245−1.中東問題の視点について



木村愛二です。

沖縄サミットと中東問題の関係では、先にも、オルブライトの外相
会談欠席を日本軽視とする意見を見ましたが、私は、湾岸戦争以来
の観察により、違う見方をしています。

端的に言うと、イスラエルが、ということは同時にアメリカが、ア
ラブ諸国の反撃に追い詰められ、焦っているのです。先のレバノン
撤退の場合、アメリカの放送では「run away」敗走と言っていまし
た。別途情報によると、「友軍(レバノンの傀儡軍)を見捨てて」
となっています。イスラエル人自身が戦意を失っているのです。
これが、「偽イスラエル」(拙訳『偽イスラエル政治神話』)の
断末魔なのでしょうが、日本の大手メディアでも、いわゆる左翼情
報によっても、この真相は分からないでしょう。

以上。

木村愛二:Web雑誌『憎まれ愚痴』編集長
E-mail:altmedka@jca.apc.org
URL:http://www.jca.apc.org/~altmedka/
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(Fのコメント)
 中東和平問題は、国際的な石油政策と関係があります。このコラ
ムでも、何回か議論したと思いますが、米国はイランとの関係修復
を模索しているのですが、そのキー・ポイントがレバノンです。

 イランは、レバノンのシーア派であるヒズボラに多額の援助をし
ています。このヒズボラは、レバノンにいるシリア正規軍と一緒に
、レバノンからイスラエル軍を追い出したのですから、シリアは、
レバノン紛争でイスラエルに勝ったのです。このため、そうならな
いように、イスラエルはシリアとの和平を急ぎましたが、アサド大
統領が急死して、とうとうイスラエルの一方的撤退になってしまい
ました。

 この裏には、カスピ海で大油田を米国石油会社シェブロンが参加
して発見し、その積出港として、イランのインド洋岸しかないので
す。その積出港と油田を結ぶパイプラインがほとんどイラン国内に
なるため、米国はイランの関係を正常化する必要に迫られているの
です。このシェブロンはユダヤ系の石油会社。

 今後も、国際石油資本を支援するため、米国は中東和平を急いで
いるのですが、その一方で、クリントンの個人的な面もあることを
、前回は、指摘したのです。

(中東問題)
http://www.asahi-net.or.jp/~vb7y-td/1207241.htm
http://www.asahi-net.or.jp/~vb7y-td/1206081.htm
http://www.asahi-net.or.jp/~vb7y-td/120204.htm
http://www.asahi-net.or.jp/~vb7y-td/kako/111202.htm
http://www.asahi-net.or.jp/~vb7y-td/kako/111118.htm
http://www.asahi-net.or.jp/~vb7y-td/kako/111111.htm
http://www.asahi-net.or.jp/~vb7y-td/kako/111028.htm
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世界有数の油田発見:掲載日2000年07月05日 <共> 

【モスクワ4日共同】中央アジア・カザフスタンのナザルバエフ大
統領は四日、日本の石油開発会社も参加する国際コンソーシアムが
同国沖のカスピ海北部で「世界有数」の海底油田である「カシャガ
ン油田」を発見したと発表した。
大統領は具体的な推定可採埋蔵量については今後さらに確認が必要
として言及を避けたが、同国の石油業界関係者は最大で五百億バレ
ルに達する可能性があるとしている。
世界最大の油田であるサウジアラビアのガワール油田の埋蔵量は七
百億バレルと言われており、同大統領はカザフが「世界の五大燃料
資源国」になる可能性があると期待を表明した。
大統領は試掘の結果、油質も良好と強調した。モスクワの業界関係
者によると、日本側は原油の約七%の権益を保有する見通し。昨年
八月から試掘が始まっており、二○○四年から生産を開始する予定。

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