259−2.論議の汚い手



ご存知と思いましたが、いくつかを紹介します。
今後の参考にして頂ければ幸いに存じます。

1.レッテル貼り
 相手を決め付けるような、レッテルを貼る。

 効果:相手が貼られたレッテルに即した、意見を出すように成り
、相手の意見を読みやすくなる。
 貼られたレッテルにより、相手に対して新たな論議を提議する人
 間が現れるようになる。

 対策:レッテルを貼られたら、速やかにはがすべきであります。
 レッテルは抽象的な物でありますから、「右寄りの意見を出す人
 間」とレッテルを貼られるなら、左寄りの意見を披露することで
、レッテルをはがすことが出来ます。
 レッテルはあくまで、相手の妄想であることを、強調することも
 重要でしょう。

2.質問攻め
 意見を質問形式で書く。

 効果:自分が知らない内容でも、論議に参加でき、間違った意見
 を出しても被害が少なくて済む。
 また、質問を出し続けることで、相手が詰まるような状況を作り
 出せ、相手の信頼性に疑問を抱かせられる。
 更に、議論を混乱させ焦点がどこにあるかが解らなくなり、見て
 いる人間の苛立ちを呼びます。
 相手の意見を単純に抹殺する為に、書かれる場合、非常に効果的
 であります。

 対策:相手に意見を書かせるのが効果的であります。
 しかし、意見を書かない場合、対処の方法はなく、防戦も難しく
 なります。平行線で議論を速やかに閉じるべきであります。

3.敵は敵
 議論相手に、自分が得意とする議論へ移行させる。

 効果:レッテル貼りなどから、議論を移行することが容易に出来
 ます。議論相手が感情的になれば、次の議論を示唆する内容を書
 き込み、議論を移行していきます。
 自分の意見を無理に広めようと画策する場合、レッテルを貼れそ
 うな人間を探し、レッテルを貼った上で、得意な議論に持ち込み
 、優位に議論を進めることが出来ます。

 対策:レッテルを貼るような人間の提議した議論に、むやみに乗
 らないのが一番であります。
 もし、議論に乗る時でも、自分から書かずに、相手に詳細な内容
 を書かせ、質問攻めに追い込みましょう。

4.大義名分
 書く理由を明確に示す事

 効果:大義名分を持って書く事で、自らの正当性と、相手の非正
 当性を主張できます。
 少々過激な内容を書いたとしても、大義名分があれば、批判を交
 わすことが出来ます。
 また、賛同者が現れたりして、その場が混乱し、議論の流れを作
 り出せます。

 対策:「右寄りの意見に、危険を感じここに書く」など、大義名
 分を掲げてくる人間は、何を仕出かすか解りません。
 正義を掲げれば、何を行っても許されるなどと、考える輩も多く
 、危険極まりない物であります。
 大義名分は空想の産物であることを訴え、きっぱりと否定するこ
 とが重要であります。
 否定に失敗しただけで、正当性が失われてしまいます。

5.無言のレス
 書かないことで、書く以上の意見を伝えられる。

 効果:感情的な状況になると、周りの人間が気遣って、味方をす
 るつもりで、書き込んできます。
 そのような書き込みにむやみに書き込むより、無視をすることで
 、相手の正当性が失われるばかりでなく、1対多の様相を作り出
 せ、見方を呼べます。
 仮に、自分に味方する書き込みが合っても、喜んで書いてしまう
 と正当性を急速に失う場合がある。

 対策:論議中にむやみに、仲間の賛同を求めないことであります。
 1対多に成った時、相手に余計な援護が出てくる可能性を考慮す
 るべきでしょう。見方が多い事が、正当性を失うことが多くなり
 ます。もし、立場がある人であれば、論議を避けるべきでしょう。

6.意見の違いは腹立たしい
 意見の違いで腹を立てては、相手の思うつぼ

 効果:意見の違いは腹立たしい物であります。相手に感情的な意
 見を書かせ、追い込むのが常道手段であり、意見の違いを明確化
 し、その上で感情的な面を際立たせる。
 一方通行の状況であれば、更に意見の違いを言い立て、感情的な
 罠に追い込むことが出来ます。

 対策:苦言などの名目で書かれた内容を紳士(淑女)に受け止め
 ましょう。相手が感情的な書き込みをさせようとしていることを
、意識して係りましょう。
 また、感情的になった時には、直接感情をぶつけずに、ひにくで
 感情を現しましょう。
 決して行っては成らないのは、ひにくや感情的な内容を相手のレ
 ス以外に書き込む事です。
 正当性を急速に失われる事になります。

7.生返事
 相手の意見を無効にする
 効果:真剣に書いている内容が、一瞬にして取るに足りない意見
 になります。
 「なるほど、色々な意見がありますね」と賛同とも反論とも取ら
 れない様に書くことであります。

 対策:無限に続く論議を終わらせる手段や、論議をかわす手段と
 して用います。

8.最終弁論
 相手に書かせない事
 効果:議論を長引かせることで、正当性が失われることがありま
 す。幕を引くことで、正当性が主張できます。
 対策:幕引きは確実に自分で行い、結論を相手にも書かせましょ
 う。相手のミスに乗じて、幕を引くことが一番の手だてでありま
 す。

9.自分の意見を半分
 自分の意見より、相手の意見を引き出すこと

 効果:自分の意見を積極的に書くのは、各種の議論の手法により
 、潰される危険性が高く、相手の意見を積極的に引き出すことに
 、力を入れましょう。
 自分の意見が半分で、相手の意見がフルに出ている状態で、相手
 の意見を潰しながら、自分の意見を小出しに紹介していきます。
 相手の意見を潰す意見と、元からの自分の意見で、意見が倍にな
 ります。
 対策:様子を見ながら意見を出していきましょう。
 相手が意見を出さないからと言って、自らの意見をフルに書いて
 は危険です。
 先ずは、議論を提議した相手に質問することであります。

論議する人間が心を砕くのは、相手の正当性の無さをどう訴えるか
であり、自分の意見の正当性を訴えるのは、二の次なのです。
論議が紳士的な物ではなく、殺し合いの原因にも成りかねないこと
は、意識に止めるべきでしょう。
議論の汚い手が分かっていても、防ぎ得ない物であります。
論議をしないことが一番の防御策であり、それ以上の対策はないも
のと考える物であります。

「国際戦略」は、その存在が国際戦略であり、国際戦略の議論を求
める場でないように感じますが・・・
国際戦略を進めるにあたっての、有益な情報を提供することが、一
番重要な目的では?

勝手な意見ではありますが、以上のように考えております。
参考にして頂ければ、幸いに存じます。

フリー
==============================
(Fのコメント)
フリーさん、ありがとうございます。掲載不要をありましたが、
面白いので、HPのみ掲載としました。メルマガが停止中。
それでは、コメント。

 「議論の汚い手」を本コラムでは、使えません。なぜか?
あまりにも多くの議論や話題を提供して、私の考え方は、明らかに
なっているからです。このため、論理的議論をするように、してい
ます。紙上、インターネット上での議論は、対面した議論より、深
みが出ると思っています。嘘はつけない。極端、過激な見方は出来
ない。どうしても、中庸で、穏当で、論理的な見方しかできないと
思います。真摯な議論をしましょう。勝とうともしていません。
日本の政策が、世界的に見ても、順当であることが必要なのですか
ら。

 このコラムは、他の世界的情報提供コラムとは、違います。
もし、世界の情報がほしいのであれば、田中宇さんの「国際ニュー
ズ解説」を見た方がいいし、国内問題の情報を見るなら、萬晩報の
方がいいです。

 本コラムは、吉田松陰が主催した松下村塾のインターネット版を
目指しています。日本の危機的状況が差し迫っていると思うからで
す。日本の戦略を今、変更しないと、大変なことになると考えてい
るためです。どうも、新聞もインターネットの他サイトも商業的な
成功を、目指しているため、歯切れは悪し、企業・政府等への見方
が、大きくゆれるのです。読者の感情に訴えかけ過ぎで、首尾一貫
していません。このような言論界の状況も、日本の問題点と思って
います。問題の本質や原因にも迫りません。これでは、日本の社会
的な損失が大きくなると、思います。

 日本の新聞も、産経のように主張を明確にしてほしいと、考えて
います。そうすれば、そのように読めますから。朝日のゆれは、正
義を気取りすぎ。絶対、日本社会には、完全なる悪はありませんか
ら、悪人と新聞の犠牲になる人たちが出てくるのです。この人たち
のサポートもしたいと考えています。

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