突然、メールにて問い合わせをして恐縮です。回答頂ければ、望外 の幸せです。 さて、質問があるのですが、そのテーゼ(命題)とは、 「日本の個人金融資産1300兆円は世界一なのかどうか」 よく、巷と言うよりも、新聞紙上やテレビにて、この趣旨の発言 を耳にします。 ところが、ある書籍を見て、この1300兆円が世界一ではないと 批判していました。 宝島社新書『「アメリカ陰謀論」の嘘』 川井健男著 2000/6/24 発行この本のp19です。 要旨は、 1300兆円は世界一ではない。アメリカの個人が所有する金融 資産が、はるかに巨額なのだ。米連邦準備制度の統計資料 http://www.bog.frb.fed.us/releases/ (本のアドレスでは、 http://www.bog.frb.fed.us/releases/ZL/Current/zl.pdf となって いたが、すでに存在していなかった) によれば、個人および非営利団体が保有している金融資産は、99年 末の時点で、34兆9483億ドルである(正確を期すために書い ておくと、個人以外の部分、すなわち非営利団体の金融資産は僅か なものであり、最新資料は96年末の段階であるが、その時点で、 1兆387億ドルにすぎない)。為替レートをおおまかに1ドル 100円で計算するならば、約3500兆円にのぼる(ちなみに言 うと、その負債額は、6兆8409億ドルであり、純金融資産額は 28兆1074億ドル、2810兆円となる)。 したがって、日本の個人が所有する金融資産額が、「世界全体の 三分の一を占める」というのも、明らかな間違いである。 図越 ============================== (Fのコメント) 米国の株はバブル状態にあるため、大きく膨らんでいる。 このため、現時点の米国の金融資産は実質より、大きくなる。 日本の資産は、そのほとんどが銀行への預け入れの実質金額であ るため、固定値になっている。この違いをどう考えるかなのでしょ うね。米国の金融資産は、もう1つ、特徴がある。全人口の5%の 高収入者に80%以上の資産が集中していることである。 このため、資金の流動性が日本より米国の方が大きい。この点は、 日本にはないことで、日本の個人資金は、集中していないし、流動 性もあまり大きくない。世界に対する影響力は、米国の方が大きい ことになる。 日本を大きく言いたいのは分かるが、この面では、米国の方が上。