318−3.日本と中国の関係



no.313-3西洋文明の根底に対して
Fさん説  「このままで欧米の真似をしたのですが、何時の間にか
日本だけが、侵略国家で、欧米・中国は正義の味方のようになって
いるのです。最低でも、それはおかしいと言っているのです。 私が
欧米・中国も侵略国と言うと、直ぐに、日本の方が欧米より侵略す
るおかしい国だと言う人が出てきます。しかし、もう少し公平に事実
を見て欲しい」

ken→→欧米・中国が正義の味方で日本だけが侵略国家などと思
っている人がもしあれば、それは横丁の八ッぁん熊さん以下の人で、
少なくともここ国際戦略コラムで対象とすべきではない。 しかし
つい数十年まえまでは、いま先進国と称している国々のほぼ総てが
あまり反省も無く侵略を繰り返していたことは事実。しかし自然科学
の進歩とほぼ同様に、ここ数十年で思想も激しく変わり、いまでは
単純な軍事侵略思想など、少なくとも先進国と称する国々の間では
消え去っている。ただ、「もともとあそこはわが領土だったから還
せ」というような既得権意識が残影としていまだに残り、それが各国
の、頭の悪い右翼に乗ぜられているのが現状である。 中国の台湾、
日本の色丹島、イギリスのフォークランド島、韓国の独島(竹島)、
さらにはエルサレムの帰属問題などなど。自らのそれら問題地につい
ての将来の統治能略能力ないしはパースペクティブを棚上げして、
ただやみくもに過去の歴史を論拠として争っているのは、おそらく
これからの長い先の歴史から回顧すれば、「一時期の流行」であっ
たとしか評価されない日が来るであろう。 第2次大戦が終わったと
き、Schleswig-Holstein返還を伝えられたとき「将来に禍根を残す
惧れがあるから」とて敢えてそれを断った、デンマークのあの叡智
は軍事侵略思想に対する最初の弔鐘であると、ボクは解している。

それに対して、いたずらに「過去ドコソコの国が攻めてきたから」
という歴史的事実のみを掲げて心に仮想敵国を求め、ここ数十年
の人類の社会政治学的叡智の進歩を無視しようとする態度は頷けない。
自然科学と同じく、先進国家群の国際意識もここ数年でコペルニクス
的変換を遂げた事実をもっと真剣に認め、それに即応する国際戦略
を立てるべきだ。

Fさん説 「まともな」という言葉は確かにあいまいですね。申し
訳ありません。私がこの言葉で意味しようとしたのは単に「自国に
損になる行動はしない」という意味です。中国の行動が他の国に
とって常識的かまたはそうでないかは別に捉えていただければと
思います。
共産主義至上国家である限り、まともであるとは言えないと思い
ます。もちろん、政治的メリット高くなければ、やみくもに核ミ
サイルをぶっ放すなどの馬鹿なことはしないでしょうが、日本の
関わり合いによって、自らの共産主義政権が崩壊に繋がる虞が生
じた時、躊躇なくミサイルを向ける可能性がることは間違いない
と思います。当然、恫喝が最初でしょうが、脅しではなく、やる
気でです。」

ken→→  25年に渉って台湾で事業展開していたボクのパートナー
は、旧上海系資本として台湾最大の産業グループを誇った財閥の
大番頭で、中・閔・英・仏・日・邏の6ヶ国語を流暢に操り、当時
の厳副総統をアチャ(叔父さん)と呼んで親しくしていた。 彼
つねに曰く、「中国の政治家・実業家は自国や自分の損になるよ
うな行動はぜったいせず、まことに常識的である。この原則さえ
知っておれば何も懼れることはない。つぎにどんな手を打ってく
るか、事前にほぼ総て見当がつく」。 
コレ、Fさんの説に酷似しているように思います。
ところで「共産主義」のどこがいけないのかボクには分らない。立派な
整合性のある論理で、ただ、それを適用しようとしても人間の悲しい
サガで自分だけ得をしようとする性向が強すぎ、うまく作動しなかった
だけである。地球上初めて10億人もの国家を共産主義でうまく作り
上げた中国政府に対して、その共産政府を壊滅させようという動きが
あればミサイルを使ってでも対抗しようというのは極めて常識的な行動
であって、不思議でも何でもない。
むしろ「共産主義」といえばすぐ叩き潰そうとする思想ないし行動は、
まことに異様であり非難されるべきである。中国の指導者だって、
統制より自由の方が生活の上でより快適なことは100も承知している。
だからいま徐々に開放経済に移行している。しかしいまもし総てを
自由にしたら、中国そのものが崩壊し兼ねない。いくら楽観主義の
米国でも、10億の国家を経営した経験もなければその自信もない。
われわれはいますでにチトーの鉄の独裁なきあとのユーゴの悲劇を
毎日見ている。 自分たちに10億人国家の経営能力もないのに、
普遍的人権や自由貿易至上主義をかざして、彼らの内政に容喙す
るのは、慎むべきである。すべてが大味でinnocenceな米国に付き
合いして、十億人にどうして飯を食わせようかと心血をそそいでいる
中国の政治家相手に、薄っぺらな倫理や、あたりもしない経済学を
説くなどはおこがまし過ぎる。普通に隣人付き合いし、商業取引を
している限り、彼らがやたらとミサイルを発射するなど考えられない。
彼らが長期的に見たばあいの損得を知っているのは、米国や日本
以上であると、謙虚に考えるべきである。 
彼らもおそらく、南京大虐殺が数十万人であるなどとはいまや考え
ていないだろうが、言い出した手前、当分はそう主張しておかないと
都合の悪い国内事情もあるだろうし、こちらもいくらかは殺したのだ
から無理に弁駁しないで、相手の顔が立つよう「済みませんでした」
といっておけば、真実はいつか解るはずだ。 それを、「遺憾であっ
た」とか、「両国の間にかって不幸な関係があった」などと、まことに
曖昧な言辞を弄するばかりだから、彼らが怒るのは当然のことである。 
だいたい、「遺憾であった」というような日本語など、われわれ日本人
でもどんな意味か判らない。
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(Fのコメント)
kenさんの意見に前半は大賛成。しかし、悲しいかな欧米より日本の
方が悪いと思うアホがまだいる。例えば、村山元首相は、マハディ
ール首相に、「日本の侵略で大変ご迷惑をかけた。」と言ったため
「なんで謝るのですか?そのようなことは、お止めなさい。」と言
われている。一国の首相が自国やアジアの戦後史を知ら過ぎ。どう
してかと言えば、学校で教えていないからです。

 共産主義の失敗は、人間のサガで、それは人間である限り永遠に
存在するため、共産主義は成功しないし、そこの国の一般民衆は苦
労すると考えられる。

このいい例が、法輪功に対する弾圧だ。宗教の自由がない。不当に捕
まった仲間を助けようとして、デモをしたら大弾圧ですからね。

中国の思想や外交はすごいと思うし、中国人の5%は頭がいい。
しかし、中国の日本非難は、日本サイドで怒る必要がある。そうす
れば、中国サイドは、損と思い態度を改める。日中がお互いに影響
し合うことが必要なのでしょう。それにより、意思疎通ができる。
中国と以心伝心を期待してもできない。よって、友好関係はできな
いことになる。日本も主張するべきことは、主張することなのでし
ょう。

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