105.国家観とは何か?



F様
毎回毎回興味深くさせていただいております。
戦前の国家観が正常、戦後が異常であるとの点についてもうすこし
ご説明をいただきたいのですが。
よろしくお願いいたします^^

>  この問題は、日本国民を不当に拉致した北朝鮮が全面的に悪い。
> 国家観が正常な戦前であれば、日本軍が宣戦布告している事態で
>すよ。
> なんか、戦後、日本の国家観が変です。日本は国家ではなく、
>同好会とでも形容するしかないですね。
>        F

Summy さん
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(Fの回答)
 戦前、日本軍は中国の日本人居住民保護のため、部隊を派遣するの
が義務でした。このことで中国との戦争となっていくのですが。

 昭和12年7月26日広安事件。北平の日本人居住民保護のため
日本軍が部隊を派遣。7月29日通州事件で、300名以上の日本人
居住民が惨殺される。このことが南京事件の引き金となるのです。

 昭和12年11月に日本軍は大軍を杭州に上陸させ、国民政府の
首都南京を占拠。このように、日本人保護は日本軍の任務であったの
です。朝鮮は日本統治下であったので、日本人の拉致は警察の問題に
なるが。

 世界の国でも自国民拉致が起これば、特殊部隊を派遣して、もしく
はそれに倍する被害を相手国に与える脅しをかけ、自国民保護を行う
のが外交の常識です。

 国家がなぜあるのか?国家は国民の生命・財産・文化を守るために
存在しているのです。国民はこの対価として、税金を国家に支払って
いるのです。イラクに日本人が人質された時も日本政府は、当初、
ほとんど何もできなかったのですが、これは、国家として意味をなさ
ないことになるのです。最後は、中曽根さんがイラクにいきましたが。
しかし、国民に対する義務の放棄を国家がする可能性があったのです。
それに対して、国民サイドも税金拒否の権利があるように思います。
欧米では、すぐにそういう反応を国民がするからです。市民革命も
その一貫でしたから。

 また、ペルーの大使館占拠事件でも日本政府の対応は、話し合いと
しか言わず、フジモリ大統領が日本政府の反対を押し切って、救出作戦
を実行したのです。日本の対応は全体に弱過ぎるのです。今度の北朝鮮
の拉致事件についても、弱すぎる感じがします。

 米国は、自国民が米国でテロにあっても、アフガニスタンのゲリラ
基地や、スーダンの工場を爆破するほど、自国民保護には過敏です。
 もし、北朝鮮に米国民が拉致されたら、米国は北朝鮮に宣戦布告する
はずです。

 日本は戦後、弱弱しくなって、それが周辺諸国の強気を誘っている
のです。中国や北朝鮮はすぐに、日本を火の海にすると言うのです。

 戦前の強い日本軍との印象が、過度な混乱を抑えた可能性がある
はずです??
今も安保上、日本軍(自衛隊)は強いとの印象が、必要ではないで
しょうか。それに裏打ちされた日本の外交が強いとの印象を今、求めら
れているのだと感じます。

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