300−1.チャチャン後のコーカサスについて



 とうとう、ロシアとグルシアで1999年11月にグルシア−
ロシア国境チェックの協定ができたために、チェチェンゲリラへの
物資・人員の補給ができなくなり、その効果がでてきた状況になっ
ている。ゲリラとロシアの終戦交渉になるようだし、ゲリラ活動も
ロシア主要都市部でのテロに移る傾向になっている。
しかし、この紛争に勝利したために、ロシアのプチン大統領は、
再度ロシアを世界のスーパーパワーとして構築し、このコーカサス
にも再度、影響力行使を試みたいようだ。

 このため、チェチェン紛争後のコーカサス全般の状況分析をする
必要が出てきている。ここで登場するのは、ロシアとトルコ、それ
にイランである。イランは、シーア派であり、チャチャンを支援し
ている原理主義(ワハープ、スンニ派)グループとは違うが、ここ
へ来てチャチャン後のイラン勢力の浸透を目指しているのか、ロシ
アをけん制し初めている。

 イランは米国との関係を改善し、その分ロシア離れをするようだ。
つい最近もイラン外相の米国国内回遊を米国は認めた。今までは、
イランは準敵国との認定であったため、認められなかったのですが、
この動きにより、イラン・米国の復縁を加速するであろう。この背
景はカザフの石油をイランのクハーグ島までパイプラインで持っ
てきて、クハーグ島で積み出そうとの計画があるため、どうしても
米国は、イランと友好な関係にしたいのです。

 このコーカサス地域は、トルコの影響がある地域で、ロシアと
トルコがグルシア、アゼルバイジャンと関係を持っている。トルコ
の裏には米国とNATO(欧州)がいるため、ロシアも迂闊にトル
コとことを構えることはできない。現時点では最大油田はバクーで
あり、このバクーは、アゼルバイジャンにある。石油の利権が絡ん
でいるのだ。
このパイプラインがバクーからスプサまである。スプサは、グルシ
アの黒海の町で、そこからタンカーで積み出している。このため、
石油の利権が絡むし、米国の利権擁護上、米国の代理人が必要にな
っている。この代理人をトルコがやっているのだ。

 この見返りとして、トルコでのクルド民族独立運動を潰す軍事行
動に、米国は非難を一切しない。それと、トルコにほとんど米国軍
のNATO軍を常駐させて、ロシアの攻撃に備えている。
それと、トルコ人のドイツ移住を助け、イスラム教のトルコを
NATOに入れたのも、米国のサポートがあったためです。

さあ、ロシアとトルコ、イランの今後の動きはどうか、注目しよう。


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