216−1.議論の進め方3



BBSに投稿した後でFさんのコメントを拝見しました。
私が発言するまでもなかったですね。ご容赦を。

それはそうと、若者との疲れる議論ご苦労さまです。
概念を振りかざしてかみついてくる奴らは困りものですね。

議論のルールとしては、アゴタ・クリストフの「悪童日記」
に出てくる「真実のルール」を援用するのがいいのではない
でしょうか。
つまり、自分が実際に見たこと、聞いたこと、したこと、
そこにあるもの、自分の心の中の真実だけを書くというもの。
こうすると概念にとらわれなくなります。ご参考まで。
(PS 「悪童日記」の真実のルールは、最初の4つですが、
真心も真実であるというメッセージが隠されていると読み解いて
私は心を第5の真実と加えています)

得丸
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どうも、Yともうします。私自身若輩にて修行中の身、KOさんや
KAWAFUJIさんを批判するような立場では到底ありませんが、それでも
ご両人の投稿はあまりにも無礼に映ります。この件について私の意見
を述べさせていただきます。

>  では、今回は、基本的に、Fさんのコメントに対する形でお答え
> いたします。まず、文章での議論ということについてですが、なる
> ほど、Fさんの考え方は、単純にいえば、理をもって話すべきと、
> いったものでしょうか。そして、その基準が、事実というあたり、
> 一見、合理的です。しかし、ここには、決定的な落とし穴が潜んで
> いるのです。落とし穴の正体とは、感情を粗略に扱う事によって、
> 悪い時に、恐ろしく感情的になったり、目的を見失って、どうする
> べき、どうであるべきといった事が分からなくなるのです。いわば
> 、議論の場において、自分の目的を、忘れてしまうわけです。
> 逆に、感情ばかりだと、目的ばかり、先走るわけです。
> 故に、両者の中間が理想的な訳ですが、人間のする事ですから、
> 必ずどちらかよりに傾いてしまう訳です。これを、事実と願望の
> 天秤の法則とでも、いっておきましょうか。この天秤が、どちらよ
> りでも、極端に傾いてはいけない訳ですから、事実も、感情も大切
> にするべき要素といえます。とすると、感情を入れると議論ができ
> ないというのは、間違いな訳です。

すみません。このくだり、文学的すぎて私にはさっぱり理解不能です。
「感情を粗略に扱うと悪いときに恐ろしく感情的になる」「感情ばかり
だと目的ばかり先走る」とは、どういう意味なのでしょうか。それに、
「目的を見失って、どうするべき、どうであるべきといったことがわか
らなくなる」のは感情を疎略に扱った結果というよりは感情におぼれて
我を見失った結果のように思えるのですが。

たしかに、現実社会で直面する問題について、他人の感情を重視する
ことは大事ですが、それと判断材料に感情を持ち込むのとは全く別次元
の話です。公的な問題に関しては、自分の判断に感情を交えてはいけま
せん。これはビジネスマンの鉄則です。ましてや国際戦略などといった
高度に公的な問題を話し合うのでしたらなおさらでしょう。

> 次に、売春の問題についてですが、売春が女性差別である、という
> のは、正しいのですが、売春がどこにでもあるなどという指摘を
> 軽々しくいうのも、女性差別です。それは、本人にその気の有無に
> 関係なく、暗黙に売春という行為を正当化しているからです。少な
> くとも、女性には、そう聞こえるでしょう。
> もちろん、売春という行為自体は、世界各地であります。
> しかし、それと、どこにでもあるということは、違うのです。厳密
> には、ある場所と、ない場所がある。多い場所と、少ない場所があ
> る。実は、売春婦当人も、個人差で、そんな行為自体が、嫌である
> 人もいる。それも大勢です。さらに、それぞれ複雑な事情が、ある
> のかもしれませんが、こういった行為には、モラル問題、貧富の差、
> 経済問題など、影響を及ぼす、社会問題などの、諸問題にも責任が
> あるケースも多いのです。
> これを考慮すると、あまり軽々しく、言ってはならないことです。
> 言うとしたら、売春婦のみならず、女性への礼儀という意味でも、
> 問題へのそれなりの、処方箋を用意しておかねばなりません。
> Fさんのは、それがないじゃありませんか。用意しておいた場合、
> それを前提に、こうするべきという議論は、成立します。
> そこで、処方箋に対する意義ある議論が存在します。ただし、
> 処方箋もなく、どこにでもあるというだけの言動は差別以外の何者
> でもありません。
>  なお、万一、女性の方がご覧になられた場合、失礼があった場合
> お詫びしておきます。

このくだりも支離滅裂です。こんな長い文章の中で、結局言いたいこと
は「売春がどこにでもあるという発言は女性に失礼である」ということ
だけでしょう。「売春の問題に対する対処案もなく軽々しく売春の話を
話題にするな」「どこでもあるというのと世界各地にあるというのは
厳密には違う」などというのは屁理屈です。kawafujiさんなどにはよほど
ドイツがすばらしい国のように写っていらっしゃるようで、ドイツ在住
の私としてはうれしい限りですが、戦争で銃火を持って踏みにじり、
多くの罪もない民衆を殺してかの有名なアウシュビッツ収容所をつくっ
たお隣のポーランド、売春街ではドイツ人はお得意さまです。どんな国
にもおかしな人、無神経な人はいます。ちなみに、売春はドイツでは
合法であり、労働組合まで存在します。

>  次に、信頼感ですが、全然、ご理解いただいていないようですね
> 。私は、「日本人の視点での身勝手な見解」と、いったはずです。
> Fさんのご意見は、体験談を語っています。この体験自体は、貴重
> な体験だったでしょう。しかし、これは、日本人の視点です。他国
> の方の視点ではないので、反論にはなりません。しかし、一例は
> あげておきます。ある芸能人が、海外で、自らの幼い時の夢として
> 、スパイになりたかったというのを言った、しかし、そのせいで、
> スパイ容疑で逮捕された。後、ただの夢であったことが判明し、
> 釈放された。これは、実話なのです。後になれば、馬鹿馬鹿し
> い話ですが、こんな事実が存在している事自体が、信用されていな
> いのです。他のアジア諸国との関係でも、信用されていない事がわ
> かります。米国とて、信用していたならば、基地問題で、誠意ある
> 態度をとれたはずです。彼等は、現状に関係なく、日本に誠実にな
> るのが、怖いのです。米国が、日本に誠実になるのを怖がっているの
> は、証拠書類が、米軍にあります。

この件など、Fさんの体験談は立派な論証です。私は滞独2年、Fさん
に較べれば洟垂れ小僧だと思いますが、40カ国以上を廻った私の経験
としても、日本人のパスポートは諸外国では絶大の信用があり、入国の
時も他の国々のパスポート所有者より遙かにチェックは簡単です。その
絶大の信用のため盗難や偽造も多いと聞きます。KOさんの上げた例は
、一般的に日本人が信用があるかという議論(この議論に実があるか
どうかは別にして)に使う材料としては話が特殊過ぎます。
「基地問題」は非常に広範な問題なので具体的に米国がいつどんな地域
で何をしたことを議論したいのか教えて下さい。基地に使用されている
土地の返還を渋っているのはそれだけ極東が不安定要素の多い地域
だからとか、復員させた米兵の職をどうするかというきわめて具体的な
問題があるからで、別に「誠実になるのがこわい」といった文学的理由
ではありません。

この一連の議論についてKOさん、KAWAFUJIさんの投稿をじっくり読ん
でみましたが、末梢的な表現をヒステリックに揚げ足取りし、いたずら
に感情的で、話のポイントがころころ変わり、結局何が言いたいのか
よくわからないというのが正直な感想です。自分だけは日本を超越した
存在のように日本の諸現象をきわめて主観的・抽象的に断罪しています。
それに対し、Fさんの見方は常に論理的で冷静で、論旨は非常によく
理解できます。もちろん、Fさんの言っていることがいつも正しいと
いう意味ではありませんよ。いつも注意深く、批判的な精神を持って
読むことは大切だと思いますが、お二人はまず、謙虚にFさんの文章力
・構成力から学ぶべきかと思います。
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(Fのコメント)
ありがとうございます。このコラムでは、投稿原稿をなるべく載せる
方向で、管理人T君は努力をしているようです。
このため、論理的に問題がある投稿もあるようですが、読者の皆様に
は、ご迷惑かもしれません。が、このコラムの方針のようで、私
も我慢して、T君の指示に従っています。
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(管理人Tのコメント)
 Fさんや読者の皆様には、ご迷惑をおかけしているようですが、
ここの場を左・右両派、国内・海外両派の皆様の意見交換の場とした
いので、自由民主主義の原則であるOPENな議論をするため、基本
的には、原稿をそのまま掲載しています。

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