222−2.選挙結果からの考察



 なぜ自民党と連合する党はダメになるのかという疑問を、随分前
から持っていたが、今度の選挙の結果で鮮明になった。この考察を
しよう。

 自民党は、農村政党で、人間関係が強い地域で親子代々名士の家
系という昔の風習がある地域の政党である。
それに比べ、野党や小政党は、この絆がない都市政党である。この
ため、都市と農村に支持層が分裂している。

 このため、今回のような公共事業や景気など都市と農村の利害が
真っ向からぶつかる時期には、自民党は都市での得票が期待できな
い。
自民党は農村の利益代表だからだ。このため、公共事業を縮小する
ことができない。

 しかし、都市にその公共事業は行かない。すべて地方だ。このた
め、都市住民は公共事業の拡大に反対する。民主党の政策は、分か
りにくいが、明確なのは、都市政党であるため、公共事業反対を言
ったことだ。

 しかし、保守党、公明党は、自民党と連立を組んでいるため、
都市住民のための政策を打ち出せない。
政策は、農村住民のための政策になる。しかし、連立政党の基盤は
残念ながら都市にある。地方の名士は自民党や元自民党の人達だか
ら。この地域には食い込めない。どうしても都市を基盤せざるを得
ない。

 しかし、都市の政策はないので、都市生活者は魅力を感じないし
、新聞も都市生活者の意見を代弁しているため、新聞世論も反自民
となる。このあおりも受けることになる。これでは、勝てるはずが
ない。

 さすが、小沢さん。そのことを知っていて、自民党と合体するか
、連立から飛び出さないと選挙ができないと読んでいる。この読み
はさすがだ。

 しかし、野田さんは、そのことが分からない。このため、野中さ
んの誘いに乗ってしまった。結果は見ての通り。もし、一緒に連立
から脱出したら、自由党は50議席ぐらい取れた可能性があったと
思う。本当に残念だ。

 今後、当分、都市と農村の配分は揉めるので、自民党と連立を組
む党はたいへんだ。

要するに、都市と農村の利害は違うということに起因している。し
かし、農村を優遇している間に、日本全体を没落させかねない状況
になっている。公共事業が国家予算的にも限界にきているからだ。

 今後、北方領土の返還には、2000億円以上のロシア援助と引
き換えだろうし、北朝鮮の国交回復には、支援や賠償で500億円
以上の金が投入される可能性がある。北朝鮮は、日本人拉致問題解
決がないと、日本国民は納得しないから、賠償は、当分先になると
思うが。

 国家財政を政治家は、どう考えているのか、不信感を都市生活者
は感じている。世界も注目している。
中国も、アジアも、注目いている。中国は、ODAの援助を期待し
ている。援助させた分、軍事拡大にまわせるから、日本の金で、
日本・米国に対する軍備ができる。

 アジアは逆に、日本の没落によるアジアの勢力の変化に着目せざ
るを得ない。中国の軍事、政治大国化だ。
今までは、日本と中国が拮抗していたが、今は日本のプレゼンスが
低下しているため、中国がアジアの盟主となると見ている。これが
いつかだ。そこまで日本の存在は小さくなっている。

その証拠に、アジアの会議は、昔は香港か東京が多かった。
しかし、現在、シンガポールになっている。東京での会議や展示会
が、少なくなっている。

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06/26 15:40 「大衆に不満」と米紙報道 

 【ワシントン26日共同】二十六日付の米紙ワシントン・ポスト
は東京発の記事で、自民党が議席を減らした日本の総選挙について
「不況が十年続いても政策が変わらないことに、世界第二の経済大
国の大衆は不満を持ち始めたようだ」と指摘した。       
 議席を減らしても政権維持には成功しそうな自民党の強さについ
て同紙は「政府支出の主な行き先である地方での基盤の強さにある
」と分析。しかし都市部では第二次大戦以降日本の急成長を主導し
てきた自民党が支持を失いつつあると解説した。        
 また、自民党が期待した小渕恵三前首相の死に対する有権者の同
情は、父親の選挙区から出馬、当選した二女の小渕優子氏以外の自
民党候補には向けられなかったとした。            
(了)  000626 1540              

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