243−2.中ロのNMD反対に対して



 米国のNMD反対で、中国・ロシアは反対同盟を結び、北朝鮮も、
その中に入れるようだ。北朝鮮は、ミサイルの開発しないが、
ロケット技術はほしいとのこと。詭弁である。

 ヨーロッパは、ロシア寄りの対応をしている。なぜ、ロシアの
ミサイルが無効となるNMDやTMDに反対なのか疑問である。

 中国のミサイルは海を越えて飛んでくる。補足は、陸続きの
ロシアに比べて、簡単。特に、中国の現有兵力では、ミサイルによ
る台湾、日本、沖縄・グアム米軍基地攻撃しかありえない。このため、
ミサイル阻止は、有効な対抗手段となる。よって、NMD・TMDも
有効。

 しかし、欧州は、陸軍が中心でどこからミサイルが飛んでくるか
補足が、中国より難しい。有効性も疑問符が付く。
このため、欧州はロシアが反対するNMDを正面切って賛成しかね
ているのです。もう1つが、フランスが米国1国覇権体制強化に反対
のためだが。

 しかし、これは、欧州の利敵行為だ。もし、米国のNMD・TMD
開発がないと、ミサイルに対する防衛がより困難になる。
欧州の敗北主義は、ロシアの戦争好きなプーチン大統領に、戦争の
サインを出しているようなものである。気をつけたほうがいい。

 プーチンはヒットラーと同様な国家主義者で、同じ性格の持ち主
であることを知っておく必要がある。敗北主義者には、より強く出
てくる可能性が強い。欧州に強く、米国に弱くだ。借金の棒引きの
要求も出てくるぞ。

 このため、シラク大統領が、戦争を呼び込んでいる。
クリントンも、ここでNMD開発を止めると、同罪だ。

 これに対し、ロシアは、インドも仲間に入れたいようだが、
中国とパキスタンとの問題があり、まだ正式には、合意していない
ようだ。

それと、中国はASEAN諸国に、TMD反対を仕掛けようとして
いる。これが上手くいくと、日本のアジアでのプレゼンスに大きな
ダメージを与えるでしょう。

 もう1つ、中ロの北京会談は、中央アジアの利権で潜在的対立を
しそうだとのこと。このため、NMDの反対を前面に出して、中ロ
同盟を世界に印象づけようとしたとのこと。詳しくはSTRATF
ORサイトで(http://www.stratfor.com/)CIAの情報(?)を
公開しているので、読み応えがある。また、ロシア・北朝鮮のミサ
イル協議もあります。(英語)
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07/18 17:45 米に「悪影響」と強く警告 NMD反対で中ロ共同声

 【北京18日共同=吉田成之】中国を公式訪問したロシアのプー
チン大統領と江沢民国家主席は十八日、北京の人民大会堂で首脳会
談を行い、米国の米本土ミサイル防衛網(NMD)に反対する共同
声明や両国の戦略的協調関係の拡充をうたった「北京宣言」の二文
書に調印した。                       
 中ロ首脳がNMDに関し初めて調印した共同声明はNMD計画が
実現した場合、「米国自身の安全保障にも最も深刻な否定的な影響
を与える」と中ロが軍事面で対抗措置を取る構えを示唆、米国に強
い調子で警告した。                     
 また北京宣言では、旧ソ連のアフガニスタン侵攻を機に中国が廃
棄を通告し、二十年前に失効した「中ソ友好同盟相互援助条約」に
代わる新基本条約「中ロ善隣友好協力」締結に関する交渉開始も盛
り込まれた。                        

 共同声明はまた、日米が共同研究に着手した戦域ミサイル防衛(
TMD)に反対し、台湾へのTMD配備構想にも「地域の安定を破
壊する」とあらためて懸念を表明した。            
 NMD配備の場合の具体的な対抗措置には踏み込まなかったもの
の、共同声明が米国への「悪影響」に言及したのは、米国に対し配
備破棄の圧力を強めるのが狙いとみられる。          
 共同声明は、ロシアが提唱しているミサイル発射の国際的監視シ
ステム(GMS)の創設について検討することも合意した。   

 会談後共同記者会見した大統領は、エリツィン前大統領時代に確
立した「両国関係の高い水準を確認した」と評価。今後も対外面や
経済、軍事技術分野で協力を進める意向を表明。江沢民主席もロシ
アとの「良いパートナーを目指す」と協調関係を強調した。   
 会談では北京宣言など二文書のほか、(1)中国の高速中性子炉
建設での協力(2)エネルギー部門での協力継続―など計四つの文
書も閣僚レベルで調印された。                
(了)  000718 1745   
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07/18 18:34 NMD断念狙い攻勢 米の一極支配けん制

 【北京18日共同=辰巳知二】中国とロシアが十八日、共同声明
で米本土ミサイル防衛(NMD)構想は「米国の安全にも否定的影
響」と強く警告したのは、国際的なNMD警戒論の高揚を追い風に
、米国の「一極支配」へのけん制を一気に強め、NMD配備を断念
するよう迫るのが狙いだ。                  
 主要国首脳会議(沖縄サミット)に先立ち行われたサミット外相
会合では、NMD配備に向け米国がロシアに求めている弾道弾迎撃
ミサイル(ABM)制限条約の修正に対し、フランス、英国なども
懸念を表明した。                      
 核兵器を保有する五大国間でも、NMDの必要性を訴える米国へ
の賛同国がない状況で、中ロは米国の一層の孤立化を目指して攻勢
に出たといえる。                      

 今回、中ロ独自のミサイル防衛網など具体的な対抗策の明示は見
送られた。対抗策がNMD配備を正当化する論拠になることをロシ
ア側が恐れたためとみられるが、声明では戦略面での関係強化をう
たい、今後の展開に含みを持たせた。             
 中国は、米ロ二国間で結ばれたABM制限条約を「世界の戦略的
安定のかなめ」(外務省の沙祖康・軍縮局長)と理論付けしてロシ
アと共闘。背景にはNMDによる自国の核戦力の無力化と、戦域ミ
サイル防衛(TMD)の台湾配備に対する強い警戒感がある。  
 中ロが今後、TMDを米国と共同研究している日本に対しても、
批判を強める可能性は高まっている。             
(了)  000718 1834              
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07/20 08:03 プーチン外交に不快感 米政府、対抗措置も検討

 【ワシントン19日共同】ロシアのプーチン大統領が中国、朝鮮
民主主義人民共和国(北朝鮮)歴訪で、米政府の進める米本土ミサ
イル防衛(NMD)構想に対抗する「共同戦線」を形成するための
積極外交を展開したことに、米外交当局はいら立ちを募らせている
。今後のロシアの姿勢次第では、同国での報道機関弾圧やチェチェ
ン共和国での人権侵害などを問題化する構えだ。        
 プーチン大統領は主要国首脳会議(沖縄サミット)出席前の東ア
ジア歴訪で、中国の江沢民国家主席と米のNMD開発を強く警告す
る共同声明を発表。さらに北朝鮮での金正日総書記との会談では、
北朝鮮側からミサイル開発の断念を示唆する発言を引き出した。 

 これについて米国務省当局者は「北朝鮮の(ミサイル開発断念)
表明は、情報の真偽を確認したわけではない」としながらも「プー
チン大統領は明らかに米国を包囲しようとする意図の下で外交政策
を進めている」と指摘。プーチン大統領の゛スタンドプレー″に強
い不快感を示した。                     
 同当局者は「米国はこれまで、ロシア当局による報道機関弾圧な
どにそれほど強い姿勢を示してこなかったが、今後の展開次第では
、(ロシアの)反民主主義的な動きを追及する可能性がある」と述
べ、米国を孤立させるような「プーチン外交」が続いた場合、何ら
かの対抗措置をとる用意があることを示唆した。        
(了)  000720 0803  
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07/21 19:40 中国がTMDに懸念表明へ ARFで共同戦線拡大狙

 【北京21日共同】中国外務省高官は二十一日、唐家〓外相が二
十七日にバンコクで開かれる東南アジア諸国連合(ASEAN)地
域フォーラム(ARF)で、日米の戦域ミサイル防衛(TMD)構
想への「懸念」を表明することを明らかにした。        
 高官は「(アジア)地域の平和と対話の全体的な流れに適合しな
い」とTMDを批判し「ARFはこの問題に対し、政治的メッセー
ジを出す必要がある」と述べ、中国がARF議長声明に何らかの形
でTMD問題を盛り込むよう求める可能性も示唆した。     
☆王ヘンに旋                        

 ARFではロシアも米本土ミサイル防衛(NMD)への反対を表
明する見通しで、米国のミサイル防衛構想をめぐり、中ロやARF
初参加の朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)など反対派と日米など
との間で激しい議論となりそうだ。              
 議長声明への盛り込みは最終的には難しいとみられるが、TMD
、NMDは北朝鮮のミサイル脅威を理由としているだけに、北朝鮮
の取り込みを推進してきたASEAN各国は難しい対応を迫られそ
うだ。                           
 中ロはARFでの議論を通じて、米国の影響力が強い東南アジア
諸国を切り崩し、共同戦線拡大を図る狙いとみられる。     
(了)  000721 1940              
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The Shanghai Six?(http://www.stratfor.com/)より
2332 GMT, 000717 
Russia has suggested that India might join the Shanghai Five, 
a security group currently comprising China, Kazakstan, 
Kyrgyzstan, Russia and Tajikistan. 

The offer of Indian participation is part of a broader 
evolution of the Shanghai Five ? from a five-member 
organization focused on specific borderissues to 
a multi-lateral arena ? in which Russia and China cooperate and
compete in Central and South Asia. 

At a recent press luncheon in Moscow, Gen. Leonid Ivashov, 
director of theDefense Ministry’s International Cooperation
Department said that Russia,
India and China share common goals and are thus “ideological 
allies,”according to The Hindu, an Indian daily. Given this, 
the three could further cooperate effectively for regional 
security in the Shanghai Five, Ivashov said, adding, “The 
Shanghai Five could become an interesting and efficient
security arrangement for Central Asia.” 

Ivashov’s apparent unofficial invitation to India to join ? 
the first in the history of the organization, according to 
the Times of India ? comes amid a shift in the group’s focus.
Originally established in 1996 to discuss the thorny border 
issues of Russia, China and three Central Asian states, the 
forum has shifted to focus on terrorism and separatism. 

The Shanghai Five has also served as a sounding board for 
potential cooperation between Moscow and Beijing; a chief 
target has been the proposed National Missile Defense for 
the United States. During the July summit in Dushanbe, 
for example, the Shanghai Five called for maintaining 
the 1972 Anti-Ballistic Missile treaty. The group also opposed
international intervention in a country’s domestic affairs 
based on humanitarian pretext? a reference to U.S.-led 
intervention in Kosovo and criticism of Russia’s conduct of 
the war in Chechnya. 

In Dushanbe, Russian President Vladimir Putin called for more
 change:changing the name of the group and bringing in new 
members. 

Already Mongolia, India, Iran and Uzbekistan have been 
mentioned as possible candidates for expansion. Uzbekistan’s
president, Islam Karimov, attended the summit as an observer 
for the first time. 

But the group is likely to become an arena of competition 
between its two largest players, Russia and China. Both nations
 seek access to energy resources in Central Asia. Russia and 
China also seek to wield influence over this buffer area. 

Even in the most fundamental issue of the Shanghai Five ? 
regional Islamic militancy and separatism ? Moscow and Beijing
 come to the table with differing positions. 

If the forum expands to include India and Iran, the issue will
become even thornier. Each is an ally of either Russia or China.

Russia’s invitation to India was clearly to counterbalance 
China in the forum. If India becomes a member, China will be
encouraged to suggest membership for Pakistan, for example.  
 ASIA  Intelligence Center

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