302−3.日米安保の今後について



今回は、日米安保について考えたい。この基礎は、まず日米安保の
役割である。この基本構造を見よう。

 日米安全保障同盟体制の基本構造は、@米軍の前方展開兵力に対
する日本の基地・施設の提供、A日本の米軍駐留経費負担、B日米
間の平時および有事における軍事協力協定、の三本柱からなる。

@についてはアメリカは兵力の前方展開戦略を見直しつつあり、日
本でも沖縄の基地に限らず、石原慎太郎東京都知事が横田基地の日
米・官民共有化を求めるなど、外務省の「現状維持路線」は、各地
で不協和音を来たしている。
Aに関しては、日本は財政難を理由に「思いやり予算」の削減を求
め、日米間の政治問題となっている。
Bについては97年に策定された「日米防衛協力のための指針」(新
ガイドライン)により、日本有事における共同作戦計画と日本の周
辺有事における相互協力計画の作成が確約された。だが、新ガイド
ラインの実効化のカギとなる日米間の政策調整・意思決定メカニズ
ムを構築する作業は一向に進んでいない。昨年成立した日本の周辺
事態安全確保法も有事の際にどこまで機能するか、おぼつかない。

 そして何よりも重要なのは、日本と米国のアジア政策が大きく噛
み合わない可能性がでてきている。日本は、米国の求めに応じて、
日本の貿易黒字を中国やアフリカにODAとして投入した。
しかし、米国は日本が何も言わないことを言いことに、中国の軍
事的恫喝にあまり有効な手を打たないなど、安保保障上日本の安全
を脅かす方向に政策決定している。今後もゴア政権になるとこのよ
うなことが続く可能性が出てきている。これでは日本駐留米軍の意
味合いがないし、米軍がいることは反って危険でさえある。

 このため、日本もアジア全体での集団安保など、新しい防衛の仕
組みを構築しないと、米国軍に全面的に頼ることは難しいと認識し
ている。アジアの集団安保には、当然中国も参加することになり、
米国と日本の2ケ国の同盟関係も見直す必要がでてきることになる。

このため、有事駆けつけ体制を整えて、日本サイドもレーザーや情
報通信、電子技術利用等新技術応用による新しい防衛体制を引いて
自国の防衛の基本は、自国で行うことにして、新「日米同盟」を構
築することが必要なのであろう。
今が絶好のタイミングであるということだ。朝鮮半島情勢が動いた
ことに加え、2000年は米政権の交代期にあたり、派手な選挙
キャンペーンの水面下で諸政策の全般的見直しが行われている。

特にリチャード・アーミテッジ元国防次官補が「ブッシュ、ゴアの
どちらが大統領になったとしても、日本との同盟関係は米国のアジ
ア太平洋戦略の要である」として、超党派の対日政策グループを作
ったことだ。民主党系のジョゼフ・ナイ前国防次官補やカート・キ
ャンベル前国防次官補代理らが招請され、対日政策をもう一度オー
バーホールするための議論が行われている。

日本サイドでも、日米安保の見直しを議論する必要があるのではな
いでしょうか??
(一部、長島さんのHPより情報をいただいている。)
http://www.remus.dti.ne.jp/~anagashi/


コラム目次に戻る
トップページに戻る