No.293-1に関して (BBSより) 柳太郎 >この理論の応用範囲は広いので戦略等を検討する時は、応用して >ほしいのです。 >たとえば、日本と米国でのGNP比は、2対1ですから米国との >経済的競争は、まだ充分戦えるのです。しかし、総力戦はせずに >個別分野毎に勝利する方法で、逆転していく法がいいのです。 これ、応用になっていないですよね。上記の内容はただ単に「当て はめ」ただけです。 この本を読んでいないままに発言するのは恐縮ですが、理由を一言 で言えば、この公式に「依存度」の係数が含まれていないというこ と。WTOなどの機関の存在も無視されている。さらに、このままの 公式では、戦後西側ヨーロッパと日本の経済復興が説明されない。 さらには、一部の先進国を含むほぼ全ての国々が未来永劫従属世界 に属するといったような考えに結びついてしまう。 国際関係の理論をしっかりと念頭におけば、こんな矛盾のある説明 はされないはずです。少なくとも、国際経済自体をを1対1の対立と して捕らえるというような間違いは犯さないはずです。もし一国の 経済と世界経済の説明にこの公式を使うなら、少なくとも「相互依 存度」及び「国際機関による制限の度合い」の二つの係数を新たに 付け加えないと全く成り立たない。(私はそれでもぜんぜん説明が つかない公式が生まれると思いますが。)結局矛盾を問いただして いくうちに国際政治経済の理論にたどり着くことになるでしょう。 企業の戦略構築には応用が利くのでしょうけど ============================== (Fのコメント) 柳太郎さん、さすがですね。柳太郎さんの言う通り、この公式は 軍事学での両軍対峙の時を想定していますから、単純に国際関係に は利用できませんでした。 しかし、軍事分野ではいろいろな局面で登場しているのです。 この基礎公式を応用したのが、マクナバラでベトナム戦争での キルレシオという概念で戦争を捕らえようとしたのは、この方程式 に影響されたからです。 つい最近の湾岸戦争でも、軍事シュミレーターの基礎方程式は、 この式ですから、ご紹介したのです。国際経済関係には、もう少し 工夫が必要ですか?? もし、できたら、国際関係での基礎理論式をご紹介いただけない ですか??