138.プーチン政権と日本の関係について



 とうとう、プーチン政権ができた。この政権は国家主義を前面に
出してくると思う。ロシアの問題は、かなり前からこのコラムで
検討している。その根本は、混乱の原因が無秩序な自由放任市場
主義が原因であるから、規制することであり、かつ、計画経済を
ある程度実行して、市場の混乱を統制することだと提案してきた。

 やっと、この提案をまともに取り上げて改革する政権ができたと
思う。そして、混乱が収拾されることを期待する。
しかし、国家主義者の恐ろしいのは、ロシアを再度超大国にする夢
を見て、周辺国や欧米と摩擦を起こすことだ。

 この目を早く潰す努力をする必要があるでしょう。IMF資金
補給とIMF流金融政策により、ロシア経済はかなり痛手を受けた
が、地下資源が豊かであり、日本の欠点をロシアは補完する関係に
あるのです。よって、日露の経済提携が現実化すると、ロシア・日
本両経済の立ち直りは、欧米が想定しているより、かなり早まる可
能性が大きい。欧米からの嫌われっ子同盟が再度、手を組んで世界
に出てくる可能性があるのです。

 しかし、日本はロシアと組んで欧米に対抗するのはダメだ。
あくまでも、ロシアをコントロールするために提携している状態に
する必要がある。欧米に対する免罪符を持つことです。

そして、日本とロシア自由貿易協定で、シベリアの経済的な発展
に寄与し、摩擦を少なくして、日ロの友好関係を維持する。

問題は北方領土であり、それが解決すると、友好関係が達成しやす
くなる。今後の長い目で、ロシアも見ることを、日本政府は主張す
ることが必要でしょう。両国の発展に大きな礎を築くことになるは
ずです。

 最終的に、日本やロシアは、欧米の仲間には入れてもらえないと
感じるからです。第2グループを構成することが必要でしょう。
社会の性格も似ている。日本も市場社会主義的な面があり、金持ち
を胡散臭く見ている。規制を直ぐ言い始める。など、ロシア的市場
主義とは、馴染める。立場を共有できる。

日本と中国・朝鮮とは同じグループとはなれない。感情問題が大き
く圧し掛かり、友好関係が構築できないでいるし、今後も期待でき
ない。同じく、ロシアと中国の間も、国境線が長いため、友好関係
は維持しにくい。それに比べ、日本とモンゴルも同一のモンゴロイ
ドとして、違和感が少ない。よって、ロシア、モンゴル、日本の3
者とASEAN諸国が同一経済圏を作ると、大発展する可能性があ
るのです。地下資源が豊富なロシアに技術と人的資源を投入すれば
、面白いことになる。

ロシアの失敗
http://www.asahi-net.or.jp/~vb7y-td/rosia.htm
ロシアの混乱
http://www.asahi-net.or.jp/~vb7y-td/rosia2.htm
ロシアの混乱化について
http://www.asahi-net.or.jp/~vb7y-td/111115.htm
プチン・ロシア大統領代行の施策予測
http://www.asahi-net.or.jp/~vb7y-td/120111.htm
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03/24 12:08 北方領土の2段階論を否定

 河野洋平外相は二十四日午前の衆院沖縄北方問題委員会で、日ロ
平和条約締結交渉について「領土問題解決を先延ばしして平和条約
締結のみを行うことをすべきではない。二段階論をやる気持ちはな
い」と述べ、ロシア側が主張する条約締結後に国境線画定を協議す
るとの「二段階論」に応じる考えはないことを強調した。    
 外相は同時に平和条約締結交渉では「先方の譲歩が必要だ。(北
方領土の)現在ある姿を変えなくてはいけない」と述べ、ロシア側
の譲歩を引き出すのがポイントとなるとの考えを示した。    
(了)  000324 1207  
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03/24 16:42 統制色強めるロ代行 知識人に民主化後退の懸念

 【モスクワ24日共同】法秩序の確立を掲げるロシアのプーチン
大統領代行兼首相は二十六日の大統領選を前に、チェチェン進攻を
批判した記者を刑事訴追するなど統制色を強めている。知識人らの
間では元スパイのプーチン氏が率いる新政権下では民主化が後退す
るのではないかとの不安感が広がっている。          
 チェチェン進攻で見せた行動力が一般国民から強い支持を受けて
いる同氏だが、今月十日には武装勢力側に密着取材していた米政府
系ラジオ局のロシア人記者を拘束し武装勢力に協力したとして起訴
。さらに同記者を「裏切り者」とののしり、チェチェン情勢では事
実上報道の自由を制限するとの強硬姿勢を見せた。
 有力な政治評論家、テレン・モスクワニュース紙副編集長は「プ
ーチン氏は報道の自由の本質を理解していないようだ。記者は体制
に奉仕すべきだとするソ連時代の考えから脱却できていない」と批
判する。                          
 悪名高い旧ソ連国家保安委員会(KGB)の後身である連邦保安
局(FSB)の長官を務めた同氏は今月半ば、盗聴装置などの外国
からの持ち込みや持ち出しをFSBの許可制にするとの通達に署名
。防ちょう体制の強化に乗り出した。             
 またソ連時代と同様、軍部隊内の不穏な動きに対する監視体制の
復活を決めるなどFSBの影が日増しに濃くなっている。    
(了)  000324 1642   
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03/25 08:08 経済スパイ活動を強化か

 【モスクワ24日共同】二十四日のロシア通信はロシア安全保障
会議が同日基本採択した新たな外交政策概念の中で、対外情報機関
の役割拡大を規定していると伝えた。             
 詳しい規定の内容は不明だが、「プーチン新政権」の外交指針と
して策定中の同概念は「飛躍的に広がっている対外情報機関の外交
における役割と課題」について明記しているという。      
 同概念は、経済権益追求のため経済外交の強化をうたっており、
スパイ出身のプーチン大統領代行兼首相は西側諸国などで情報機関
を使った経済スパイ活動を強める方針とみられる。       
 外交政策概念は今後さらに検討が加えられ、新大統領が署名して
最終的に承認される。                    
(了)  000325 0808 

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