232−2.日本農業の問題について



 現在、日本の問題点は、農村に基盤を置く自民党が政権を握り、
この農村を守るために、いろいろな保護政策を実行している。しか
し、その結果、日本の農業は歪になり、日本の食料自給率は40%
台になっている。

 この頃は、中国や韓国から生野菜まで輸入するようになり、益々
日本農業は、片隅に追いやられている。その結果、農民を、益々
保護なしでは生きられない状態にしている。

 このコラムにも、農村の方から農協の横暴さや非効率性を指摘す
る投書がきている。この原因は何なのであろうか?
 私も、農村の実情を調査するため、若い時農業を経験しようと、
千葉に1haの農地を無料で借り、半年程度やってみた。これは、
たいへん。すぐに雑草が生え、それとの格闘であった。とうとう負
けてしまった。農業も楽ではない。

 しかし、農村の人たちを話すと、その問題点が分かる。まず、
すべて農協が押さえている。農薬も農具も種もすべて農協から買い
、できた作物もすべて農協に売ることになる。これでは、農協は
独占企業となる。農協から買わないと村八分になる可能性がある。
このため、農協離れは小農家にはムリだ。

 もう1つ、私のような農民でない人は農作物を売ることができな
い。農民になるためには、許可証が必要なのだ。これを聞いた時は
ビックリした思い出がある。このため、農民は世襲制なのだ。職業
の自由が日本にはない。農民になれない。自民党議員と同様だ。

 ある程度以上の農家に生まれれば、そこそこの生活ができること
になるため、その枠から飛び出さない仕組みが出来ている。
ある程度以下の農家は、後継ぎなし。老人が細々やっている。
このため、今までどおりの米中心になる。危険を冒して、新しいこ
とをしない。

 よって、都市の住民は、この農村が自分たちのニーズを満たして
いないと感じ、商社を通じて海外でニーズにマッチしたものを作り
始めた。日本では商社が農業をできない。このため、海外に出るこ
とになる。また、海外の安い労働力で作るため、農産物を安くでき
る。このため、農村は益々、保護政策に頼ることになる。ここで、
ウルグアイ・ランドの農産物の自由化が決定し、酪農などの乳肉類
生産者がまず成り立たなくなる。そして、とうとう米や近郊農業
以外はきびしいことになっている。

 ここで、今までの保護政策を見直す必要があるのではないか?
農協を通じた保護を止め、自由化するべきではないかと思う。
会社組織を認め、大規模農業をしないと、農民の所得を高めること
もできない。米も自由化して、値崩れがあった場合の最低額保障を
行うべきだ。それと、休耕田の保証金も止めるべきだ。休耕田に
小麦やその他の換金作物を植える自由が、農民に必要だ。
 食料自給率40%で、なぜ休耕田があるのが不思議である。

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