140.読者意見特集



(読者の要望)
毎回貴殿のコラムを興味深く拝見させて頂いております。
貴殿の保守漸進改革的な考えには共鳴することも多く、その知識の
多さに感心すると、共に、深く日本の将来を憂える者として嬉しい
次第であります。

しかしながら、たった一つだけ残念なことがあります。
あなたのFという匿名です。
私は匿名で意見を言う者を最後の最後で信じることはできません。
匿名ではどんな立派な意見を言っても最後は逃げると思っているか
らです。
久保教授が「そしてなるべく匿名はやめましょう。とくに相手にも
のを聞く場合には。」と言っていることに同感します。
人に意見をきく者と発信する者とで違いがあろうはずがありません。
F殿、是非匿名でなく実名で勝負して頂きたい。

以上
松永
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(Fのコメント)
 残念ですが、私の自営業の仕事がら、実名では仕事に関係がある役所
を批判できなくなってしまいます。評論の自由を確保するため、現時点
では、匿名をお許しください。今後、歳老いて自営の仕事を止める時、
実名で評論できると思います。あと少しこの状態にしておいてください。
なお、管理人TとFの経歴等は、コラムの全般を見ると出ています。
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(読者の意見)
はじめてお便り申し上げます。

日本の外交オンチ(というよりノータリン外交)の件ですが、
全ての原因は身内主義(nepotism)にあると思います。
日本という国の国益よりも身内の利益を優先させるところが
諸悪の根元であるような気がします。

外交官試験は何故か他の公務員試験とは別になっていて、
オープンな形をとっているものの実態は世襲に近いそうです。
(北の共和国を思い出します)
そのため、ミスをしようと一切責任を取らない体制ができているよう
です。

近いところではペルーで大失態を演じたA大使。
遠いところでは「日本人は卑怯者」の烙印を押された真珠湾攻撃の
原因を立派に作った当時のアメリカ領事館駐在員(後に外務事務次官
まで出世)を見れば納得がいくと思います。

イラクのクウェート侵攻時も危険を察知していた外交官は既に不在で、
「私が最後のクウェートからの日本人です」と言った方は、民間人の
クウェート日本人会の会長だったと記憶しています。

海外駐在員で危険地帯にいる人の間では「何かあったらアメリカ大使館
へ」というのが合い言葉になっているそうです。

全く情けない限りですが、今エリートと呼ばれている人々で
腹を切る覚悟を持っている人はいないようです。

怒りのあまり、ろれつの回らない文章になってしまいましたが
ご容赦下さい

徳井
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(Fのコメント)
その通りです。外交官は情けないですね。外国で危機的状況になった
とき、日本政府は何もしてくれないことは明白です。いまの所は。
朝日など報道機関が国を嫌い、防衛庁を嫌うため、正常な救援活動が
できないのですから。これを直さないと、外国へ自衛隊を派遣できない。
もし、状況を変えるなら、まず朝日新聞の報道姿勢を変えさせないと。

 その上、外交は外交官だけで実行している訳でなく、日本の国全体で
やることです。特に、中国や北朝鮮などの非民主主義国と米国に対し、
日本は弱い対応をしていると思っています。

 中国の気に添わないことは、日本は言わないことが多い。米国からの
依頼も無批判に日本は受ける傾向がある。日本の主体性がそこにはない。

 日本の国民感情を正確に米国や中国に伝える努力をしないと、大きな
ギャップが出来、相互信頼の友好関係が築けたいのではないですか?
これは、小和田さんも心配しているようです。(記事は最後)

 勿論、相手もこちらに対して、言いにくいことを言ってくるでしょう。
しかし、その対応を避けていると、感情的問題を引き起こす可能性が高く
なるはずです。外交は日本と諸外国の意見を調整するために行うのですか
ら、違っていて当たり前です。交渉や取引で変更すればいいのです。
妥協も必要ですが、それは調整した結果です。この外交交渉の過程もある
程度、国民に了解してもらう努力が必要ですよ。
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(読者の意見)
いつも戦略コラム興味深く拝見しています。先日の中国の戦争シュミレ
ーションについて一言コメントしたいと思います.中国とアメリカが全面
的に戦争になった場合、中国は在日米軍基地に攻撃を加えその場合日本
人数百万人が犠牲になる可能性ありという設定ですが、勿論その可能性
が全く無いとは言えませんが、今のところその可能性は極めて低いと思
います。中国の現在における最大の関心事は経済を発展させて富国強兵
を図ることだと思います。今台湾を取り返すために今まで苦労して築き
上げてきた基盤をいっぺんに破壊させる危険にさらすほど指導者が愚か
しいとも思えません。勿論彼等が非常に賢いとも思えませんが。

 それともし中国が日本に核攻撃を加え数百万の犠牲者がでたとしても
、それで日本が消滅するわけではありません.広島と長崎の原爆で終戦
にはなりましたが、日本は消滅せず結果的にわ発展しました。私は核攻
撃を肯定しているわけではなく、むしろあらゆる手段を講じて抑止すべ
きだと考えます。しかし万一中国が日本を攻撃した場合、日本と中国の
立場は完全に逆転して、中国こそは加害者の立場になります。今まで日
本は侵略者という立場にたたされてその故に言いたいことも言えずに臍
を噛んできました。

それが完全に吹っ飛んでしまいます。もはや南京虐殺もなにもありませ
ん。その時こそ日本は堂々と再軍備にも乗り出し、核武装でもすべきだ
と思います。勿論それが起こることを期待しているわけではありません
が、今の中国が台湾奪回のためそれほどの腹をくくっているとは思えな
いということです。それが証拠に総統選挙後、中国の台湾に対する脅し
のトーンは随分下がってきました。以上私のコメントを述べさせて頂き
ました。有難うございました。

M.Abe
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(Fのコメント)
国際戦略を構築することは、いろいろな状況を想定し、そのシュミレー
ションをして、問題点を明らかにすることなのです。中国の戦争シュ
ミレーションによって、戦争が成立しないと結論できます。

 しかし、Abeさんの意見には、同意できません。なぜか?
中国のミサイルの数は、日本の全部を死に追いやることができる量です。
終戦の時の原子爆弾とは、威力が段ちに違います。核融合は、核分裂
のエネルギーの数千倍の威力がありますから。そして、パトリオット
の防衛力では、ほとんど打ち落とせないですから。命中率20%以下
との結果です。よって、中国は加害者ですが、日本は無くなっていま
す。それを避けるためには、中国全土を死に追いやる核ミサイルを日本
も持ち、日本も無くなるが、中国もないよ。としないとダメです。
または、TMDでミサイル全てを、中国が発射した直ぐに、打ち落とす
ことです。

 軍事力の正確な情報がないと、危ないですよ。日本は軍事を戦後
忘れたようですが、それでは、日本の今後を乗り切るのは難しい。
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(共同通信より引用)
03/20 15:08 日米同盟に再漂流の危機 方向感喪失と小和田氏

 日米同盟関係は冷戦後の東アジア情勢に適応するための「再定義
」、日米防衛協力のための新指針(ガイドライン)策定などを経て
、一時の「漂流」から脱したかに見える。しかし、両国の著名な識
者、高官を集めてこのほどワシントンで開かれた日米関係のシンポ
ジウムで聞かれたのは、むしろ停滞を懸念する声だ。中でも小和田
恒前国連大使が「日本は国として方向感を失っている」と強い危機
感を表明したのが注目された。                
 「再定義」を主導したナイ前国防次官補は、一九九○年の湾岸危
機の際、日本の役割を期待したが拒否反応に遭い、苦労した話を紹
介。自衛隊の国連平和維持活動(PKO)参加など、その後の十年
間に見た日本の姿勢の変化を「静かな、しかし重要な進展だ」と、
感慨を述べた。
 東アジアの安保で日本が果たすべき役割について、ナイ氏は中国
など周辺国で根強い「歴史問題」について「もっとオープンに、も
っと率直に」対応することで、役割拡大の道は開けると述べた。 
 日米安保関係の将来を比較的楽観視するこうした意見が大勢を占
めた中で、小和田氏は政治的な進展とは別のところに真の問題があ
るとし、これを「日本の国としての心理的状況」と呼んだ。   
 小和田氏は国連大使時代の五年を経て帰国した時、「日本が方向
感を失っていることにがく然とした」という。「冷戦時代には日本
の政治、外交、経済もあらかじめセットされた枠組みがあり、自ら
の問題を真剣に考える必要がなかった。その゛人工的な保護膜″が
消失したところに今の日本が存在する」 
 PKO協力法も、ガイドラインも周辺事態措置法もある。国民の
安保観も変わった。しかし、実はもっと深いところで日本は準備が
できていないのではないか―。公職を離れて一知識人となった小和
田氏の指摘は、こんな問い掛けに聞こえた。          
 別の角度から日米同盟の在り方に懸念を表明したのは、ガイドラ
イン作成の陣頭に立ったキャンベル国防副次官補だ。同盟関係を支
える「キープレーヤー」であるはずの議員ら、両国の関係者の間の
意思疎通があまりにも少ない、という指摘だ。日本側は「米軍基地
の縮小」、米側は「日本の財政負担拡大」という決まり文句を交わ
しているだけでは「本当の戦略的対話」は望めない、とキャンベル
氏は語った。   
 極め付きの知日派、知米派の集まりだった。それでもおやっと思
う発言もあった。「日米に共通する戦略上の利益の大きさに比べれ
ば、沖縄をめぐる議論など、正直なところちっぽけなものだ」―。
リーバーマン上院議員(民主党)の言葉だ。日米同盟関係は着実に
進行しているが、再び漂流しかねない危機もはらんでいる。(ワシ
ントン共同=大島寛)                    
(了)  000320 1508 

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