321−1.21世紀の日本について



21世紀になっても、我が国にとって対米関係が最重要課題である
ことは明白です。アメリカは冷戦に勝利して、自由主義国家の盟主
として、ほぼ世界を席巻した観があります。
今後、アメリカは本来の目的である自国及び英語圏国家の経済的支
配をより深めて、継続的に世界の利益を自国に吸い上げるシステム
の構築に向けて戦略的な活動を強めることが予想されます。
これに対する我が国の対策としては、アメリカとの友好関係を保持
しながらもアジアとの連携を深め英語圏及び西欧諸国のアジアへの
経済進出に対抗する必要があります。
我が国のアジアとの連携を深める上で障害になるのが、先の大戦に
伴う反日感情です。反日感情は先の不幸な軍事進攻に対するもので
すが、同じ有色人種でありながら、アジア人を軽視する日本人の態
度への不信がその骨格を成していると考えます。
われわれはまずこれを反省し、西洋人に卑屈になることなく、同じ
有色人種であるアジアの人々及び同留学生を暖かく迎えるべきであ
ると思います。このようにして、まずアジア諸国との間に信頼関係
を築き、アジアの安定的経済発展を図り、密接な経済圏の醸成と将
来的には、集団安全保障を目指します。
アメリカは、全世界にめを配る必要から、先のアジアでの通貨危機
にみるように、あまり当てにできないので、この経験から経済の集
団防衛の方向にアジア諸国が向かうのは当然の流れです。この動き
に対しての我が国の主導的な対アジア政策の推進は、国際社会へ大
きな影響を与え、我が国の国際的地位は向上すると考えられます。
アジア経済圏構想には中国も何らかの形で参加することが予想され
、政治形態の異なる中国とアメリカとの間に緩衝地帯が生じること
となり、アジアはより政治的に安定すると予想されます。
この国際情勢の安定がアジアの経済をさらに発展させ、教育や、福
祉や生活環境の改善が図られます。アジアの安定と経済発展は中国
の開放政策にも追い風となり、地域の緊張緩和により、中国の軍備
は経済振興に振り向けられることとなります。このようにして、世
界におけるアジアの地位は向上すると予想されます。
アジアの発展は、西欧諸国やアメリカの相対的地盤沈下とならず、
貿易の絶対量が拡大するので、西欧諸国にと好ましい状況が出現す
る可能性があります。
当然日本にとっも、将来の国力の衰退につながりかねない今後の労
働者の不足が、アジアからの移民や長期就労で解消され、食料・エ
ネルギー問題が多国間の貿易で分散され安全性が改善されます。ま
た我が国の環境技術や生産技術は、アジの発展にとって欠かせない
技術です。今後これら先進技術をより発展させ、自然への影響を最
小限におさえる新しい技術体系を開拓しなければなりません。現在
は採算性で問題があるが、この分野は戦略的技術に位置づけられま
す。
先のアジア経済危機からのこれらの自衛策は、アジアにとって当然
の権利であり、これを何らかの形で妨害する勢力があるとすれば、
アジア分断支配を意図する勢力の存在を証明するもので、われわれ
にとって有害な勢力であることをみずから証明するものです。

とら丸
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(Fのコメント)
米国の戦略も、欧州中心からアジアへシフトするようですので、米
国も日本と同様な方向にあります。米国が日本とアジアの集団安保
を提唱するのですから、このコラムを継続的に米国NRAは見てい
ることが分かります。日経新聞は、このコラムで議論した集団安保
を否定した翌日に米国は、日本政府に見直しを要求するのですから。

 とら丸さん、中国や韓国は、日本からの支援がないと今後の発展
がないと思い、国民の反日感情を抑える方向にあります。特に、
金大中大統領は、日本に対して好意的です。新聞もあまり反日感情
を煽らなくなっています。中国政府の対応も変化しているようです。
あまり、日本国民と中国国民の両方の感情を刺激しない方向にシフト
しているようです。

 やっと、ここで議論しているアジア像が現実に向けて動き出した
ようです。

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