235.IT革命に必要なスキルについて



いつも興味深いメールをありがとうございます。

さて、本日のメールは、IT革命について、自分なりの考えを述べた
いと思います。これをもとに、この件に関して議論が活発になれば
幸いです。

今現在進行中のIT革命ですがその本質とは何でしょうか。IT革命と
はインターネット等による情報ソースの拡大による情報資料を誰も
が得やすくなったということであると私は考えます。IT革命=
information technology革命であり、日本語に訳すと情報技術革命
というよりは、情報資料技術革命と訳すのが適当であると考えます。

情報と情報資料の定義がわかりにくいと思いますので、補足させて
いただきます。情報資料とは、情報源より送られてきたものであり
、情報とは、その情報資料を分析加工し、自分たちにとって有意義
なものであります。つまり、現在進行中のIT革命とは、情報資料が
膨大になっただけなのであります。この状態というのは、IT革命以
前とあまり変わりありません。情報資料がいかに多くても自分にと
って有意義な情報資料がないならばIT革命以前と同じであります。

むしろ、情報資料が多いことにより、情報資料が少なかったIT革命
以前よりも混乱するかもしれません。皆さんもインターネット上で
、あるひとつの事実に対して、同じ程度の信頼度のある別々のホー
ムページにまったく異なる見解が記述されているという状況にであ
った経験がないでしょうか。(もちろんこの場合では、ほかの情報
源と照らし合わせるなどの情報加工技術を使用すると思いますが。)

現在、IT革命と言われて、インターネット等のコンピューター技術
を持たない人については賃金差が大きくなる等、コンピューター技
術の養成が強く叫ばれています。しかしながら、コンピューターを
使いこなせればIT革命後の世界で成功するのでしょうか。

現実問題、コンピューター技術に長けた人が成功しているわけでは
ありません。あくまで、スタートラインに立てただけなのです。
(これだけでは前述のとおり、IT革命以前と変わりません。)成功
した人達の大半は、ITを従来のinformation(情報資料)で、
intelligence(情報)としている人達です。以上の事柄よりIT革命
後、最も重要な能力とは、「情報資料を如何にして情報へと加工す
る能力」であると私は考えます。

 しかしながら、わが国においては、この技術を教えるような教育
を全くといっていいほどなされていないのが現状であります。現在
の詰め込みがたの教育では、物事は教科書が全てであり、教科書に
かかれている表面だけの事象にしか着目出来ないようになります。

情報資料を情報に変える能力とは、様々な事象から本質を導き出す
能力であると私は考えます。IT革命に対応するには、教育の中心を
表面上の事象に対する着目から本質に対する着目と転換する必要が
あると思います。この教育の中心をどちらが、国際的な成功を勝ち
得るということに関しては、歴史上答えが出ています。

ナポレオン戦争終了後、教育の中心を表面上の事象に対する着目に
おいた国は、フランスやドイツであります。それに対し、本質に対
する着目を教育の中心に置いた国は、アメリカやイギリスです。
(余談ですが、片方が大陸国家であり、片方が海上国家であるとい
うのは興味深い事実であります。)このような現状においてわが国
は、21世紀大きく立ち遅れるであろうと予想されます。

 さて、前節では、IT革命時代における必要な能力および教育に話
しましたが、企業活動はどのように変わるのでしょうか。前述で述
べた情報分析能力が企業間競争にも影響するため、その分野に対し
て強化が図られるでしょう。しかしながら、SOHOにおいては、この
ような人員を割くことは出来ません。そのため、この情報分析の分
野をアウトソーシングするという考え方が出てくると思います。

現在においても、シンクタンクなどがその役割を果たしていますが
、これからは、もっと小回りの効くシンクタンクが要望されると考
えます。この分野の産業がIT革命後、最も発展するだろうと私は考
えます。

 最後になりますが、IT革命の終焉とは、情報資料ではなく、情報
を野菜や果物のようにごく普通の商品となる世の中になるのではな
いでしょうか。

sup
==============================
(Fのコメント)
 IT革命といっても、その情報の分析が重要ということは、その
とおりです。しかし、情報を探す時間が大幅に短縮したことも、
重要だと思います。何かの初期情報収集は、今までの100分1以
下のコストになったのではないでしょうか?

 特に世界的なビジネスや情報交換には、インターネットは非常に
効果的です。ソフトやそのドキュメントをHP上に置いておいて、
メールで新バージョンが出たことを知らせるだけ。ニュースもHP
上に置き、メールでユーザに知らせる。配布コストはほとんど0に
なった。勿論、英語であるが。

 英語の本等も買うのが簡単になった。サービスが効率的になった
部分を無視できない。世界市場へのアクセスが大幅に簡単になって
いる。この部分を日本企業はまだ充分使っていない。ここが、米国
企業との差になっている。今後インターネットの利用レベルの向上
が必要でしょう。

コラム目次に戻る
トップページに戻る