ジュリアン・ロバートソン氏が率いるタイガー・ファンドは解散、 ソロスのクオータム・ファンドは低リスク低収益商品にすると発表。 ヘッジ・ファンドの解散か縮小が加速している。これはなぜで しょうか? ソロスの運用は、国の金融担当者の裏を掻く方法で、巨利を得て いたのです。これは、前回のソロスの戦略で述べている。 この裏を掻く運用方法を全世界の金融担当者が知り、米ドルとの 市場変換性を柔軟にして、ソロスが入り込む隙を与えなくなったの です。それと、ソロスやロバートソン両氏はインターネット株での 転換が遅くなり、上値で掴んでいる。日本のインターネット株への シフトも遅れた。このため、インターネット株暴落で大損失を出す ことになるのです。 ヘッジは、得するときも大きいが、損する時も大きいのが特徴。 もう1つが、デリバティブの使い方、計算方法が世界に拡散し、 裏を掻くことができず、運用実績も上がらなくなってきたのです。 私でもデリバティブはできるし、円のヘッジは多くの人が参加して いる。この状態では裏を掻くのは難しい。 米国からのグローバル化、インターネット化で、世界の他地域と 差があったことが、ソロスなどのヘッジ・ファンドの儲けの構造で あったのだと思う。その構造が拡散し、均一化したためにヘッジ・ ファンドの優位性がなくなったのでしょう。 ソロスの戦略: http://www.asahi-net.or.jp/~vb7y-td/111013soro.htm ブラック=ジョールズ・モデルの質問と回答: http://www.asahi-net.or.jp/~vb7y-td/doku1.htm 金融覇権と今後の日本: http://www.asahi-net.or.jp/~vb7y-td/kinken.htm ソロス研究サイト: http://georgesoros.hypermart.net/ http://www.geocities.com/WallStreet/3880/ ソロスのファンド: http://www.fraternity-fund.com/ ソロス財団: http://www.soros.org/ ============================== 「巨額投機の時代終わった」掲載日2000年04月30日 <共同通信> 【ワシントン29日共同】「投機の帝王」と呼ばれる著名な投資家 ジョージ・ソロス氏が二十八日、主力のクォンタム・ファンドを 「低リスク・低収益」型に転換し、規模も縮小する方針を示した。 「巨額投機の時代は終わった」とも述べ、国際金融市場での活動を 見直す考えを表明、一九九七年のアジア通貨危機の引き金ともなっ たヘッジファンドは転換期を迎えた。 同ファンドは、先物などデリバティブ(金融派生商品)を通じて世 界の株、債券、通貨、原油などに投資し、高収益を狙う投資信託の 一種。ソロス氏は一九六九年から三十年以上にわたって年平均三○ %を超える利回りを実現し、クォンタムを含む運用額は二百億j前 後に拡大した。 九二年の欧州通貨危機の際に英ポンドを売り浴びせたように、機先 を制して動くのが持ち味だが「投資規模が大きくなりすぎ、市場で の自分の動きが詳細に観察される」と同氏。小回りがきかず、値上 がりを期待し大量保有していた米情報関連株が三月に下落した際に 適切に対応できず、大きな痛手を受けた。 アジア金融危機をきっかけに投機への監視強化が検討される中、ソ ロス氏と並ぶ米ヘッジファンドの双へきジュリアン・ロバートソン 氏率いるタイガー・マネジメントも三月に全ファンドの清算を表明 、二十年の歴史に終止符を打った。 最近のソロス氏は、南アフリカのムベキ政権の投資誘致評議会メン バーに就任し、ミャンマーの民主化運動を支援するなど社会活動に 傾倒している。 「必要なのは活動資金を調達できる収入源」というソロス氏は、派 手な投機で荒稼ぎする野心を失ったのかもしれない。 ============================== 運用成績下降線 トラブルも相次ぐ 1999年8月10日<産経> 【ワシントン10日=中田雅博】著名投機家のジョージ・ソロス氏 が率いるヘッジファンドが、米株式市場のバブル相場やユーロ投資 で大きな損失を出して、米銀から経営者を迎えることになった。英 ポンドへの投機やアジアの金融危機で巨額の利益を上げて、向かう ところ敵なしのソロス・グループだったが、昨年のロシア危機以降 、相場の失敗が相次ぎ、ファンドの運用成績は下降線をたどってい る。ヘッジファンド業界は、「転機を迎えた」との見方も出てきた。