードのシェロンを内閣に引き入れて、
挙国一致内閣を作るようだが、このような内閣では、パエスチナと
協議さえできないことになる。米国が個別に呼ぶ理由はここにある。

 今後、どうなるのか?。完全分離により、当面沈静化をする必要
がある。サウジは明確にパレスチナを応援することになる。サウジ
の米国軍がイスラエル応援で出動すると、サウジとの間に致命的な
亀裂を生じることになる。まあ、このようなことは起こらないと思
うが。???
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(補足説明)
@パレスチナ人が自治政府として所は、エリコ・ラマラ・ベツレヘ
 ム・ヘブロン・ナプルス・カルキリア・ジェニン・トルカレム・
 ガザなど
Aイスラエル国内の政党:労働党・リクードが2大政党で、中道政
 党が4つ、モレテトが極右、アラブ系は2つ。アラブ系国民も居
 る。

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