９月１５日（金）敬老の日、京都の神社庁である松尾大社において 、日本青年協議会 近畿ブロック第２回会員の集い がありました 。そこで講演会が開かれ、日本政策研究センター所長 伊藤哲夫氏 が講話されました。 「疎外者革命」とは？ 講演内容として、唯一あげるとすれば、伊藤哲夫氏が言われた「 疎外者革命」です。いわゆる左翼思想ではなく、片仮名サヨクのこ とです。西部邁氏や小林よしのり氏（『戦争論』第２章）が言われ ているように、人権・平等・反戦平和・環境・自由などのことです 。戦後民主主義は、サヨク思想です。しかし、サヨク思想は、単に 左翼思想が純粋培養された、薄められた思想だと私は考えていまし た。しかし、そうではなく、疎外者革命は、ドイツのフランクフル ト学派（フランクフルト大学社会研究所に拠る人々。マルクスに依 拠）というものに依拠して思想として確立されていました。サヨク 思想は、思想としてしっかりと確立していたのだとわかりました。 したがって、天賦の人権と言われるものは、実は全人類が共有でき るものではありません。人権は疎外者革命によるサヨク思想なので す。疎外者革命に該当するものは、伊藤氏曰く、従軍慰安婦しかり 、アイヌしかり、在日朝鮮人しかり、障害者しかり、・・・です。 冷戦終了までは、左翼思想の中心の担い手は、やはり「労働者階 級＝プロレタリア革命」に拠っていました。しかし、労使が対立す るという隔絶の時代は過ぎ、労使協調の時代が現代です。冷戦後は 、従って、左翼思想の担い手を変更し、「疎外者」に焦点を絞って きました。従軍慰安婦を例にとると、この話題が出てきたのが、ま さしく、冷戦終了と時期が同一です。 グローバリセーション＝左翼思想 実は、グローバリセーションも左翼思想なのです。米国の識者の 中でも、グローバリセーションはマルクス主義と同根だと発言する 者もいます。詳細は、東谷暁（ひがしたに さとし）著『経済再生 は日本流でいこう』（２０００年８月出版 洋泉社 新書 ７００ 円）。 東谷氏は、以前、西部邁（にしべ すすむ）主幹月刊誌「発言者 」の編集長をしており、ただいまフリージャーナリストになり、積 極的な言論活動をしています。初めての上梓が、１９９７年『グロ ーバル・スタンダードの罠』という衝撃的なタイトルです。 グローバリセーションは、マルクス主義の亜種です。トロツキー の世界革命論と同根です。「地球市民」も同根です。トロツキーは 、一国社会主義論を唱えたスターリンによってメキシコで暗殺され ましたが（広辞苑で「トロツキー」を引いて記述しました）。 櫻井よしこ女史は、疎外者革命を理解せず 伊藤氏に私は尋ねました。櫻井よしこ女史は、『憲法とはなにか 』を今春上梓されましたが、SAPIO誌上にて、西修（にし おさむ） 氏と対談された際（２０００年４月２６日号P２３）、女史は、「 では、日本の憲法はどうあるべきか。憲法の素人の私が申し上げる のは僭越ですが、日本に欠けている環境権とか、知る権利とか、自 由闊達な世界のロールモデルになるような価値観をうんと入れてい く。」と発言。憲法改正に当たっては、「環境権」や「知る権利」 を導入すべきと発言しました。私は、愕然としました。つまり、こ の２つは疎外者革命論そのものです。これは、西尾幹ニ氏の論文タ イトル「このままでは「化け猫」が出てくる」（諸君２０００年７ 月号）そのものです。これを伊藤氏に言うと、その通りだと言い、 彼女は、理論がまだなっていないからな、と言われました。 だから、私は、参議院憲法調査会での学生陳述（２０００年４ 月）の中で、改憲派８割と言われても、その改憲の内容が、「化け 猫」と思えてなりません。 ただ、女史は、薬害エイズ訴訟で厚生省と格闘したために、「知 る権利」の必要性が強く感じられているのかもしれません。 図越（づごし） ＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝ （Ｆのコメント） 図越さん、ありがとうございます。ある程度、グローバリズムを認 めないと、米国の属国である日本の政治・経済は成り立たないので すが、日本の法律にグローバリズム＝米国の法律を入れるのは慎重 な検討をして、国民の平等性・平均性を潰すようなことや、陪審制 度は絶対導入阻止するべきです。