274−2.日本の官僚主義について



日本の産業はすぐに官僚主義に陥る傾向があるとのことですが、
そのようになる日本特有の背景とは何でしょうか。
また、そうならないための方策はあるのでしょうか。

どうも日本の歴史をみていると自由で進取に富んだ時代と
官僚主義で閉塞した時代が交互に訪れているようです。
戦国(自由)→江戸(官僚)→明治(自由)→昭和初期(官僚)→
昭和中期(自由)→現在(官僚)という具合に。
そしてなぜかこの間隔がどんどん短くなっていますね。
はたしてバブル崩壊は変革のきっかけとなるのでしょうか。

えとう
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(Fのコメント)
 日本の周期性について同様に感じますね。日本人が全体に自分の
責任を政府の責任に転嫁するため、起きると思います。

 たとえば、本来は銀行が貸し手責任で、責任をとらねばならない
はずなのに、政府に倒産企業の損失を肩代わりさせる。
「そごう」などの流通業や建設会社なども、本来潰れるはずの企業
が、潰れない。すべて、政府の高官や自民党中核部が、その企業を
助けているのです。そうすると、ここには、利権が発生するし、権
力の介在を許すことになるのです。また、すぐにそのような政府高
官や自民党議員にお願いする習慣ができて、官僚主義に陥るのです。

 これと同じ現象が会社内で起きているようです。赤字部門でも、
潰されないように、管理部門の社員にお願いする。このため、この
管理部門の社員の権力は強くなる傾向にあります。このため、この
社員が関連部門のトップになることが多くなるが、その管理部門の
社員は、当然、当該部門の技術を知らないため、管理は数値になり
赤字や利益率向上しか考えない。このようなことになると、その部
門の活力は低下していくことになるのです。

 または、将来性のない部門が、部門長が会社の大物であることに
より潰さないとか、将来性がある部門を撤退するとかの技術や社会
の動向とは違う所で決まることが多くなってくる。

 このため、将来に希望が持てない優秀な社員は逃げ出すことに
なる。

 今、反対に経営的センスや技術力のある中国企業は、どんどん伸
びている。中国は共産主義であるが、国営企業を押しのけて、民間
企業が陣取り合戦をしている。中国の今後は侮れない。日本の方が
活力がない。日本の方が、中国に比べて共産主義である。

 30年前は日本も、今の中国と同じであった。その時代は、技術
力があれば、直ぐに大きくなれたのでした。今とは違う雰囲気でし
たね。日本の馴れ合い体質は山本七平の本が詳しい。

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