261−1.吉田松陰について



得丸です。(NO.254−1に対して)
>
> 吉田松陰について  (NO.248−1についての意見)
>
> どこに魅力があるのか、よく分らないのでさわりだけでも、教えて
> いただけないでしょうか?お手数ならいいです。
> T.S
>

「吉田松陰を生きる」がこのところの私の人生のテーマです。なか
なか思い通りには行きませんが。

ちょっと恥ずかしいですが、私の生まれたのが1959年10月
27日で、松陰が処刑されたのがちょうど100年前の1859年
10月27日という偶然の一致をふとしたことで知って、それで松
陰に親近感を覚えたのでした。

その場合の松陰とは、講談社学術文庫の「講孟サツ記」に残されてい
る松陰の肉声めいた「孟子」についての解説です。6年ほど前に偶然
見つけて、以来何回か読み返しました。最近も通して読み返しました
が、いい本です。

今の世の中は相対主義がはびこっていて、何が正しくて何が間違って
いるかを断言できる人があまりいません。が、松陰は、きっぱりとい
います。全く私のない真心と、それに基づく行為は、絶対に正しいと。
われわれは自分の心を清めまっすぐにして、ひたすら勉強し、正しい
と思ったことを行動に移す。これだけに励めばいいのです。

無私であるかどうかは、自分の心に問えばわかります。だから人の意
見や評価を気にせず、即断即決即行動に移ることができます。

漢文調なので若い方には受け入れにくいかもしれませんが、現代語訳
がついていますので、最初は現代訳だけでも読んでいただくのがいい
かと思います。上下で合計3000円もしますが、それ以上の価値が
ある本です。ぜひぜひご購入ください。本はすぐ絶版になるご時世で
すから、今手に入るうちに買っておかれることをお勧めします。

松陰研究に関しては、絶版ですが関根悦郎の「吉田松陰」という本が
昭和初期に出ています。関根さんはマルクス主義者で、「無産者新聞」
の発行人として検索結果に出ていました。この本が数ある松陰研究の
中で白眉です。藤田省三さんのおかげか、戦後に復刻されたものがあ
ります。

今はなき雑誌「ワールドプラザ」28号に私が書いた「ボーダーレス時代
の行動哲学 仁智勇」(連載:国境のない惑星、3)でも松陰の思想を
簡単にご紹介しています。お許しいただけるなら、このコラムに再掲し
ますが、、、 

松陰の説く仁智勇とは、要するに、無私の思いやりの心・正しいまっす
ぐな心を培って、休むことなく勉強し、正しいことは迷わず即実行せよ
というものです。

非常にすっきりしています。
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(Fのコメント)
 得丸さん、ボーダーレス時代の行動哲学を、このコラムに再掲希望
します。松陰の思想を、もう少し詳しく解説、お願いします。

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