211−2.南北朝鮮の統一に向けて



 とうとう、南北朝鮮の統一に向けて行動を始めた。中国の影響が
大きい。一国ニ制度として、中国が北朝鮮にアドバイスしたので
あろう。そして、第2次朝鮮戦争の可能性はほぼ無くなった。

今後、北朝鮮の経済支援を韓国、中国、ロシア、米国、日本がどの
ような役割で行うのかが問題になる。北朝鮮の軍備拡張が今も行わ
れていることが判明している。ロシアから中型戦車を大量に購入し
ていたようだ。この資金を捻出するために、製鉄所等の資金を回し
、運転資金さえなくし、停止せざるを得ないことになったようだ。
 もう1つ、中国が北朝鮮支援をしないと通告したことが原因で、
その援助を継続してもらうため、中国に金正日は行ったとのこと。

 北朝鮮が今後も、米国や日本に対してミサイルや核を開発し、
脅しを掛けてくるでしょうし、開発資金を韓国からの支援から捻出
する可能性がある。ここは注意が必要でしょう。

 しかし、北朝鮮は統一への一歩を踏み出したことにより、後戻りは
できないはず。中国が、朝鮮半島合体で影響力を行使できるために、
積極的であるためだ。もし、北朝鮮が逆戻りするようだと、中国から
の援助もなくなる。世界からの援助はほぼなくなっているし、国内経
済は崩壊しているため、生きていけないことになる。

韓国しか、当面援助を期待できない。金正日はそのため、韓国に向け
ては最大限の演出をした。しかし、北朝鮮国内では、この演出が報道
されていないのですよ。ここに問題点がありますね。

 日本は、どうなるか?
北朝鮮に対しての支援はやはり、日本人拉致事件の解決なしには、
原則的にはできないでしょう。北朝鮮への支援は韓国だけではでき
ないため、北朝鮮から日本に何らかの妥協策が出てくる可能性が高
い。

BBSで、うみさんが朝鮮の「反日」が心配と言っていたが、平和
のレベルという考えを入れて欲しい。
平和には、1.敵対関係にある両国が戦争をしていない状態
2.両国が敵でも見方でもない状態。3.友好状態にある両国関係
4.友好国に敵がいる場合。5.友好国に敵がいない場合。
で、朝鮮半島は、1−>2へ 4−>5へ移行したことになる。

よって、日本の安全も高まったことになる。これは重要。
北朝鮮の徐徐なる改革を期待するしかない。これでやっと、冷戦が
終わり、全世界が市場主義になるのでしょう。いいかどうかは分か
らないですが。

 米国や日本は、韓国に排他的な民族主義が高まる可能性を、
チェックしないといけないでしょうが、ある程度はしかたが無い。
しかし、行き過ぎは、注意することが必要になるでしょう。
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06/15 19:34 南北首脳に先を越された 予想外の進展に警戒感も  

 韓国の金大中大統領と朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の金正
日総書記の会談が終わり、焦点は和解へ向けた合意事項の履行に移
った。会談を取材したソウル支局のほか、ワシントン、北京、台北
、バンコク、モスクワ各支局と東京の運動、外務省担当の記者が会
談の評価と今後の展望を話し合った。             
 ―平壌の三日間は予想外の連続だった。           
 北京 平壌で直接取材した中国週刊紙の記者は、初日、空港に現
れた金総書記が故金日成主席のバッジを着けておらず、いつものサ
ングラスを金縁の偏光レンズ付きメガネに代えていたことが「人目
を引いた」と指摘した。                   
 ちょっとした変化だが、真っ黒なサングラス姿ではいかにもイメ
ージが悪い。テレビを意識して細部にいたるまで、元首のイメージ
作りを周到に行っていたようだ。               
 ソウルA 韓国では会談の前後で総書記に対する見方が一変して
しまった。(朝鮮戦争を体験した)年配者の間には、事前のイメー
ジと実像のギャップが大きくて、混乱をきたす人もいるほどだ。 
 外務省 北朝鮮側の演出は、得点を稼いだね。        
 ―合意の具体化はどのように始まるだろうか         
 運動 スポーツ交流では、シドニー五輪開会式で南北同時入場行
進が実現する可能性が強い。世界が注目する開会式が舞台だけに「
統一」に向かう南北の意気込みをあらためて世界中にアピールでき
る。                            
 ソウルA だが、金総書記のソウルへの答礼訪問は、あっさり実
現するとは考えにくい。(離散家族の再会が設定された)八月十五
日も時期尚早ではないか。                  
 ソウルB 今会談は基本的に北朝鮮の圧勝とみる。金大中大統領
は影が薄かった。金総書記のソウル訪問も、北側はじっくりリスク
を計算してくるだろう。                   
 南北共同声明で原則問題での「自主」を勝ち取ったことは、長期
的にみれば在韓米軍撤収や日米韓協力態勢にくさびを打つことにつ
ながる。                          
 ―会談をめぐる各国の本音は。               
 モスクワA ロシアは四月の首脳会談の合意発表から会談成功に
至るまであまりに展開が早く、ついていくのが精いっぱいという感
じだった。                         
 バンコク 両首脳に先を越された感は否めないね。タイは北朝鮮
の東南アジア諸国地域フォーラム(ARF)加盟をおぜん立てした
が、ことしのARFは韓国と北朝鮮の単なる顔合わせを超えて、一
歩踏み込んだ議論の場となるだろう。             
 ワシントン 米政府の本音は性急な和解への警戒だ。米国が進め
る米本土ミサイル防衛(NMD)、戦域ミサイル防衛(TMD)は
、北朝鮮を「ならず者国家」と規定することで開発の大義名分を保
っている。 
 北京 北京では北朝鮮政府関係者が、ソウルのプレスセンターに
集まった各国メディアの取材態勢などを調べていたのが目立った。
今後の対外宣伝に生かすつもりだろう。特に日本と米メディアの動
向に関心を払っていた。                   
 実際の対象は中国なのだが、北朝鮮は格好の口実だった。和平が
南北で急進展すると、この口実を失うばかりでなく在韓米軍も存在
理由がなくなってしまう。                  
 台北 台湾にとって最大の関心事は、首脳会談で後退したかにみ
える米国の役割だ。米国は台湾の安全保障に決定的な役割を担って
おり、引き続き東アジアで影響力を維持してもらいたいと願ってい
る。                            
 外務省 日朝国交正常化交渉への影響について、日本政府は焦燥
感を深めている。共同歩調を取るはずの日米韓の中で日朝だけが遅
れだしたことは明白だ。日朝交渉は秋以降にずれ込むとの見方も出
ている。日米が懸念する北朝鮮のミサイル問題が南北会談でどう話
し合われたかも分からない。                 
 ―ロシアのプーチン大統領は七月にロシアの最高指導者として初
めて訪朝するが。                      
 モスクワB 南北首脳会談が成功して朝鮮半島情勢が大きく動き
だした時期だけに絶好のタイミングだ。米国や日本が懸念する北朝
鮮のミサイル開発問題で譲歩を引き出せばロシアの対西側外交の立
場も一気に高まる。                     
 モスクワA 今回の南北会談の成功についてロシア外務省幹部は
「北朝鮮が普通の国になる一歩」と話していた。ロシアとしては、
緊張緩和の流れに早く乗って朝鮮半島での「主要プレーヤー」の地
位を確保したい。プーチン大統領の訪朝は北朝鮮を「普通の国」と
して、ロシアが認知する儀式になると思う。(共同)      
(了)  000615 1934  
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06/15 11:58 「民族」強調で成功か 次回会談の約束は予想外    

 小牧輝夫・アジア経済研究所研究主幹(朝鮮半島論)の話 金大
中大統領と金正日総書記が会うだけで成功とみられていた今回の首
脳会談で、次回の(会談の)約束までできるとは予想していなかっ
た。南北共同宣言も、表現がやや抽象的だが、個々の問題で突っ込
んだ内容を含んでおり大きな意義がある。           
 金大統領が「民族の運命は民族の力で切り開こう」と強調した裏
には「(民族の)自主」を掲げる朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮
)の主張に呼応することで、北朝鮮の在韓米軍撤収要求を抑え込も
うという戦略があったと思われる。この点で大統領の狙いは成功し
たと言えるのではないか。                  
 金総書記が首脳会談を通じて積極的に素顔を公開したのは今後、
自ら先頭に立っていくというアピールだったと思う。韓国との関係
を強化していく上では、神秘性をもって権威を高める国内向けの手
法は通用しないと判断したのではないか。(共同)       
(了)  000615 1158              
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06/15 11:03 ソウル訪問は当面無理 宣言は南北妥協の産物      

 小此木政夫・慶応大教授(朝鮮半島論)の話 南北共同宣言は、
統一問題を重視していた朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)側と、
離散家族問題を進展させたかった韓国側双方の主張を両論併記した
という印象だ。会談は金正日総書記のペースで進んでいるとみてい
たが、最後には金大中大統領が巻き返し、両者が巧みな妥協を成立
させたと言える。                      
 統一については、当面は共存しながら対話を通じ連合制から連邦
制へと進んでいくとみられる。宣言で自主的な解決を明記した通り
、外部の干渉を排除しベトナムでもなくドイツでもない道を選んだ
が、ある意味では不可能な道を選択したのではないか。     
 金総書記としては、経済再建のための南側の協力を得た形だが、
幅広い南北交流が進むことはリスクにもなり、今後政権の安定性を
どう維持していくかも焦点だ。                
 金総書記のソウル訪問は「適切な時期に」という表現で、時期を
明示しなかったのをみても当面は難しいと思う。現実には統一問題
で大きな合意があったときと考えるべきで、金大統領の任期中は無
理とみる。(共同)                     
(了)  000615 1103              
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06/15 08:04 連邦制度で統一目指す 南北共同宣言に署名 金総書

 【ソウル15日共同=磐村和哉】朝鮮民主主義人民共和国(北朝
鮮)の平壌で初の南北首脳会談を行った韓国の金大中大統領と北朝
鮮の金正日総書記は十四日夜(日本時間同)、連邦制度による統一
を目指すことをうたった南北共同宣言に署名した。宣言で金総書記
は適切な時期にソウルを訪問すると約束。訪韓が年内にも実現する
可能性もある。                       
 これを受け韓国政府は十五日、宣言の内容や意義を説明するため
、日本、米国、中国、ロシアの周辺四カ国への特使派遣の検討を始
めた。                           
 共同宣言は(1)統一問題を民族間で自主的に解決(2)南北が
相互の体制を認めながら統一を図る連邦制度については、双方提案
の共通性を認め、この方向で統一を推進(3)八月十五日に離散家
族訪問団を交換(4)経済、社会、文化など多方面の交流と強化(
5)早期に当局者対話を開催―などをうたった。        
 両首脳による和解努力は、半世紀以上の対立と葛藤(かっとう)
が続いた朝鮮半島の冷戦構造を解消、統一戦略の方向性まで打ちだ
す歴史的宣言を生み出した。だが、東アジアの国際環境への計り知
れない波及効果を考慮し、半島への重大な利害関係を共有する関係
国への特使派遣を決めた。                  
 大統領は十四日の夕食会で、金総書記に「ソウルで会いましょう
」と訪韓を呼び掛けた。                   
 同行スポークスマンによると、会談で金大統領は、北朝鮮と日本
、米国との関係について「統一のため和解と協力に取り組み、米国
、日本と関係改善することが重要」と促し、森喜朗首相が金大統領
に要請した日朝関係改善の意向も伝達した。北朝鮮が今後、南北関
係の急進展を背景に、対日、対米関係でも前向きに対応する可能性
が出てきた。                        
 宣言のうち離散家族再会については、一九八五年に相互訪問が行
われて以来、南北の往来はほとんど途絶えており、金大統領は会談
の最優先課題としていた。                  
 金大統領は十五日、李姫鎬夫人や代表団とともに、二泊三日の平
壌滞在を終えソウルに帰国。当初、陸路で板門店を通過する予定だ
ったが、訪朝時と同様に大統領専用機を利用する。       
(了)  000615 0804              

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