234−2.雪印乳業、そごうを見て



 日本企業が利益や拡大のみを、追いかけた結果が出ているのです
。明治時代や戦後の企業家には、日本を欧米に追いつかせるという
企業理念があった。日本のため、ユーザのためという理念があった。

 しかし、今の日本には、この理念がない。ただ、儲けのみを追求
して、社長は現場に効率を求める。その手法は、明示しない。だた
ただ現場よカンガレだ。精神主義のみ。これでは、現場が荒れるの
は当たり前だ。手抜きしかない。品質管理が重要との現場の声も、
途中の管理者に握り潰されている。これは、雪印だけではない多く
の職場で起こっている可能性がある。

 その証拠に、次々、食料品の問題が出てくる。しかし、これは食
料品だけではなく、建築業界など古い体質の企業も同様な感じがす
る。現場が荒れている。

 もう1つ、そごうと同様な借金体質の企業は多くある。ハザマな
どの建築業界の企業やセゾングループやダイエーなど商業系の企業、
その他ノンバンクなど、多くのオールドエコノミーの企業で、バブ
ル期に、業容を拡大した企業は、全て対象だ。

 この企業を潰し、早く経済の正常化が必要である。日本のユーザ
も、潰れて特に困らないことが明確。そごうの倒産でも、連鎖倒産
は、ほとんどない。ハザマなどの建築業界の企業は過当競争で、
死苦八苦しているので、同業他社は倒産を望んでいるくらいだ。

 しかし、江戸時代末期の幕府役人と日本政府の役人の考えること
は、ほとんど同じ。戦争時の官僚たちも同様であった。改革をせず
に、時間稼ぎのみ。そして、状況を悪くする。外科治療をしない。
漢方治療のみ。それと判断ミス。これは日本の伝統的末期症状の
パターン。また、現在、このパターンに陥っている。

 これでは、いつまで経っても、日本経済の復活はない。日本の役
人も、日本のため、国民のためという意識がなくなっている。
10年の時間を掛けても、とうとう日本経済は回復しなかった。

 そして、日本国財政まで、どうしようもない状態にしている。事
なかれ主義は、もうダメだ。外科手術で日本経済を復活するしかな
い。残された時間と、残された金は少ししかない。

 体力のある企業だけを残し、体力の無い企業は淘汰し、または外
資と提携していくしかない。それの方が日本経済の復活が早く、
かつ外資を入れ、諸外国のものの考え方を参考にできる。もう1つ、
0%金利解除になると、今でも借金体質の企業は立ち行かなくなる。
1000億円の借金があると、金利は1%UPでも10億円になる。
1兆円だと、100億円だ。ほとんど利益が出ない可能性がある。

 国家は国家理念を明確にし、企業は企業理念を明確にすることが
重要である。これほど、国家や企業が利益のみを追求している時代
は、日本にはないのではないか。お客や国民のためという、理念の
原点に復帰することが求められいる時代だ。

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