226−2.憲法9条について



 いろいろな人から、憲法9条はどう思うか?と聞かれるので、
ここで検討しようと思う。多くの方が論じているので、その焼き
まわしのような気がするが。

 憲法9条は、日本語の用法解釈を広げる効果があったのでしょ
う。世界の信義により、その軍隊を持たないと書いてあるから、
普通に読むと、軍備は持たないと読める。

 しかし、現実は防衛のための軍隊は軍ではないのでいいという
ことで、所有している。そして、その軍隊をPKOに送りだして
いる。ここに大きな矛盾があるが、その矛盾はないことにしてい
る。
しかし、日本は世界の大国で、サミットなどにも参加している。
その責任ある立場でPKOは出来なせんとは、言えないでしょう
から、この憲法9条の改定が必要なのは、自明の理である。

 日本特殊国家論をいう人が多いが、日本とアジアの他の国とど
こが違うのか、これだけ諸外国との付き合いがある日本でかつ、
70万人以上の日本人が世界に活躍している現在、おかしいこと
は、皆がわかっているはずと思うが。

 そして、その論が、米国の傘の下にいることによる特殊条件で
しか、成り立たないことも、多くの日本人が分かって来たと思い
たい。しかし、まだ社民党のような絵空事をいう政党もあること
。かつ、その政党がある程度の数、選挙に勝つことにビックリす
る。

 そこで、日本の憲法9条をどうすればいいのかが問題になる。
何を、どこから、どのように守るかが問題になる。軍隊と軍備は
一種の保険であるから、保険は危険レベルが高い時は、大きく掛
け、危険レベルが小さいときは、少なくて済むものなはずなのだ。

 軍隊を持つが、その保険レベルを下げる行動を日本は積極的に
行う方がいいに決まっている。この保険レベルを下げるとは、
なにか?国と国の相互理解や友好関係を築くことです。それを行
うと、軍備を少なく出来るはずです。

 勿論、好戦的な国家が近くにある時は、緊張が必要です。今ま
での北朝鮮のように。中国も台湾解放を軍行動で行うと明言して
いるので、ODAなどの支援はする必要がないし、再三日本との
友好関係を築く基礎は台湾との話し合いによる統合を中国は志向
するべきであると言うことです。中国に経済的損失を感じさせる
必要があるはずです。

 日本の近くでの戦争は、日本も巻き込まれる可能性が大きいた
め保険レベルを高くする必要があります。戦争や軍事拡張競争は
、経済を疲弊させ、豊かさを損ないますから、なるべくならやる
べきではないのです。

 日本との同盟国を増やし、敵対国家を減らすことが必要ですか
ら、今回の南北朝鮮の対話は、大きく危険レベルを下げたことに
なるはずです。その意味からも日本の安全を高めたのです。

 今後も、軍事国家と地道な交渉を行い、アジアでの危険レベル
を下げる努力を行うことです。最後には、集団安保に行き着くの
ですが、まだその段階にはないようです。PKOも世界的な集団
安保体制の1つですから、日本も参加が必要でしょう。世界的に
戦争の危険を無くす努力が必要なのです。

 そして、なるべくなら、カナダレベルの軽軍隊にしたいですね。
全軍で4万人のレベルです。これは、周りに敵がいないためで、
カナダの軍隊の存在価値はPKOに2万以上を常に出しているこ
となのです。PKOの装備は米国軍より優れている。装甲車両を
多数配備しているためで、米国軍がカナダ軍を見習い、歩兵装甲
部隊を作るのですから。カナダ軍はPKOに特化した装備にして
いるのです。

 もう1つ、海外の日本人の安全をどうするかです。これは再三
主張しているように、大使館の防衛が必要です。このため、日本
にも、大使館防衛部隊を作り、それが守ることにする。

 海外の警備会社は、ゲリラと結託している可能性もあるためで
す。このいい例がペルーの日本大使館占拠事件です。
大使館の防備をしっかりしないと、日本人を保護しても、大使館
で篭城ができなく、敵国に日本人全員を捕虜として、引き渡すこと
になるのです。危険国の大使館は半年程度の篭城ができるように
改造が必要ですし、その時でも防衛してくれる日本の自衛隊が防備
すべきです。

 日本人保護は、軍備にも反映されるべきです。今回のフィジー
やソロモン諸島の反乱時に、日本は保護のための軍艦が送れない
のですから、オーストラリアに日本人保護を頼むことになります。
しかし、日本の近くでこのような事態、例えば、台湾に中国軍が
来た時、日本人保護はどうするかです。真剣な検討が必要です。

 あくまでも防衛のための軍隊で、その時点に必要な軍備以上は持
たないこと。軍備拡張は恐怖の連鎖を起こすので、そのようなこと
が起こらないよう、自制が必要でしょう。

 戦争の危険性を減らす友好関係構築を行うことを、明言する必要
があります。これにより、保険の危険レベルを下げ、軍備レベルを
引き下げる努力が必要です。アジアは儒教文化圏ですから、お互い
の信義を確立すれば、ある程度の抑止にはなるはずです。
集団安保も指向することを明言したいですね。

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