205.天皇制への議論



はじめまして 今回はじめて投稿します。山内と申します。今後
ともよろしくお願いします。

 今回 天皇制についての云々がございましたが、私もFさんの
意見に賛成であります。
ただ 若干付け加えたいのですが、やはり天皇もしくはその制度に
ついては日本の文化の象徴というか 日本文化そのものと言えると
思います。いつの時代にも良いか悪いかを別にして天皇という存在
を抜いた歴史を語ることは不可能であります。最近の中高の歴史
教科書は人民主体の歴史観?で埋め尽くされているとのことですが
、いずれにせよ必ず存在するし現在も変わりません。
 少し余談かもしれませんが、天皇即位後に行われる大嘗祭は 
何十億と費用をかけておりますが、これは文化が生きている証拠で
あります。大金をかけてまでも必要としているのです。政治家は
これを政治利用するかもしれません。しかしわれわれはこれを
生きた日本文化の継承義務としてとらまえる必要があります。

現在や過去において天皇制というものを考えたとき その権力構造
が不明確な部分が多分に存在しましたし 今も存在していると思い
ます。
 しかし これらは千年以上連綿に継続した文化の帰結であります。
その不明確な権力構造を欧米の物差しでのみで計測してもそこには
 欧米の価値観のみでの基準しかなく、その結果は否定しか生み出
しません。
 幕末の時代英国もフランスも この日本の政体を理解できなかった
と聞いております。
しかし 日本はそれまでちゃんと政治は機能していました。

 いきなり結論にいきますが、今 天皇制を廃止するとかの議論は
何の意味があるのか分かりません。欧米の価値基準とかイデオロギー
のみで判断するのは危険です。よく日本の文化を考察し、客観化する
ことが大事であります。

浅学ながら なかなか言いたいことがかけず 支離滅裂ですが 
一読願います。
===============================
神楽坂紅梅さんの疑問はもっともだと思います。

「天皇がいたらなぜ大統領をもてないのか?」
この疑問に真っ正面から議論した例はあまり多くないと思います。

巷の天皇関連の情報はマルキスト的な「反天皇」ものや、天皇に遠慮
したかのような大統領制反対(遠慮?)論、もしくは天皇が欧州の国王
の真似事をするようになってからたかだか130年余りしか経っていない
のに、あたかも日本の歴史と共に天皇「制」が存在してきたかのごと
く論をかまえ、ア・プリオリに日本を君主国にしようと願う類であふ
れかえっています。

直接選挙の可能性に注目が集まっている今日、最近になってようやく
自由に議論できる環境になった天皇をここで多角的に見つめ直すのは
いい機会ではないでしょうか。

現在の日本はマッカーサーによって作られたのではなく、明治維新に
よって日本人自らが作った社会であって、日本国憲法すらも大日本帝国
憲法の無効手続きの後に発布されたものです。したがって、立憲君主
としての役割をやらされたのは大日本帝国憲法下であって、その後の
日本国憲法下では「統合の象徴」という国民国家創設の教科書のよう
な用語で殺伐と表現されているに過ぎません。

天皇家の発祥そのものは他国の国王と同様の過程をえてきたと言える
でしょう。
また、現に今も存続しており、一国の歴史と文化と伝統を代表する特殊
な家系であることは否定できません。

しかしながら、たとえ近代は「欧州の拡大の延長線上」にあるとはいえ
、だからといって何故いつまでも天皇に欧州の立憲君主の真似事をやら
せなければならないのか?また、今の日本に立憲君主が必要なのか?
当の天皇家はその役割を望んでいるのか?一国の歴史と文化と伝統を
代表する特殊な家系である以上、有無を言わさずその任に就けと要求
するのか?その場合、その選択と決断は主権在民の下、国民がやるこ
とになるが、そのような本人の意思を無視した立場の強制を行うこと
が出来るのか?
また、今日の日本人のセンスはそのような選択が出来るのか?
このような事があまり議論されていないのは残念です。

天皇家は一家系である以上、全員が死に絶えない以上、存続しつづけ
ます。しかし、天皇「制」は主権国民によってどうにでも出来る制度
です。 天皇家と天皇制を同一に議論するのは実は虚構なのではない
でしょうか。

日本は英国のような憲法を持たない慣習法国ではなく、成文憲法と
ともに近代を歩んできた国であり、天皇が近代日本において立憲君主
からあいまいと凡庸の象徴天皇になった時、再び天皇が君主になる機会
はすでに失われたといえましょう。

私としては、天皇家が存続するならNationの象徴として天皇に存在して
欲しい。
Stateの長には直接選挙で選ばれた大統領が必要だと思う。

東京都
門田
===============================
Fさんへ

いつも、楽しく読ませてもらってます。
No.198−1の天皇象徴制問題への投稿です。

そもそも、天皇制の解釈を主義や体制と言った合理的・科学的要素に
頼ること自体がおかしい。反対派の多くは、合理的根拠を求める。
これに対し、賛成派の多くは慣習的、一種の伝統的、自然的要素に
根拠を求める。感性と理性は二つで一つであり、互いに相容れ会う
ものではない。
つまり、慣習と科学を議論として戦わせること自体が奇妙なことな
のです。
また、大衆心理の観点から述べるならば、単に長期不況の不満をはら
したいだけでしょう。だって、バブルの時は全然問題にならなかった
し。
やはり、私はFさんの意見に賛成で、世界最古の立憲君主制はこれ
からも維持されるべきです。温故知新の精神というやつです。更に、
Fさんの言うとおり、日本の長所・短所を理解しないものは日本から
でて行くべきです。と言っても案外、外国語を話すことができない
日本人に限って日本批判をするんですよね。
 と言うわけで、皮肉たっぷりの投稿でした。(あー、仕事きつい)
 
 CAOS 
===============================
Fさん、
有難う。私の言うたいことを何時も明快に発表してくれて有難う。
私は日本の為に、そして天皇のために野戦に行きました。生残って帰
りました。その事には後悔しませんが、さいきん天皇家の裏話を知り
、ショックを受けました。 
渡辺。
===============================
(Fのコメント)
 私の意見を修正する必要があると、感じています。これは、久保教授
の「天皇は元首か」の論文を読んだためです。本当に久保教授
ありがとうございます。

 現実、天皇は元首でしょう。しかし、その元首は象徴で、実権を
持っていないので、同じことですね。戦前のような天皇親政ができる
制度でなければ良いはずです。大宝律令は、全権限が藤原家に集まり、
その上に天皇がいる体制でしたから。しかし、明治憲法では、軍と
内閣の権限が分離していたために、統帥権侵害と内閣の政策に軍が
干渉できるようになっていたのが問題だったのです。

 権力の分散はせずに、内閣が全権限を持っていることが重要でし
ょう。大統領制を日本に導入するのは、大統領の役割は何かの検討
が必要です。米国大統領のような行政府の長であれば、首相と同じに
なり、首相を公選制にすればいいはずです。もし、インド等の象徴
大統領制ですと、天皇と同じ役割になり、存在意義が問題です。

渡辺さん、いつも応援ありがとうございます。
渡辺さんが見たHPは、帝国電網省ですか?ここに天皇家の裏話
が大量にあります。URLは:
http://www2.justnet.ne.jp/~yoshiro/

コラム目次に戻る
トップページに戻る