248−2.英語の公用化反対に対して



 日本人の英語教育の問題を指摘して、日本の英語公用化は必要が
ないという議論がある。

 しかし、現時点で、英語が必要であるのは、企業や商売をしてい
る人には当たり前のことであろう。
そして、日本人はそう簡単に英語ができない。中学から大学まで
10年やっても物にならない。それも、その通り。

 このため、日本人は英語がいらないとか、日本語を世界共通語に
しようという人がいるが、私も言っていたが、これは、今の状況では
絶望的である。

 1980年代は、日本が経済的が拡大し、経済大国化して米国を
抜く可能性もあり、マハティール首相を始め、ASEAN諸国まで
日本語教育に熱心であった。
 しかし、1990年代以降、再度、欧米諸国のIT革命で成功す
ると、英語中心に戻ってしまった。脱日本、脱アジアの方向である。

 あの日本びいきである台湾でさえ、日本語より英語の方が通じる
し、日本語の方が習得しやすい韓国でも、街中では英語の方が通じ
る。会議では、英語への通訳はいるが、日本語への通訳はいない。

 このように、80年代の日本語熱がアジアでは、無くなっている
。今、日本は留学ブームで、アジアから多くの学生たちが、日本に
来ているが、本国でトップクラスの学生はすべて、米国に留学して
いるようで、日本に来るのは、その次の人たち。

 このように、ルックイーストからルックウエストに再度方向が
転換しているのが現状だ。70年代・80年代に日本に来た留学生
が本国に帰ると、2・3年でその国の大臣になっていたケースが多
かったが、今はほとんど米国から帰った留学生がなるケースが多い
ようだ。このため、英語では自由に会話できるが、日本語では会話
ができない。
 このように、日本のプレゼンスが大きく落ちていることを認識す
る必要がある。

 日本企業がアジアや中国に出て行くため、そこの従業員および、
日本に出稼ぎに来る人たちが、日本語を習うことはあるが、これは
、英語もやって、日本語もやるということのようです。

 特に、中国はある程度、日本語の文章が読めるため、そのレベル
で終わることが多い。会話は英語で、ドキュメントは日本語でも
いいというレベルになる。

 このように、現状では英語が世界標準語であり、普段の努力を
して、英語もできる人を増やす必要があると思う。
または、韓国のように、欧米にいる韓国系の人を使って、韓国の
国際化を推進するかでしょう。

 しかし、日本は日本国内での英語公用化もせず、かつ海外日本人
たちにも、非常に冷たい対応をしている。韓国では、海外韓国人に
対し、本国への帰国を促すため、2重国籍も認める方向に動いてい
る。日本は、その2重国籍にも反対のようで、日本の国際化は、
どうするのかの展望が開けない。

 日本はこのままの政策を続けると、世界に出て行くことも、世界
に出ている日本人をも活用できずに、衰退してしまう。
海外日本人を活用すれば、英語・フランス語などなど日本との掛け
橋にできるのにである。

 なぜ、日本人および、日本国政府はこうまで固いのであろうか?
頑なだ。
 英語公用化反対であるなら、せめて、海外日本人の保護と活用を
真剣に検討するべきではないですか。
国粋主義者が再度、日本をダメにして、かつ、敗戦に追いやってい
るように感じる。

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