308−2.中国軍事力の増強



 朱首相は、河野外相に調査船の事前通知を承諾したような感じで
あったが、事務レベルで、中国軍事関係者はひっくり返した状況に
なっている。調査船の事前連絡により、障害電波を日本はその調査
船に対して出せるのであるから、調査の意味がなくなるため、その
ようなことは、おかしいと思ったが、案の定、中国サイドが難色を
示し始めた。これで、ODAを中国に出さない理由を明確化できる
ことになる。

 もう1つ、中国がイスラエルから導入するはずであった高性能レ
ーダーをロシアが、中国に補給する方向になった。イスラエルに対
し、米国は強く売却せぬように説得して、イスラエルも米国の支援
を条件に中国への売却を思い留めたのですが、ロシアのAWACS
で日本の航空機の動向を掴むはずです。SU−27、SU−30な
どの中国への引渡しと同様に、中国の軍事増強が続いている。
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09/28 22:36 事前通報枠組み合意できず 海洋調査船問題で日中協

 【北京28日共同】日中両国政府は二十八日、海洋調査船の活動
に関する相互事前通報の枠組みづくりに向けた第二回の実務レベル
協議を北京で開催したが、具体的な枠組みについて合意できなかっ
た。十月十二日からの朱鎔基・中国首相の訪日までに再び協議を行
うよう日程を調整していく。                 
 協議には外務省の佐藤重和アジア局参事官と中国外務省の程永華
アジア局副局長が出席、事前通報すべき対象海域の線引きが最大の
対立点となったもようだ。                  

 両国間では排他的経済水域(EEZ)の線引きが未確定となって
おり、調査船の通報対象海域を決めることが、EEZ画定をめぐる
主張に影響するとの懸念が中国側にあるとみられる。佐藤参事官は
「どうしてもお互いの立場が背景にあり、難しい」と語った。  
 一方、EEZの画定問題を協議するため、国連海洋法条約に関す
る第三回の日中協議も二十七日に引き続いて行われたが、今回は主
に中国側が主張の根拠を説明するにとどまり、来年の早い時期に四
回目の協議を行うことを確認した。              
(了)  000928 2236              
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09/28 16:26 中印にAWACS売却か 軍事バランスに影響も    

 【ワシントン28日共同】ロシアが中国とインドに対し、空軍力
を飛躍的に向上させる空中警戒管制機(AWACS)の売却交渉を
行っていることが二十七日明らかになった。米軍事専門誌ディフェ
ンス・ウイークが最新号で報じた。              
 AWACSは高性能レーダーを搭載し、敵機の動きを早期にとら
え味方機を指揮・管制できる。売却が実現した場合はアジアの軍事
バランスに影響を与えると注目されている。          
 同誌がロシアの兵器輸出業者のインタビューを基に報じたところ
によると、ロシア製AWACSのA50を中国とインドにそれぞれ
二機ずつ引き渡す交渉が行われている。            
 中国は米政府の圧力で、イスラエル製AWACSのファルコン購
入を台湾との軍事バランスが崩れるとの理由で七月に断念させられ
たばかりだが、同誌によると、十一月か十二月に商談がまとまる見
通し。                           

 インドへの売却は十月にプーチン・ロシア大統領がニューデリー
を訪問する際に最終合意するという。             
 A50は米国製やファルコンよりレーダー性能が劣るが、中国は
日本から東南アジアを、インドはアラビア海、インド洋北部を警戒
空域に収める。当初は二年間リースし、その後売却となる。   
 米政府は報道についてコメントしていないが、コックス下院議員
(共和党)はロシアによる中国へのAWACS売却の可能性を認め
た。                            
 ロシアは最近スホイ戦闘機や駆逐艦を中国に売却。インドとは空
母や最新鋭戦車の輸出契約を結ぶなど、アジアへの兵器売却攻勢を
強めている。                        
(了)  000928 1626  

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