160.朝鮮半島状況について



いつも楽しく読ませてもらっています。
 
質問があります。
 
韓国の総選挙で、野党ハンナラ党が勝ちました。
日本では、こういう結果になったら首相は辞任すると思いますが、
韓国ではどうして野党が第一党のままで国会が成り立つのですか?
 
 
よろしくお願いします。
 
原
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
(Fの回答)
 韓国は、大統領制であり、首相の任命権は大統領にあります。
このため、議会は承認するだけです。現首相は議会が承認して
いますので、いいわけです。

 しかし、今後の議会運営は大変になると思います。金大中大統領
は、議会の多数派工作をしているようです。
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(南北朝鮮対話開始の解説)
中国の働き掛けが大きい。北朝鮮も、工場の電気がなく生産を軌道
に載せられないようだ。
レンクによると、1999年には、鉄道も週1本しか列車を運行できず
かつ、製鉄所もほとんど稼動できなくなっているそうです。
 このためもあって、、北朝鮮の政策変更はダイナミックに変化したと
思う。
 そして、ロシアのイワノフ外相が北朝鮮政府に韓国政府の援助を
受ければと提案した。ほとんどの機械は旧ソ連製で、それが老化し
て生産性が悪化しているためで、韓国の金で、ロシアの技術者が
機械を整備することになる。

 このごろの北朝鮮外交はすごいが、全然援助を引き出していない。
食糧援助ほしさに、イタリアと国交を回復したのにですよ。
 日朝交渉は拉致事件解決もあり、遅れるでしょう。米朝交渉もテロ
国家認定解除問題があり、合意できない状態になっている。この状態
であるため、日本からの賠償金を期待できない状態に北朝鮮はなって
いるのです。よって、韓国から繋ぎ資金をいただこうとしている。

しかし、ここで心配なのが、日本と北朝鮮の正常化交渉上で、北朝鮮
拉致事件の棚上げが再度、持ち上がることです。これを望んでいる
人が多い。ここが注意ポイントでしょう。絶対に日本人拉致を解決
してから、国交正常化ですよ。追加援助ですよ。
国民感情が北朝鮮を許さない。もし、強行すると大きなしこりを残す
ことになりますよ。

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04/10 20:37 関係打開は首脳会談だけ 背に腹代えられず応じた北

 韓国と朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)が十日発表した初の南
北首脳会談について、朝鮮半島情勢を取材している内外の記者が意
見を交わした。                       
 ―突然の発表という印象を受けたが。            
 ワシントン 兆候はあった。三月初めに北朝鮮の金正日総書記が
平壌の中国大使館に出向いたころから「朝鮮半島情勢で近く何かが
起こる」との見方があった。                 
 ソウル 一月のイタリアとの国交樹立やオーストラリア、カナダ
、フランス、フィリピンなどとの関係改善の動きもその表れだ。 
 ―北朝鮮が会談に応じた背景は。              
 ソウル 金総書記の一大決断だ。北朝鮮のエネルギー不足は「建
国以来最悪」(北朝鮮メディア)。最近訪朝した外交官によると、
夕食会はオーバーを着たまま行われ、一流ホテルでも停電が頻発。
東海岸の元山では、夜に自分が乗った車以外に光がなかったという
。背に腹は代えられないとこれまでの戦術を転換したのでは。  
 北京A 十三日投票の韓国総選挙では野党ハンナラ党のリードが
伝えられている。韓国から引き続き経済援助を得るためには金大中
政権が敗れ、レームダック化しては困る。選挙前に首脳会談合意を
「プレゼント」し、与党に有利な状況を生み出そうとしたのではな
いか。                           
 東京 日本の外務省幹部は「これがそうだ、と一つの理由を挙げ
ることはできない」と慎重。今回の合意が、北朝鮮が孤立政策を捨
てる出発点なのかどうか現段階では見極めきれず、分析を急いでい
る。                            
 北京B 北朝鮮は経済再建を日本からの補償と韓国からの経済支
援という二本柱で推進しようとしている。まず韓国から支援を獲得
、日本の補償金で長期的な経済再建を図るという作戦ではないか。
ある意味では日韓を競わせる狙いもあるのでは。        
 ―首脳会談開催を呼び掛けてきた金大統領の胸中は。     
 ソウル 金大統領にとっては総選挙を控え、太陽政策が南北対話
に結びつくことを有権者に示し、与党、新千年民主党(民主党)へ
の支持を得たかったはず。南北首脳会談を実現しノーベル平和賞を
受賞するのが金大統領の宿願だというのが政界通の話だ。    
 ―首脳会談の成果は期待できるのか。            
 ワシントン 米国務省幹部は南北トップ会談しか関係打開の道は
ないと常々話していた。北朝鮮は金総書記の指示がなければ何も決
められない。トップ会談なら最高権力者が自らの裁量で交渉に臨む
ことができ、進展が期待できる。ただ、従来通り北朝鮮側の要求だ
けが目立つ協議になる可能性もあり、予測は難しい。      
 ―各国の対北朝鮮政策への影響は。             
 ワシントン 米国の政策は極端に変わらないだろう。米国は南北
、日本の間の唯一最高の仲介役として大きな影響力を発揮している
ことで満足。あくまでも極東は「遠い地域」。朝鮮半島に平和が訪
れてほしいという熱意や当事者意識は韓国や日本ほど持っていない
。                             
 ソウル 米国の心証が良くなって、停滞している米朝関係を促進
させることになろう。軍事、安全保障問題については米朝交渉で解
決を図ろうとする北朝鮮の姿勢は変わっていない。       
 東京 日本政府は日朝国交正常化交渉を順調に進めるためにも、
南北関係の進展を強く望んでいた。ようやく日米韓三カ国の足並み
がそろったことになり、安どしているようだ。         
 モスクワ ロシアも朝鮮半島での影響力回復を図る好機とみて歓
迎しているようだ。                     
 (共同)                         
(了)  000410 2037 
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04/11 21:19 切実な北のインフラ老朽化 対韓認識変化の背景に 

 【ソウル11日共同=磐村和哉】朝鮮民主主義人民共和国(北朝
鮮)が旧ソ連時代の産業施設の更新、改善で、韓国政府の資金提供
受け入れを表明した背景には「工場稼働率はよくて二○%」(韓国
への亡命者)とされる北朝鮮の深刻な産業基盤の老朽化があり、北
朝鮮が初の南北首脳会談開催に応じる契機になったとみられる。 
 韓国との南北経済交流ではあくまで民間ベースにこだわり、政府
の介入を回避してきた北朝鮮が、ロシアが関与する形であれ韓国政
府の資金提供を認めたことは、金大中政権が進める対北朝鮮柔軟政
策である「太陽政策」の主要な目標の一つの北朝鮮経済の開放誘導
政策に弾みをつけよう。                   
 六月の首脳会談後に予想される北朝鮮への韓国政府の支援はイン
フラ整備を軸に行われる見通しも高まっている。        
 韓国統一省によると、北朝鮮の実質発電量は韓国の約八%水準の
百七十億キロワットで、発電設備や送電線の老朽化による漏電も重
なり、エネルギー事情改善の根本的な障害となっている。道路、港
湾の整備も遅れており、北朝鮮と経済交流をしている韓国企業から
は「インフラの改善がなくては事業展開に限界がある」との不満が
韓国政府に度々寄せられている。               
 このため韓国政府は首脳会談に向け南北経済交流基金、対外経済
協力基金などの資金を運用し、建設、通信、電力など関連業界との
調整も急ぐ方針。経済界も分野別に訪朝団を構成、事前調査に乗り
出す準備を進めており、政府資金をテコにした経済交流は金大統領
の構想する「南北経済共同体」に向け、本格的に動き出すことにな
る。                            
(了)  000411 2119
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04/17 16:45 米朝、日朝協議は後回しか 北の高官訪米は実現困難

 韓国と朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の初の首脳会談の意義
などについて、米国務省で米朝交渉を担当していたブルッキングス
研究所のジョエル・ウィット客員研究員に聞いた。(ワシントン共
同=近沢守康)                       
 ―なぜこの時期に首脳会談で合意できたのか。        
 「北朝鮮経済が極度に低調で、韓国の支援が欲しいという事情も
あろうが、それよりも金正日総書記が国内で権力を完全に掌握し、
南北会談に臨む自信を付けたということだろう」        
 ―会談の意義は。                     
 「初めての会談というだけでも大きな意義がある。内容について
は多くを期待していない」                  
 ―北朝鮮の外交政策の基本方針は変わったか。        
 「イタリアとの国交回復やフィリピン、オーストラリアとの接触
、そして今回の首脳会談合意など、最近現れた動きは、一九九八年
ごろから兆候があった」                   
 ―南北首脳会談は、日朝、米朝協議に影響するか。      
 「南北対話が再開すれば、米朝と日朝協議はしばらくの間後回し
にされるだろう。北朝鮮に南北、日朝、米朝の三つの交渉を同時進
行させる能力があるとは思えない」              
 「北朝鮮が現在、国家レベルでテロを支援していないことは米政
府も認識している。しかしテロ支援国家指定の解除に固執する限り
、米国が求めていた北朝鮮のハイレベル高官訪米も実現する見通し
 ―南北対話が進むと、米国の役割は相対的に低下するのか。  
 「日米韓のうち、核・ミサイル開発など安全保障問題絡みの交渉
ができるのは米国しかなく、韓国や日本もその分野に手を出すつも
りは全くない。つまり北朝鮮の核やミサイル開発を抑えられるのは
米国だけだ。役割の重さは今後も変わることはない」      
 ―米朝間の核・ミサイル協議の進展の見込みは。       
 「何かをやめさせたければその代償を払え、というのが北朝鮮の
交渉における基本姿勢だ。急な進展は期待できないだろう」   
 「時期的に言って、(米国の)次期政権は対北朝鮮政策で非常に
難しい決断を迫られるだろう。ミサイル・核開発に関する交渉が大
きな局面を迎えるのはクリントン政権後だ」          
(了)  000417 1644 

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