188.ブレイク・ワイフについて2



ブレイク・ワイフについて 

ブレイク・ワイフの記事を読みました。何故このような主婦を作り
出してしまったのか、その原因は資本主義社会のゆがみと儒教に
基づく倫理観、男尊女卑の悪い影響というのが根本にあると思いま
す。現在の男性の観念を変えることが重要です。

 資本家に搾取される労働者は、日々の仕事により疲れが限界に来
てしまい、家庭をなかなかかえりみることが難しい。又、主婦の方
も、核家族の中で未知の世界である子育てに日々翻弄されています。
男性は今までどおり仕事をしているだけですが、主婦は、今まで
やったことのない離乳食作りや、子供の相手をして、その環境の
変化によるストレスは、男性とは比較にならないほどです。そういう
状況において、男性は食事も作らず、子供のおむつも変えないと
いうようでは、主婦にしわ寄せがくるのは当然であり、ブレイク
してしまうでしょう。男は家の事はしないというのは、人手の足
りている昔の大家族の中でのみ通用した概念であり、現在の核家族
においては適用できないのは明らかです。

 錆び付いた固定観念(男尊女卑)をなくすことが第一です。
今までは会社が男性を転勤させたり働きやすくするために、女は家
を守るなどという概念を植え付けていましたが、少子化が進む
今、社会も変わっていくでしょう。男性も有給休暇を全部消化し
、育児休暇を取り、心にゆとりを取り戻すことができれば、
ブレイク・ワイフの問題も解決に向かうと思います。

 平気でリストラをする会社より、一生の付き合いになる家族に
目を向けるべきです。私は女性ですが、男性の態度によって、
家族は良くも悪くもなるし、家族をうまくまとめられないような
男性は良い仕事もできないと思います。
                      えりか
================================
(得丸さんのコメント)
この女性の発言内容についてはまったく異論はありません。
現状を冷静に見るならば、男がさぼりすぎです。自分たちが
育った環境と今の環境が違うということを自覚しなければな
らないと思います。そして女性の苦しみを少しでも減らす手
助けをするべきです。子育てや家の雑事に関わるべきです。

あえて彼女の意見に付言するとすれば、儒教についてのコ
メントでしょう。儒教は、本来家族を大切にする宗教です。ま
た、礼と仁で社会を満たそうという善意に基づいています。

このメルマガを読んでおられる方にお勧めしたいのは、
「沈黙の宗教 − 儒教」(ちくまブックス)です。日本人の
心に儒教的な価値観がいかに取りこまれていたか、そして
それが今失われつつあるか、について考えてみてください。

最近森首相の「日本は神の国」発言が問題になっていますが、
猟奇殺人や保険金殺人が多発し、居住地の盆踊りで無差別
殺人(和歌山カレー事件)が起きる国が、どうして神の国です
か。もっと神の国に近づけるべきではないですか。

自分の配偶者、両親、祖父母、親戚、友人、先生、近所の人、
職場の人、子供、子供の友人、、、、そういった縁やゆかりの
ある人みんなに仁(愛)と礼にかなった態度を取ることだけが
日本を救うことにつながるのだと思います。

私は神々の島 バリ島ウブド村での三泊四日の文化フォーラ
ムに参加してきたばかりです。短い時間ですがバリの人々の
生活と比べると、戦後の日本は神々をないがしろにしたことが
最大の失敗だった(もちろんそれはアメリカの占領政策だった
のですが)とつくつく思いました。

得丸久文(2000.05.23)
===============================
(Fのコメント)
えりかさん、そう単純なものではないと思います。私も、ビジネスを
していますが、土日以外は家庭にいる時間がありません。これは、日本
だけでなく、米国でも同じです。米国の忙しいビジネスマンたちは
夕飯を家族とするために、一度帰宅して、再度夕食を食べた後、会社
に戻り、会議をする人もいます。

 土日は家庭で過ごさないと、離婚させると言っていたが。夫婦共稼
ぎの家は、家庭の用事を分担しているようですが、日本でも夫婦共稼
ぎの場合は同じようにしているのではないですか?

 日本だけの特殊な問題ではなく、世界的問題なのだと思います。
 現代資本主義の問題点なのかもしれませんが、この資本主義を否定
しても、代わりの制度もありません。この便利な生活を捨て、田舎に
暮す人がいますが、これは別の問題を起こします。また、多くの人が
できない。

 SOHOも収入が激減する場合が多い。このため、今の制度の中で
どう家庭と仕事の分担をするのか夫婦が相談することでしょう。
男尊女卑の悪い影響とか言っていても、解決しませんから、夫が
できる仕事を割り付けることが必要でしょう。教育のコースでも
男女差がなくなってきたようです。料理を高校で男性が選択できる
ようですから。
 日本も単線の価値観から抜け出す必要は感じますね。

コラム目次に戻る
トップページに戻る