(286−3. への 感想) 日本人が情報発信しないことについては、その通りだと思います。 だけど、黙ってにっこり微笑んでいるだけだから、何を考えている のかわからない、不気味だ、などという批判が本当に当たっている のかどうか。 黙っているからといって、日本の指導者が本当に何も考えていない のか、実は世界の平和に心を痛めているのか、表面的にはわかり ません。 もし、世界が平和であるのなら、にっこり笑っているだけでも、い いじゃないか。口先だけできれいごとを言って相手を騙したり脅し たりするよりいいじゃないか。「巧言令色鮮(すくな)し仁」です。 これまでの日本の伝統には、高々と理想を語ることなどなかったの では? むしろ男は黙っていても、相手のことを気遣い、全体の平 和や幸福に心を砕く、というのが日本の伝統ではないでしょうか。 いずれにせよ実践によって、世界の人々の誤解を解くといいのでは ないでしょうか。 今や小さくなってしまったこの惑星の上で、貧しい人や飢えた子供 がいれば、心をいためて西へ東へ援助物資をもって援助要員が走り まわる。そんな国になるといいのじゃないかな。 小ざかしいことは言わない。偉そうなことは言わない。ただただ世 界のほころびを繕って回る、「おろかもの」になればいい。自衛隊 と若者のボランティアと元気な老人のボランティアと、日本にある だけの人的資源を世界の困ったひとたちの現場に送り、手助けする。 そんな常任理事国がひとつくらいあってもいいと、世界の人たちも 思うのではないでしょうか。 得丸久文(2000.09.12)