266−3.日本経済再生のために



 次の文章は、0%金利廃止決定前に、日銀に送ったものです。

 私は、日本経済の建て直しには、インフレ政策しかないと思って
います。皆さんのご意見をお待ちしています。
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 日銀が、大蔵省、経済企画庁などの圧力に屈せず、「0金利廃止」
の決定という独自の判断を下したことは、歴史的に見て大きな意義
があるとおもいます。

 しかし、今回の決定をするための基本的認識である「景気が回復
過程にある」は、間違いであると思います。

私達零細企業を営むものにとっての実感は、今回の不況は、まだ回
復過程に入っておらず、景気の低下傾向が改善していないのです。

 バブル期以上の通貨を発行している日銀がインフレをおそれ、
早め早めに予防策を講じられる心境が分からない訳ではありません。
しかし、今の状況は「あつものに懲りてなますをふく」ことに通じ
ると思います。

 「構造改革とか創造的破壊」などと云っておられるようですが
、今の日本経済は重病人とまったく同じです。重病人に、硬いごは
んを食べてしっかり働け、「健全な精神は健全な肉体に宿る」など
とお説教をたれているようなものです。

 澄田さんが日銀総裁をしていたときに、早めに金利の高め誘導を
すべきであったのに、その時期を失してしまい、バブルを大きくし
過ぎてしまった反動として、バブルを急激に収束させた結果、不況
が発生したものであり、その収束期間をいつまでも続けることは、
日本が再び立ちあがれなくなるほどの大きな痛手なのです。

 インフレを力で抑えつけようとしても、抑えられるものではあり
ません。景気を維持するために国が発行する国債を間接的に引き受
け、通貨供給量は確実に増加して、インフレ圧力はますます増大し
ているのであります。

日銀の景気対策は一体どんなものなのでしょうか。
インフレ回避の一点だけしか見ないで方向づけをするのは問題です。

 日銀のインフレ回避の大儀名分は素晴らしいと思います。しかし
、通貨供給量をふやすことに積極的に協力しながらそのような屁理
屈をこねまわすのは、いかがなものかとおもいます。

 インフレを起こす基をつくりながら、インフレ回避などできるも
のではありません。

 インフレは避けて通れないものであることを良く認識され、いか
にインフレを起し、いかに収束させるか(ソフトランディング)させ
るか、このことを良く研究されることが大事なことであるとおもい
ます。

 何度も同じことを繰り返すようですが、インフレを起さずに日本
経済の立て直しなど出来る筈もありません。

日本経済は潜水病患者と同じです。
 潜水病は、急激に深海から引き上げられることによって発症します。
潜水病の患者の治療に、うまい治療方法などありません。

また、深海に戻して、徐々に引き上げるしか方法はないのです。
これが自然界の法則なのです。
日本の経済が立ち直らないのは、処方箋がヤブ医者のものによるか
らです。

診断が的を得ていないのです。本質を良く見極めることが大切です。
tanaka
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(Fのコメント)
日経のHさんやYSさんが予測しているように、今後の米国経済は、
後退局面にあるのです。そのため、日本経済を、それまでに立ち上
げる必要がある。この立ち上げには、借金漬けの企業の退場を早く
やる必要があるはず。このため、このことを日本の政治家に気が
つかせるために、速水優日銀総裁がゼロ金利解除を実施したように
思うが。

 しかし、この結果はどうでるかですね?

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