295−2.おろかものの常任理事国を



(286−3. への 感想)

日本人が情報発信しないことについては、その通りだと思います。
だけど、黙ってにっこり微笑んでいるだけだから、何を考えている
のかわからない、不気味だ、などという批判が本当に当たっている
のかどうか。

黙っているからといって、日本の指導者が本当に何も考えていない
のか、実は世界の平和に心を痛めているのか、表面的にはわかり
ません。

もし、世界が平和であるのなら、にっこり笑っているだけでも、い
いじゃないか。口先だけできれいごとを言って相手を騙したり脅し
たりするよりいいじゃないか。「巧言令色鮮(すくな)し仁」です。

これまでの日本の伝統には、高々と理想を語ることなどなかったの
では? むしろ男は黙っていても、相手のことを気遣い、全体の平
和や幸福に心を砕く、というのが日本の伝統ではないでしょうか。

いずれにせよ実践によって、世界の人々の誤解を解くといいのでは
ないでしょうか。

今や小さくなってしまったこの惑星の上で、貧しい人や飢えた子供
がいれば、心をいためて西へ東へ援助物資をもって援助要員が走り
まわる。そんな国になるといいのじゃないかな。

小ざかしいことは言わない。偉そうなことは言わない。ただただ世
界のほころびを繕って回る、「おろかもの」になればいい。自衛隊
と若者のボランティアと元気な老人のボランティアと、日本にある
だけの人的資源を世界の困ったひとたちの現場に送り、手助けする。

そんな常任理事国がひとつくらいあってもいいと、世界の人たちも
思うのではないでしょうか。

得丸久文(2000.09.12)

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