230−2.「戦後民主主義と世界」に対して



「戦後民主主義と世界」に対して
メルマガありがとうございました。
 得丸さんの考え方に同感です。 大江氏は昭和34年に防衛大学
校を訪問した後、新聞記者に「防大生は日本の恥」だと言った。当
時1年生で、民主主義の「新国軍の中核」になろうと理想に燃えて
いた当時の私には大きな心の衝撃であったことを覚えています。外
出しても「税金泥棒」、「日本の恥」と言われながら、耐えながら
青春時代を過ごしましたが、以後、戦争にも巻き込まれず、平和な
内に大江氏がノーベル文学賞を受賞できたこと事態はよかったこと
と思います。 

しかし、障害児の息子を観察しこれを題材として小説を書ける環境
は、混乱の続いている国家で可能でしょうか?米国の世界戦略の中
で、基地を提供し、代償として米国の加護を得ながら、自らも、彼
によって痛めつけられ傷つけられ日本の恥として日陰に追いやらた
者達が、黙々と国家や国民の安寧のため働いてきた汗と涙の上に成
り立っていることも事実であります。

 得丸さんのおっしゃるように戦後民主主義を総括整理し日本発の
民主主義を世界にアピールすることはとても重要なことであろうと
思います。しかし、それには米国の庇護(軍事的植民地)から脱却
し、真の自立した大人の国家にならなければ話になりません。 マ
ザコンの坊やがなんとわめこうがナショナル・インタレストと国家
目標を追求するやり方の西欧型民主主義国家が耳を傾けるなどとい
うことはあり得ないでしょう。
 所感の一端まで。 ご活躍を祈念しつつ。
   加藤拝
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(得丸さんの返事)
加藤さま

ご無沙汰しております。

私自身への反省も込めてですが、戦後日本において、防衛庁や自衛
隊がいじめの対象になっていたことは、まったくもって「日本の恥
」だと思います。

そう思わせる風潮があったのかもしれませんが、少なくとも顔が見
える距離にあっては、大江氏のような暴力的な発言は、礼に反する
ことであり、断じて許されないものではなかったかと思います。人
間と人間の間の距離感や間を結ぶ縁のようなものが、戦後民主主義
ではどうも希薄だと思います。

ただ米国の駐留が終わることはいいことと思いますが、私は彼らが
駐留していようといまいと、断固とした侍になるべきだと思ってい
ます。前提条件をどこにも求めないで、ひたすら心を鍛えるといっ
たアプローチが一番有効なのではないでしょうか。

得丸久文

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