得丸です。(NO.254−1に対して) > > 吉田松陰について (NO.248−1についての意見) > > どこに魅力があるのか、よく分らないのでさわりだけでも、教えて > いただけないでしょうか?お手数ならいいです。 > T.S > 「吉田松陰を生きる」がこのところの私の人生のテーマです。なか なか思い通りには行きませんが。 ちょっと恥ずかしいですが、私の生まれたのが1959年10月 27日で、松陰が処刑されたのがちょうど100年前の1859年 10月27日という偶然の一致をふとしたことで知って、それで松 陰に親近感を覚えたのでした。 その場合の松陰とは、講談社学術文庫の「講孟サツ記」に残されてい る松陰の肉声めいた「孟子」についての解説です。6年ほど前に偶然 見つけて、以来何回か読み返しました。最近も通して読み返しました が、いい本です。 今の世の中は相対主義がはびこっていて、何が正しくて何が間違って いるかを断言できる人があまりいません。が、松陰は、きっぱりとい います。全く私のない真心と、それに基づく行為は、絶対に正しいと。 われわれは自分の心を清めまっすぐにして、ひたすら勉強し、正しい と思ったことを行動に移す。これだけに励めばいいのです。 無私であるかどうかは、自分の心に問えばわかります。だから人の意 見や評価を気にせず、即断即決即行動に移ることができます。 漢文調なので若い方には受け入れにくいかもしれませんが、現代語訳 がついていますので、最初は現代訳だけでも読んでいただくのがいい かと思います。上下で合計3000円もしますが、それ以上の価値が ある本です。ぜひぜひご購入ください。本はすぐ絶版になるご時世で すから、今手に入るうちに買っておかれることをお勧めします。 松陰研究に関しては、絶版ですが関根悦郎の「吉田松陰」という本が 昭和初期に出ています。関根さんはマルクス主義者で、「無産者新聞」 の発行人として検索結果に出ていました。この本が数ある松陰研究の 中で白眉です。藤田省三さんのおかげか、戦後に復刻されたものがあ ります。 今はなき雑誌「ワールドプラザ」28号に私が書いた「ボーダーレス時代 の行動哲学 仁智勇」(連載:国境のない惑星、3)でも松陰の思想を 簡単にご紹介しています。お許しいただけるなら、このコラムに再掲し ますが、、、 松陰の説く仁智勇とは、要するに、無私の思いやりの心・正しいまっす ぐな心を培って、休むことなく勉強し、正しいことは迷わず即実行せよ というものです。 非常にすっきりしています。 ============================== (Fのコメント) 得丸さん、ボーダーレス時代の行動哲学を、このコラムに再掲希望 します。松陰の思想を、もう少し詳しく解説、お願いします。