255−2.チェチェンやコソボの情勢



 チェチェンのロシア軍は、ゲリラの掃討に手間取っている。
第2次チェチェン紛争でのロシア軍死傷者が1万人以上になった。
1日に10名以上の死者と50名以上の負傷者が出ている。
山岳地域だけではなく、都市部にも、ゲリラは出没して、攻撃をか
けている。つい1ケ月前にも、ロシア軍の寮が爆破され、多数の死
傷者を出している。このため、プチン大統領は、アフガニスタンの
タリバンを爆撃したいが、中国の反対でできないでいる。

国際世論も、欧米を中心として、チェチェン民衆に対する弾圧に
対し、人道的な問題としはじめた。欧州では、ロシアの支援を中止
している。

 この問題から目を反らさせようと、プチン大統領は、法律違反し
た共和国の首相を解任できる法案を、上院下院で通した。これによ
り、プチン大統領の独裁性が強められたことになる。

 しかし、キーは、米国のNMD反対に対するロシアいじめを米国
はどうでるかだ。新冷戦でイスラムの敵はロシアか、米国か??
ラディンは選択する必要が出ている。2つの大国と戦うのは、無謀
であろう。が、このため、中国と手を結んでいる。三竦みの状況を、
作り出している。

もう1つ、ロシア周辺の情勢として、注意が必要なのが、モンテネ
グロの独立が迫っていることである。モンテネグロの警察に、英国
が軍事訓練を行っていることが判明し、コソボの次はモンテネグロ
での内戦になる方向のようだ。さあ、モンテネグロ対ベオグラード
であるが、まず、NATOは空軍の爆撃しかしないであろう。
陸上での戦いは、モンネネグロの警察軍とユーゴ正規軍の戦いにな
る。NATOが、戦いの後方支援に立つが、まず、この支援で、
ユーゴ軍を迎え撃つことが可能か。そして、それが可能であれば、
この戦いにロシアはどう出てくるかだ??もし、ロシアがユーゴ
全面サポートになると、問題は大きくなる可能性が出てくる。
要注目である。

STAFORの記事は、下記にある。
http://www.stratfor.com/CIS/commentary/0008041901.htm

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